電子書籍で収益を得たい方必読!3つのビジネスモデルと9つの戦略
あなたは、電子書籍を書いて多額の印税を手にしたいと思い立ったものの、具体的な電子出版の方法がわからず、何から手をつければ良いか悩んでいませんか?
また、何とか自分で電子出版してみたものの、電子書籍がまったく売れずに困っていませんか?
実は、電子書籍を出版して成功するためには、特定の方法論とフレームワークがあるのです。
こちらでは、「電子書籍の概要」をわかりやすく解説しながら、「電子書籍で収益を得る3つのビジネスモデル」や「電子書籍マーケティングを成功させる9つの戦略」を中心に解説します。
本記事でご紹介する内容をお読みいただければ、誰でも簡単に電子書籍と電子出版の全体像を理解し、売れる電子書籍が作れるようになります。
さらに、電子書籍で収益を得るためのビジネスモデルと電子書籍を効果的に販売するための具体的なマーケティング手法も理解できるようになります。
私自身も、この方法論にしたがい、これまで50冊の電子書籍を出版し、印税収入だけでなく本業のビジネスにつながる電子書籍の売り方が実現できています。
本記事をお読みいただいた後には、あなたはすぐにでも売れる電子書籍を作り、印税をはじめとする複数の収益を手にする方法論が理解できるようになるでしょう。
ぜひ、こちらでご紹介する電子出版のフレームワークを活用されてみてください。
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目次
- 1 電子書籍の概要
- 2 電子書籍で収益を得る3つのビジネスモデル
- 3 電子書籍で理想のライフスタイルを実現した人たち
- 4 電子書籍を活用する3つの事例
- 5 電子書籍を出版する4ステップ
- 6 電子書籍マーケティングを成功させる9つの戦略
- 7 まとめ
電子書籍の概要
1. 電子書籍とは
まず、電子書籍とはどのようなものなのかをご紹介していきます。
Wikipediaによると、電子書籍とは、
「電子機器のディスプレイで読むことができる出版物」
とあります。
この定義によれば、私たちも日常的に使用しているPDF形式のレポートなども電子書籍と言えるでしょう。
しかし、これからご紹介していくのは、従来型のPDF形式によるレポートやeBookなどとは少し別物であるとお考えください。
これからご紹介する、現在、急速に拡大している電子書籍市場は、主に「EPUB(イーパブ)形式」というもので作られている電子書籍のことを指しています。
EPUBもPDFと同様、ディスプレイ上で文字や画像などを表示させるものです。
しかし、PDFよりも電子書籍に適している形式と言えます。
Kindle(キンドル)やiPadなどで読める電子書籍は、このEPUBをもとに作られています。
詳しい技術的な説明は省きますが、EPUBが電子書籍に適している理由がいくつかあります。
1. 拡大・縮小しても見やすい
電子書籍は、文字の見やすさが何よりも重要となります。
なぜなら、電子書籍を読む方の多くが、PCよりも画面の小さいスマートフォンやiPadなどで読むことになるからです。
実際にやっていただくとわかりますが、このような端末でPDFを拡大・縮小すると非常に読みにくくなります。
とても何十ページもある文字を読もうとは思えなくなります。
一方、EPUB形式で電子書籍を作成すると、拡大・縮小が非常にスムーズにおこなえます。
たとえば、下の図は、同じページを拡大・縮小したものです。
左:標準サイズ 右:拡大版
スマートフォンで見られるくらいに文字を拡大してもページ数が増えるだけなので、非常に読み進めやすいのです。
2. 動画と連動させることができ、インタラクティブな書籍が作れる
EPUBで作った電子書籍は、動画へのリンクを貼ることができます。
YouTubeにリンクさせれば、その場で動画が再生されます。
これは通常のウェブサイトと同じで、特にスマートフォンとの相性は抜群です。
文字、画像、映像、これらを組み合わせ、これまでにない読書体験を提供できるのが、電子書籍の強みです。
3. 業界標準である
PDFは、アドビ社が作った規格です。
一方のEPUBは、複数の企業や団体が一緒になって、標準化を進めています。
一企業が作ったものではないので、汎用性が高い形式になります。
端的に言えば、これから登場してくるであろう電子書籍リーダーのほとんどは、EPUB形式の電子書籍を読むために最適化されてくるのです。
したがって、電子書籍はEPUBで作ることが望ましいと言えます。
その他、PDFとの違いについては、こちらの表をご覧いただければわかりやすいかと思います。
2. 電子書籍が普及してきた背景
書籍を電子化するという試みは、最近始まったわけではありません。
かなり昔から様々な企業が電子書籍を普及させようとチャンレジしてきた経緯があります。
そんな中、ここ数年、特に電子書籍の話題が盛り上がってきたのにはいくつかの理由があります。
1. 電子書籍リーダーが普及した
米国のデータを見てみます。
調査会社、Pew Researchによると、電子書籍リーダー(Kindle、iPad, iPhoneなど、電子書籍を読める端末)を持っている人の数は、2010年11月には全人口の6%だったのに対し、2011年5月には12%になったそうです。
わずか半年で2倍です。
これは驚異的な普及率と言えるでしょう。
その他にも、日本経済新聞によれば、以下のようなデータも公開されています。
“インターネットの普及や携帯端末の発達とともに競合するコンテンツが増え、紙の書籍の売上は世界的に減少傾向が続いている。2011年から15年までに市場は8%ほど縮小した。一方、電子書籍の売上は同じ期間に2.5倍に拡大した。”
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
このような電子書籍市場拡大のきっかけとなったのは、もちろん、Amazon(アマゾン)のKindleです。
出典:Fire 7 タブレット (7インチディスプレイ) 8GB
Kindleは、これまでの電子書籍リーダーと異なり、最先端の電子インクや液晶技術を使うことによって、非常に読みやすいリーダーとなっています。
米Amazonでは、すでに紙の書籍よりも、Kindle対応の書籍の方が売れているというデータが大きなニュースになりました。
日本経済新聞によれば、以下のような統計も発表されています。
“市場規模がもっとも大きいのはIT(情報技術)大国の米国。世界の総販売額のほぼ半分を占めている。米国では一般書籍の売上のうち3分の1近くを電子書籍が占めるまでになっており、確固とした地位を築いている。日本も13%を占めて2位につけ、存在感を示している。”
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
その他、iPadやスマートフォンといった様々なデバイスが爆発的に普及したことによって、電子書籍を読むことのできるユーザーが広がったのです。
もちろん、日本も例外ではありません。
日本経済新聞によれば、以下のような統計も発表されています。
“日本の電子書籍市場も4年間で2.5倍に伸びた。紙の出版物の売上が11年連続で減少しているのに対し、10年ごろから毎年成長を続け、15年度には同年1年の週刊誌の売上を抜いた。20年には電子雑誌も含めた売上高が3000億円を超すとの市場予測もあり、出版市場の5分の1に迫る見込み。電子書籍の8割をコミックが占めるという他国にない特徴がある。”
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
このように、電子書籍市場は堅実に右肩上がりの成長が期待できる成長性の高い市場だと言えるでしょう。
2. スターが誕生した
現在、海外で電子書籍を使ったマーケティングが流行しているのには、大きなきっかけがありました。
それが、「スターの誕生」です。
電子書籍で成功したスターが誕生し、彼らに続けとばかりに、多くのマーケターが注目しているのです。
その中でも、特に注目を集めたのが、アマンダ・ホッキング(Amanda Hocking)氏です。
彼女は恋愛小説家として、電子書籍をリリースしました。
その販売から得られた印税が1ミリオンドル(約1億円)を突破したと、フォーブス誌に掲載されたのです。
出典:Forbes『Who Wants To Be A (Kindle) Millionaire?』
若干26歳の女性がKindleを使ってミリオネアになったことで、この情報は他の電子書籍作家に知れ渡っただけではなく、コンテンツビジネスをしているインターネットマーケター達にも伝わりました。
その結果、続々と電子書籍市場に参入する人たちが生まれました。
3. スターが動き出した
同時に、ビジネス界のスターも電子書籍に力を入れ始めたことが、さらに普及に拍車をかけました。
その人物とは、セス・ゴーディン(Seth Godin)氏です。
出典:セス・ゴーディン(Seth Godin) ホームページ
彼は元ヤフーの副社長であり、『パーミション・マーケティング』など数々のベストセラー作家としても知られています。
彼は自ら電子書籍を推進するプロジェクト「The Domino Project(ザ・ドミノ・プロジェクト)」を立ち上げ、かなり力を注いでいます。
出典:『The Domino Project(ザ・ドミノ・プロジェクト)』
「The Domino Project」は、セス・ゴーディン氏がAmazonと共同で取り組んでいるプロジェクトです。
彼自身や、他の作家の電子書籍をプロデュースしたり、電子書籍マーケティングに関する様々な実験をおこなったりしています。
彼はTechCrunch のインタビューで、「The Domino Project」についてこのように語っています。
“The Domino Projectは、本を出版することについて本質的な部分を考え直すことを試みています。本、そして本の中にあるアイデアをどのようにして、より拡散性の高いものにするのか?
これまで、その本の中にあるアイデアについてオンライン上で知人と語ったり、シェアすることは難しいことでした。本とデジタルがつながっていないからです。
しかし、Amazonのおこなっている電子書籍では異なります。デジタルと本がつながったとき、拡散性が非常に高まるのです。”
このように、「電子書籍とソーシャルメディアなどのオンラインがつながると、書籍の情報、内容がどれくらい広がっていくのか?」ということを模索することがThe Domino Projectの中心的なテーマになっています。
彼が出版した電子書籍が、『Poke the Box』というタイトルです。
実はこの書籍をリリースしたとき、彼はとても面白い試みをおこなったのですが、その内容については後ほどご紹介したいと思います。
3. 出版業界に起こる3つの大きな変化
マーケットアナリストのマイケル・ウォルフ(Michael Wolf)氏は、次のように語っています。
“10年以上、消費者市場の分析に関わってきたが、今日の電子出版市場ほど、早いスピードで変化している業界は無かった。
出版業界は、3つの大きな変化に直面している。
・流通の崩壊・・・これまでのような本の流通はどんどん崩壊する。早くもそれに対処しようとしている出版社もあるが、愚かにも傍観しているだけの出版社もある。
・ソーシャルとの融合・・・これまで書籍の情報が世の中に伝わるのは、本屋や大手メディアに取り上げられたときくらいだった。しかし、今後は、Facebookなどのソーシャルメディアを通じて、書籍の情報がどんどん流通するようになる。
・マルチプラットフォーム・・・今後は書籍も音楽や映画などと同様、様々なプラットフォームで読まれるようになるだろう。”
このように、100年間、まったくと言ってよいほど変化がなかった出版業界に、大きな変化が起きていることを示唆しています。
このような変革期には、大きなビジネスチャンスが生まれるものです。
ぜひ、あなたも本記事をご参考にしていただき、その波を捉えてみてください。
あなたが電子書籍マーケティングをおこなうべき理由
さて、ここまでお読みいただき、電子書籍の概要、そして大きな波が来ていることはご理解いただけたかと思います。
しかし、それは理解できたものの、自分のビジネスとどう関係あるのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
具体的には、「自分は作家になろうとも思っていないし、本を出版する予定もない」といった具合に考えられている方も多いことでしょう。
しかし、私自身は、ビジネスをされている方、これからビジネスを始める方全員に電子書籍を出版することをおすすめします。
ここで、米国のコーチング界で著名な実績をもつブレンドン・バーチャード(Brendon Burchard)氏の言葉をご紹介します。
出典:ブレンドン・バーチャード(Brendon Burchard) ホームページ
それは、
“すべての人はメッセージを持っている。”
というものです。
あなたがビジネスをするならば、必ず何か世の中に広めたいメッセージ、アイデアがあるはずです。
それが何であれ、それを世の中に広めるもっとも優れた方法が、出版することです。
もちろん、ブレンドン・バーチャード氏も本を出版しています。
彼の場合には、紙の書籍、そしてKindle版の両方がリリースされています。
出典:『The Millionaire Messenger: Make a Difference and a Fortune Sharing Your Advice (English Edition)』Brendon Burchard (著)
また、世界No.1のスモールビジネスアドバイザーである、マイケルE.ガーバー(Michael E. Gerber)氏は、
“すべての起業家は本を書くべきである。”
という、本からブランド、そしてビジネスを創り上げるというコンセプトを提唱しています。
出典:マイケルE.ガーバー(Michael E. Gerber) ホームページ
出典:『はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術』マイケル・E. ガーバー(著)
本を書くという作業によって、あなたが世の中に何をもたらすのかを明確にすることが可能になります。
そして、本を広めることによって、商品やサービスよりも先に、ビジネスのアイデアを世の中に広める事ができるのです。
これまで、書籍を出版するためには、多大な労力がかかりました。
自費出版の場合にはコストはもちろんのこと、そして多少の運も必要でした。
しかし、電子書籍時代においては異なります。
本人のやる気さえあれば確実に、そして、これまでよりもはるかにスピーディに出版することができるのです。
ぜひ電子書籍市場が右肩上がりで成長しつつあるこのタイミングを機会に、出版デビューを検討してみることをおすすめします。
電子書籍で収益を得る3つのビジネスモデル
次に、電子書籍に関わるビジネスモデル、つまり、電子書籍からどのようにして収益を生み出すかをご紹介します。
実は電子書籍を書いて印税収入を得る以外にも、魅力的な収益源が存在するのです。
ビジネスモデルその1. 印税収入
1つ目は、印税収入です。
これはもっともわかりやすいでしょう。
電子書籍の印税は、基本的に紙の書籍の場合と同じですが、印税率は異なります。
紙書籍の場合、一般に著者への印税は売上の10%程度と言われています。
2,000円の書籍を1万部売れば、売上の2,000万円の10%として、200万円が印税収入になります。
一方の電子書籍の場合、執筆からプロモーションまでをすべて自分でおこなえば、印税率ははるかに高くなります。
お金がかかるのは、電子書籍を販売してくれるストア(AmazonやiBookstoreなど)に対する手数料くらいです。
一般的に言って、売上の35%以上は著者への印税として手元に入ります。
電子書籍においては、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)を使って自分自身で出版をおこなった場合、最低でも35%の印税が得られます。
これは、紙書籍の印税が10%であることと比較すると、25%も高い印税が得られることを意味します。
さらに、もしもあなたがKDPで作成した電子書籍をAmazon のKindleストアのみで独占的に販売するのであれば、35%ではなく、70%もの印税が得られるのです。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
印税が70%の場合、500円の電子書籍1冊あたりの印税は350円、1,000円の電子書籍1冊あたりの印税は700円となります。
紙書籍と比較すると、収益的な条件がはるかに良いことが明らかです。
ビジネスモデルその2. 電子書籍制作業
2つ目は、電子書籍制作業です。
EPUBの電子書籍を作るためには、専門的な知識と技術が必要です。
基本的に、執筆作業自体は普通にワープロソフトに文章を書いていけばよいのですが、それを販売できる書籍として完成させるためには、いくつかの作業が発生します。
たとえば、次のようなことです。
文章校正・編集作業
誤字脱字をチェックしたり、書いた文章を編集する作業です。
デザイン
表紙や本文をデザインします。
これは、いわゆる装丁の作成作業です。
表紙などは自分でデザインすることもできますが、やはり素人が作ると見劣りします。
EPUB制作
完成した書籍を電子書籍リーダーで読めるようにEPUB制作します。
この作業は今のところ、専用のソフトウェアが必要です。
これらの全部を著者がおこなってもよいのですが、慣れないと、かなりの手間と時間がかかります。
そこで生まれるのが、これらの作業を代行する、電子書籍制作業です。
イメージとしてはホームページ制作業が近いです。
彼らはクライアントからホームページのイメージやコンテンツをもらって、それをウェブ上で見られるようにデザインし、コーディングをおこないます。
電子書籍制作業も著者のイメージを正確にとらえて、売れる電子書籍へと仕上げていきます。
請求する金額は本のボリュームによっても様々です。
ビジネスモデルその3. 電子出版社(エストリビューター)
3つ目は、今、もっとも注目されているビジネスモデル、「電子出版社を作る」というモデルです。
海外では、このモデルを「エストリビューター(estributor)」などと呼ぶケースもあります。
これは、ジョセフ・アンドリュー・コンラス(J.A. Konrath)氏が2009年に提唱した、電子書籍に関する職業を意味します。
出典:ジョセフ・アンドリュー・コンラス(J.A. Konrath) ホームページ
ジョセフ・アンドリュー・コンラス氏によるエストリビューターは、以下のように定義されます。
“estributorは、「ebook」「distributor」の2つをかけた造語で、作家のために編集者・作家エージェント・流通業者の役割をまとめて引き受けてくれる万能代理人のこと。
なお、日本唯一の電子出版ビジネス支援業界団体である一般社団法人日本電子出版作家協会(EWA)では、日本の電子出版事情にあわせて、エストリビューターを次のように定義しています。
“総合電子出版代理人。
企画、編集、製本、マーケティング等、著者の書籍が著者の出版目的を達成するために、ベストな形になるように支援する者。”
これまで、紙の書籍の出版社を作ることは、多くのリスクがともないました。
しかし、電子書籍に関しては、それらリスクの大半が大きく低減されます。
そこで、「出版社そのものを自分達で作ってしまう」、というビジネスモデルが成り立ちます。
これは、既存の出版社が持っているメリットを享受しながら、リスクが低いという理想的なモデルです。
作家を目指す人にとって、電子出版社の存在は、非常に心強いものです。
なぜなら、作家は本を書くことについてはプロですが、その他の作業については素人であり、できれば自分でやりたくない作業です。
冒頭でご紹介したアマンダ・ホッキング氏も、最初は自分ですべての作業をおこなっていました。
しかし、彼女は後に、大手の出版社と契約を結びました。
なぜならば、彼女はあくまで小説家であり、文章を書くことだけに集中したかったからです。
電子書籍を出版するための、その他の作業を自分でやることが重荷になっていたのです。
出典:Forbes『Kindle Millionaire Amanda Hocking Goes Traditional』
電子出版社の報酬体系は、売上の一部を著者と分配する形になります。
しかし、これは著者との契約内容によりけりです。
上記の電子書籍制作業も兼ねる場合には、その分を実費で請求する場合があります。
また、「そもそもどういう本を書くべきか」、という専門的なアドバイスを提供するコンサルティングサービスも提供する場合には、また別途報酬が発生したり、と様々に考えられます。
いずれにしろ、これまでは思いもしなかった、「出版社を作る」というビジネスが、いとも簡単に実現できてしまう時代になったのです。
電子書籍で理想のライフスタイルを実現した人たち
海外では、冒頭にご紹介したアマンダ・ホッキング氏のようにミリオネアとはいかないまでも、電子書籍を販売することによって、豊かな作家生活を手に入れた人たちも続出しているようです。
ここでは、そんな中から2人の人物をご紹介したいと思います。
2人ともフィクション作家ですが、もちろんノンフィクション分野でも同じように成功することは可能です。
1. ベラ・アンドレ(Bella Andre)氏
出典:ベラ・アンドレ(Bella Andre) ホームページ
彼女は本記事執筆時点において36歳で、小さな子供が2人いる母親です。
プロフィールはAmazonのサイトからも見ることができます。
ベラ・アンドレ(Bella Andre) Amazon著者ページ
これまで、恋愛小説を中心に、15冊以上の電子書籍を販売しています。
彼女は元々、紙の書籍も出版していました。
しかし、大半の小説家同様、微々たる数しか売れず、これまでの印税収入は、どれも21,000ドル以下だったそうです。
あるとき、彼女はこれまで書いた小説を電子書籍にしてみようと考えました。
そこで、出版社から許可をもらい、小説『Authors in Ecstasy』(現:『Ecstasy』)を電子書籍にしてKindle用に出品したのです。
この作業は彼女にとっては大変なものでした。
先ほど書いたとおり、電子書籍を出版するには、執筆作業以外にもやることがあります。
表紙も作らないといけない、紹介文も書かないといけない、EPUB制作する作業もある、といった具合に、様々な作業も同時におこなう必要がありました。
そして、価格も自分で決めます。
なんとかやり遂げた彼女ですが、特にプロモーションはせず、その後はほったらかしにしました。
やり方がわからなかったのもありますが、そもそも、そんなに売れるとは思っていなかったからです。
しかし、数週間後にアカウントをチェックしてみると161部売れており、彼女の稼ぎは281ドルになっていました。
彼女はその事実に驚き、別の本を電子書籍にしました。
そして今度は、Kindleだけではなく、iPadやソニーのeBookリーダーにも公開しました。
その翌月、彼女の収入は474ドルになりました。
さらに、2010年7月、新しい電子書籍をリリースしました。
すると、今度は3,539ドルを稼ぐことができました。
彼女は電子書籍のやり方を覚え始め、新しい小説『Game for Love』を2010年12月15日にリリースしました。
その結果、収入はついに19,315ドルになりました。
そんな実績が積もり積もって、2011年の第1四半期における彼女の売上は、合計56,008部、収入は116,264ドル(約1,200万円)になりました。
ミリオネアとまではいきませんが、作家としては売れっ子の部類に入り、普通の主婦では考えられない収入です。
売れない小説家が、わずか1年ほどで成功をおさめたのです。
2.ステファン・レザー(Stephen Leather)氏
出典:ステファン・レザー(Stephen Leather) ホームページ
彼はイギリスのフィクション作家として、Kindle上の電子書籍を、過去12ヵ月で50万部も売り上げました。
当然ながらその印税だけで生活しています。
彼の作品の例としては、以下のものが挙げられます。
- 『Once Bitten』
これはベストセラーになった代表作です - 『The Basement』
これはイギリスのKindle売上チャートで何ヵ月かトップだった作品です。15万部以上売れたそうです。
次に、彼が電子出版を成功させてきた過程で学んだことをご紹介していきます。
メインとなるプラットフォームがAmazonである、そしてフィクション作家であるという違いはありますが、きっと役に立つでしょう。
作家の仕事に専念する
前述のとおり、ステファン・レザー氏は過去12ヵ月で電子書籍を50万部売りました。
しかし、自分で執筆もマーケティングもおこなうことに疲れ、マーケティング活動をAmazon Encore(アマゾン・アンコール)に引き継ぐことを決めたそうです。
Amazon Encoreとは、読者レビューの評価に対して、それほど売上が良くない書籍、すなわち埋もれている書籍をAmazonが発掘し、プロモーションしてくれるというプログラムです。
なお、日本ではAmazonが主催する「小説コンテスト」などのプログラムがおこなわれています。
これは、自分で出版している人たちにとっては非常にありがたいサービスです。
内容が良いのに売れない、という書籍はたくさんありますが、そういった状況を救済することのできるサービスと言えるでしょう。
実は、彼が電子書籍を大ヒットさせることができたのは最近のことです。
それまでは代理店経由で売っていましたが、実際のところ、売上はほとんどゼロでした。
状況が変わったのは、AmazonがイギリスにKindleストアを開いた2010年の夏だったそうです。
そのとき、彼は先ほどの2冊を含む、3冊の本をKindle向けに出版しました。
当時は、イギリス国内におけるライバルが少なかったため、それほど苦労なくベストセラー入りを果たします。
一方、イギリスの3倍以上は市場が大きいとされている米国においては、イギリスの10分の1ほどの売上しかありませんでした。
すでに電子書籍の市場が広がっている米国内では、ライバルも多く、プロモーションしてもなかなか成功しなかったのです。
また、イギリスにおいても、以前に出版した新しいタイトルは一時ベストセラー入りを果たしたものの、まもなくランキング外になってしまいました。
代わって登場してきたのは、有名な書籍のリメイク版や有名な作家の書籍です。
このような書籍には大手の出版社が関わっています。
電子書籍に本格的に取り組み始めた彼らのプロモーション力が、ステファン・レザー氏の力を上回ってきたのです。
そこで彼が得た教訓は、作家は執筆作業に専念するということです。
自分で何もかもできるのは市場の黎明期においてのみであり、市場が成熟するにつれて、作業が専門化され、役割分担ができてくるのです。
逆に言えば、販売するほうが得意な方は、執筆作業はそれが得意な人に任せ、自分は販売面にだけ関わるという役割ができるでしょう。
数多く出版すればするほどよい
ステファン・レザー氏は自分の経験から、さらに次のようなコメントをしています。
“紙の書籍は、リリースされたときが一番の売り時であり、その後の売上は急速に落ちていく。
一方の電子書籍の場合にも確かにリリース時が一番の売り時である。
ベストセラーリストに永遠に乗り続けることはないが、その後も安定して売れ続ける可能性がある。”
これはなぜかと言えば、毎日毎日、電子書籍を読むことのできるツールが販売され続け、増え続けているからです。
毎日、Kindleを買う人がたくさんいて、彼らは評価の高い書籍を検索したり、口コミで聞いたりして、たとえ古い書籍であっても探して購入してくれるのです。
そこで重要なことは、できるだけ数多くのタイトルを出版することです。
もちろん、駄作を乱発していては逆効果です。
しかし、タイトルを増やしていくことは、電子書籍の場合、さらに有効になるそうです。
電子書籍の場合、販売の主戦場が本屋ではなく、オンラインストアになります。
これによって、「レコメンデーション機能」が活躍します。
特にAmazonの場合、優れたレコメンデーション機能が存在します。
以下にWikipediaから引用の上、レコメンデーション機能の詳細をご紹介します。
“Amazon.comのレコメンデーション機能は、A9といわれるエンジンによっておこなわれている。この場合のレコメンデーション機能とは、過去の購入履歴等から顧客ひとりひとりの趣味や読書傾向を探り出し、それに合致すると思われる商品をメール、ホームページ上で重点的に顧客ひとりひとりに推奨する機能のことである。例えばAmazon.co.jpの「トップページ」や「おすすめ商品」では、そのユーザーが過去に購入したり閲覧した商品と似た属性を持つ商品のリストが自動的に提示されるが、それはレコメンデーション機能の一部である。シリーズ物の漫画等の購入をレコメンドする場合にはちょうど新刊が出たころに推奨し、似たような傾向の作品をも推薦する。以上の意味で、Amazonのレコメンデーション機能は協調フィルタリングに分類されると考えてよいだろう。”
出典:Wikipedia『Amazon.com』
この機能のおかげで、自分の書いた書籍を一冊買ってくれた人には、自分が書いた他の書籍が自動的にレコメンド(推奨)されるのです。
マーケティング用語で言えば、クロスセルが非常にやりやすく、かつ自動的におこなわれるという強力なメリットがあります。
この視点からも、ネット販売が中心となる電子書籍の販売では、できるだけ数多くのタイトルを出版することは重要なポイントだと言えるでしょう。
電子書籍を活用する3つの事例
では次に、電子書籍を具体的にどのように活用すればよいのかをご紹介していきます。
ここでご紹介するのは、あくまで例であり、あなたの想像力次第で数知れない可能性があるものとお考えください。
1. ファネル理論の入口
電子書籍は、「エキスパートビジネス」と非常に相性が良いです。
エキスパートビジネスは、数ある業界の中でも、比較的新しく、成長著しい業界です。
米国を初めとする海外では、すでにたくさんの成功者が生まれると同時に、たくさんのノウハウが公開されています。
エキスパートとは
エキスパートとは、日本語では専門家と訳すことができます。
私たちのイメージでは、「専門家=ある分野の専門知識を持っている人」くらいの認識かもしれません。
しかし、今、米国でも注目されているエキスパートの意味は少し異なります。
ここで語られるエキスパートとは、
“世の中に価値を与えるコンテンツ(情報・知識)を発信し、そのリターンとして収益を受け取る人たち”
のことを指しています。
単に専門知識を蓄えているだけではなく、それを幅広く世の中に提供し、かつ、自分自身もリターンを得ることがポイントです。
エキスパートビジネスのパターン
エキスパートとしてビジネスが成り立つパターンには、以下の2つのタイプがあります。
1. コンテンツ収益
書籍、セミナー、ワークショップ、教材など、エキスパートとしての専門知識を提供することによって、収益を得るモデルです。
コンサルタント、コーチ、著者などの立場の方はこのパターンが当てはまります。
情報ビジネス、コンテンツビジネスなどとも言われており、ここ数年で生まれてきた市場と言えるでしょう。
2. 他の実業への誘導
このパターンは、最近、注目されているエキスパートビジネスの展開方法です。
すでに実業を持っている人が、自社の専門知識を生かして、エキスパートとして世の中に出ていくパターンです。
では、このエキスパートビジネスが電子書籍とどのように相性が良いのでしょうか。
実は、エキスパートビジネスに必須のファネル理論の入口として、電子書籍は最適なのです。
ファネル理論とは、簡単に言えば、下記の図のように、自分の商品をそろえていくことです。
新規のお客様には、まずは無料か安価な商品で自分のことを知ってもらい、徐々に高額で付加価値の高い商品へと導いていきます。
その入口となるのは、これまで無料のニュースレターに登録してもらったり、無料レポートを請求してもらったり、ということが定番でした。
もちろん、一部の人は書籍を出版して、自分を権威付けすると同時に、ファネルの入口を作ることもできます。
しかし、誰もが書籍を出版できるとは限りませんし、できたとしても、半年から1年の単位で時間がかかります。
一方の電子書籍は、自分のやる気さえあれば、誰でも出版できます。
そして、ニュースレターや無料レポートより、はるかに権威付けになります。
ファネルの入口に用意する商品の目的は、それでお金を稼ぐことではありません。
できるだけ多くの人に自分のビジネスのことをよく知ってもらい、かつ信頼できる人間・会社であることを認識してもらうことが目的です。
そのために、電子書籍は最適の媒体と言えるでしょう。
2. カタログ利用(EPUBコマース)
紙の書籍と電子書籍の大きな違いのひとつは、インターネットとダイレクトにつながっていることです。
あなたが紙の書籍を出版して、その中に自分の商品やサービスのURLを掲載しておいたとしましょう。
本を読んでくれた人のうち、どれくらいの人が、そのURLをブラウザに入力してくれるでしょうか。
よほど商品やサービスが気になるものでない限り、大半の人はそのURLを素通りしてしまうでしょう。
いちいちURLを入力してもらうというのは、かなり手間を強いるものです。
そうならないために、書籍の中にチラシを入れるなどの工夫をするわけですが、それでも「書籍の読者」から「顧客」になる確率はそれほど高くないのが実態でしょう。
しかし、電子書籍になると事情が異なってきます。
電子書籍の中には、商品やサービスのページへのリンクを埋め込むことができます。
そして、大半の電子書籍リーダーは常時インターネットとつながっていますから、1クリックでそのサイトを見てもらうことができるのです。
また、さらに進んで、電子書籍の中に詳しい商品説明を入れてしまう手法もあります。
電子書籍をカタログ的に利用してしまうのです。
一般社団法人日本電子出版作家協会(EWA)理事長の細田朋希氏は、このような手法を「EPUBコマース」と名付け、普及に努められています。
こちらはEPUBコマースの例として作られた電子書籍のサンプルです。
基本的に、ウェブサイトに載っている内容をそのまま利用しています。
この場合、紙のカタログを作るよりもコストがかかりませんし、改訂・変更が簡単です。
3. 教科書(テキスト)
小中高、そして大学などの教育機関では、教科書(テキスト)の電子書籍化が急速に進むと考えられています。
たとえば、Forbesの『米大学で進む教科書の電子化 市場規模は1000億円以上』という記事では、以下のように電子化した教科書が普及することを言及しています。
出典:出典:Forbes『米大学で進む教科書の電子化 市場規模は1000億円以上』
“ここで話題にしたいのは、スキャンして電子化した教科書のことに限らない。最初から電子版で発行されたインタラクティブな教科書が今後のトレンドになる、と業界関係者は主張している。
「従来の紙の教科書は、間もなく過去の物となるでしょう」と、アメリカ出版社協会(AAP)のDavid Andersonは言う。
「高等教育の分野にたずさわるAAP加盟企業の多くが、教科書のデジタル化が進むと見ています。彼らは出版社ではなく、電子化した教材を扱うデジタル・ラーニング・カンパニーなのです」
「書店は、学生がデジタル商品を試すためのショールームとなる可能性があります」と、ラーニング企業のマーケティング担当者は語る。そこでは、学生がテストをおこなうと自動採点され、教科書のどこでその情報を学んだかを教えてくれるような商品を試すことになるかもしれない。”
日本でも、文科省が2020年から「デジタル教科書」の導入を保護者負担で検討していることも発表されています。
出典:ZDNet Japan『文科省、2020年から「デジタル教科書」を保護者負担で導入へ』
教科書は毎年、改訂がおこなわれますが、それを電子書籍にしてしまえば、印刷など膨大なコストが削減できます。
ここでは、ぜひあなたにも見ていただきたい電子書籍があります。
おそらく、現存する電子書籍としては、最高峰のクオリティになっているものです。
さらに、こちらは無料で閲覧することができます。
それがこちらの『Life on Earth』という電子書籍です。
ジャンルとしては教科書や辞典の類に入るでしょうか。
その名のとおり、地球上の生命たちの生態について紹介している書籍になります。
出典:iTunes『E. O. Wilson’s Life on Earth Unit 1』
こちらはiTunesで『Life on Earth』と検索すると表示され、無料ダウンロードできます。
詳しくはぜひ実際に体感してみていただきたいのですが、とにかく文字と画像と動画がうまく組み合わさって、非常に美しい電子書籍になっています。
もちろん、見た目が美しいだけではありません。
指でタッチして操作することもできる工夫がされていて、インタラクティブな学習が可能になっています。
まさに「未来の教科書」と言える完成度になっていますので、ぜひお試しください。
電子書籍を出版する4ステップ
では、電子書籍を出版するための4ステップをまとめていきます。
こちらを参考にしていただいて、ぜひ、あなたも作家としての一歩を踏み出してみてください。
ステップ1. テーマを考える・執筆する
まず、あなたの資産の棚卸しから始めましょう。
資産といっても、商品在庫ではなく、あなたの知識の資産です。
あなたには、これまでに書いたブログやメールマガジンはないでしょうか。
もしそれらがあれば、電子書籍作家への道は簡単です。
たとえば、私が過去に出版した電子書籍のひとつに、『稼ぐ思考術』というものがあります。
本書は、Amazon のKindleストア上陸前の2011年から準備し、電子出版を実現していました。
こちらはもともと、メールマガジンとして発行していた内容です。
出典:『稼ぐ思考術 メールマガジン』
そして、そのメールマガジンの内容を電子書籍版として再編集し、まとめたものが、以下の『稼ぐ思考術』となります。
こちらのメールマガジン自体は無料ですが、それを電子書籍として再編集・整理することによって、情報が体系化されて新たな価値が生まれます。
現在はAmazonのKindleストアで3部作として、1部あたり980円という価格で販売しています。
出典:『稼ぐ思考術』小谷川 拳次 (著)
※Amazonの読み放題サービス「kindle unlimited(キンドル アンリミテッド)」会員の方は無料購読が可能です
このように、あなたが特定のテーマについて書いたメールマガジン、ブログなどはそのまま電子書籍の原稿として活用可能です。
そのようなものがなく、まったくゼロから書き始める場合には、あなたの専門知識に関する情報を体系立ててまとめてみることに挑戦してみましょう。
また、電子書籍では、一般的な内容よりも、具体的なテーマの内容が好まれます。
世の中であなただけが知っている内容である必要はありません。
他の人も知っているけれども、誰も電子書籍として出版していなければ、あなたが第一人者になれる可能性があります。
また、執筆にあたっては、2つのものを比較する、比喩を使う、などのフレームワークを使って、アイデアを文章構成へと落とし込んでいきます。
なお、電子書籍を出版するうえでは、「ロングテール戦略」が大切になります。
「ロングテール戦略」とは、インターネットマーケティング上の概念で、「販売機会が少ないような商品でも、アイテム数を幅広く用意し、対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上を大きくする」という販売戦略です。
前述したとおり、タイトル数を多く用意することで、Amazonという巨大な市場からあなたの電子書籍に出会う読者を増やすことが期待できます。
よって、あなたの得意なテーマについて、「シリーズ化する」ことを前提としてテーマを決め、執筆内容を検討してみる戦略もおすすめできます。
ステップ2. 仕組みを考える
これはステップ1.の前におこなってもよいですが、電子書籍を出版する目的を明確にしておきましょう。
- 「買っていただいた読者様をどこに導くのか?」
- 「もう1冊買っていただくのが目的なのか?」
- 「店舗に来ていただくのが目的なのか?」
- 「商品を買っていただくのが目的なのか?」
これらの導線を考えて、読者にしてほしい「次の具体的なステップ」を電子書籍の中に示しておきます。
くれぐれも、ざっと読まれて、ハードディスクの中に忘れられたまま置いておかれることのないようにしましょう。
ステップ3. EPUB制作する
次に、執筆した文章をEPUB制作します。
現在、電子書籍を制作するための専用ソフトがいくつか市販されています。
無料や安価で簡単なものから、本格的なプロ仕様のものまであります。
ご自身のご予算や知識によって選択されるとよいでしょう。
なお、個人的におすすめできるのが、無料のEPUB電子書籍作成ソフトであるSigil(シジル)です。
【無料】Sigil(シジル)
無料で提供されている高性能EPUB制作ソフトです。現時点ではもっともおすすめのソフトです。
ステップ4. 出品する
最後に、いよいよ完成した電子書籍を出品します。
現在、もっとも推奨できるのは、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)です。
電子書籍マーケティングを成功させる9つの戦略
こちらでは、電子書籍マーケティングのお話に入っていきます。
先にご紹介したセス・ゴーディン氏が、すでに先陣を切って電子書籍マーケティングの実験をしてくれていますので、それを参考にしながらご紹介していきます。
その1. 自らプロモーションする
本を出版したら、自らその本のプロモーションをすることが必要です。
これは電子書籍であろうと、紙の書籍でも同じです。
出版社の力によって売れた書籍も、もちろんあるでしょう。
しかし、それらはごく一部です。
セス・ゴーディン氏も次のように語っています。
“出版社による効果的なプロモーションなどというものはない。ハリーポッター、Freakonomics。これらは確かにプロモーションされた。しかし、昨年米国で出版された75,000のタイトルのうち、出版社によって効果的にプロモーションされたのは、100程度に過ぎない。”
この言葉のとおり、私たちが目にしているのは、そのうまくいった100程度の本に過ぎないのです。
その他、大多数の本は、届くべき人の手に届く前に書店の本棚から消え去ります。
したがって、電子書籍を出版して、それを広めたかったら、自らプロモーションする覚悟が必要です。
具体的には、読者、または見込み読者とダイレクトにコミュニケーションすることが必要です。
まったくのゼロからスタートする方は、メールマガジン、Facebook、ブログなど従来のメディアを使って、小さなコミュニティを作ることから始めるとよいでしょう。
以前、オバマ大統領が当選した選挙戦で、彼と彼のチームは、ソーシャルメディアの力を最大限に活用したと言われています。
出典:Wikipedia『Barack Obama』
最終的には非常に大きなコミュニティが生まれたのですが、そのきっかけになったのは、ごく小さなコミュニティであったことをご存知でしょうか。
2004年、オバマ氏は民主党全国大会でスピーチをおこないました。
それを聞いていた、メレディス・シーガル氏は、その内容に大変感銘を受けました。
そして、オバマを大統領選に出馬させるべく、Facebook上にコミュニティを作ったのです。
そのコミュニティが次第に人気を集め、ついには大統領選のときに、オバマ陣営から公式コミュニティとして認定されました。
その後のムーブメントはあなたもご存知のとおりです。
このようにソーシャルメディア時代においては、「出版社の力を借りて一気に広めたい」といった発想ではなく、草の根ネットワークを広めていくほうが後々には広く、かつ深いコミュニティができるものです。
そして、そのコミュニティがイコール、あなたの電子書籍の「見込み読者」になるということです。
「本を出したら権威付けができて、ブランディングも成功する」と大船に乗った気にならず、ご自身でやれるだけのプロモーションをおこなうことは必須だと考えておきましょう。
その2. 読者とのコミュニケーションを重視する
電子書籍の大きな利点は、読者とダイレクトにつながることができるという点です。
先ほどのアマンダ・ホッキング氏もFacebook上にファンとのコミュニケーションができるページが作られています。
出典:アマンダ・ホッキング(Amanda Hocking) Facebookページ
このようにして、リレーションシップを大事にすることで、次に書籍を出したときにもスムーズに受け入れてもらえます。
また、電子書籍の中にFacebookとつなげる仕組みを入れておくこともできます。
前述の電子書籍、『稼ぐ思考術』の各ページには、
「お読みになった感想を、是非こちらからシェアしてください。あなたは何を感じ、どのような行動に移そうと決意しましたか?」
という問いかけとともに、Facebookページへの導線が引いてあります。
このようにすることで、従来の紙の書籍には無かった、双方向性を生み出すことができます。
読者が本の感想を書き込んだり、質問をしたりして、著者がそれに答えるといったことも容易に実現が可能になります。
当然、このようなコミュニケーションがFacebook上で公開されていることによって、まだ本を読んでいない人にも興味付けをすることができるのです。
その3. 電子書籍を売って儲けようとしない
「電子書籍を売って儲けようとしない」という言葉は、「印税率の高い電子書籍」というイメージとは正反対のように聞こえるかもしれません。
しかし、ここでお伝えしているのは、あくまで本業を手助けするために電子書籍を出版するときの話です。
アマンダ・ホッキング氏のように、小説を書くこと自体が本業の場合には異なります。
電子書籍をビジネスの一環として活用する場合、フロントエンドとしての電子書籍で儲けようとしないことです。
もちろん、ミリオンセラー作家になれば、莫大な印税が入ってきます。
そこを目標としながらも、フロントエンド戦略を取り入れることで、強力な電子書籍マーケティングを実施できます。
セス・ゴーディン氏は、次のように語っています。
“出版はビジネスではなく、趣味であると認識すること。著者にとって、書籍に投入した資金に対するリターン、投入した時間に対するリターンは、ひどいものである。もし、それをお金のためにやるのであれば、失望することになるだろう。その代わり、書籍はあなたのアイデアとブランドを、はるか遠くまで広げてくれるレバレッジになる。”
私たちの目に触れるような書籍は確かにベストセラーであり、著者に対する印税も、それ相応のものになるでしょう。
しかし、その影には、比較にならないくらい非常にニッチで、日の当たらない書籍と著者が存在することを忘れないようにしましょう。
とはいえ、セス・ゴーディン氏が言っているように、アイデアやビジネスの情報を広げるには、電子書籍は素晴らしい方法です。
先にもお伝えしたとおり、電子書籍で情報を広げた後、それをどのようにしてビジネスにしていくのか、導線をしっかりと考えておきましょう。
その4. ロングテール理論を活用する
前述したとおり、電子書籍では、ロングテール理論が見事に当てはまります。
一般的に言って、商品が顧客の手元に届くまでのコストが下がれば下がるほど、ロングテール化が進むとされています。
たとえばAmazonは、一等地に実店舗を持つ必要がなく、土地代が安い場所に倉庫を用意しています。
そのため、顧客に商品を届けるためのコストが、従来型の流通業よりも低いのです。
したがって、書籍でロングテール化が進みました。
電子書籍市場では、究極的にそのコストが下がるため、さらなるロングテール化が進む、またはすでに進んでいると言われています。
これは私たちにとって、大きなチャンスとなります。
これまで商業出版が断られていたようなニッチな分野、テーマであっても出版できるのです。
とはいえ、単に狭い市場を狙っただけでは正しいロングテール戦略とは言えません。
この場合は、「巨大市場の中のニッチ市場」を狙うのがポイントです。
その5. プッシュ型マーケットからプル型マーケットへの移行を理解する
セス・ゴーディン氏は、ブログの中で、出版業界に起きている劇的な変化を語っています。
“出版業界におけるもっとも大きな変化は、次のことだ。
この業界は、著者のために読者を探すという考えで作られてきた。新しい技術とビジネスモデルでは、もっとも賢い出版社は、読者を探す代わりに、読者のために著者を探す。
伝統的に、本は契約され、執筆され、編集され、デザインされ、印刷され、流通させられる。そして、その後に、出版社が人々にその本について知らせ、書店の棚を確保するために、メディアに取り上げてもらうために奔走するのだ。すでに出版された本の読者を探すために。
このパーミション・マーケティング(※)の時代においては、著者はすでに読者のことを知っている。著者はすでに読者にコンタクトする術を持っている。このつながりこそ資産である。とても価値がある。”
出典:The Domino Project(ザ・ドミノ・プロジェクト)『Downside up』
(※)パーミション・マーケティングとは、事前にpermission(許可・許容)を得た相手に許諾の範囲内で、情報提供や勧誘、販売促進、顧客情報取得などの活動が許されるとするマーケティングの考え方、あるいはそうしたマーケティング手法の総称。マーケティング・メッセージが届けられることを了承、期待している顧客(見込み客)に対してアプローチするため、高いレスポンス率、良好な顧客関係、顧客満足が期待できる。
出典:ITmediaエンタープライズ
この文章のとおり、あらゆる業界が消費者のニーズを汲んで、そこから商品やサービスを作るというプル型マーケティングへ移行してきたなか、ずっと変わらなかったのが出版業界です。
しかし、どうやらその構図も崩れ始めているようです。
著者が書きたい本を書いて、それを出版社がマーケティングするのではなく、読者が読みたい内容を意見し、それについての本を書く、という他の業界では当たり前のことがようやく実現しつつあるのです。
ここでご紹介したいのが、Hyperink社という出版社です。
この出版社は、電子書籍を出版するために設立されたベンチャー企業です。
業界ではかなり注目されているそうです。
なぜ注目されているのかというと、プル型マーケティングのモデルを作り上げているからです。
彼らは従来の出版社のように、著者を探したり、著者から作品を募集したり、ということはしていません。
では、何をしているのかというと、「キーワードリサーチ」だそうです。
彼らはインターネットマーケターがおこなうようにキーワードリサーチを実施し、今何がトレンドになっているのか、どんなキーワードが求められているのかを調べます。
そして売れそうな本のトピックを決めたら、そのトピックについて詳しい著者を探すのだそうです。
先ほどセス・ゴーディン氏の発言にあったように、伝統的な出版社とは大きく異なる手法です。
CEOのケビン・ガオ(Kevin Gao)氏によれば、彼らの出版に関するポリシーは次のようなものです。
すばやく出版する
伝統的な出版社が、一冊を出版するのに1~2年かけ、メガヒットを生み出す準備をするのに対して、Hyperink社は1ヵ月ほどで本をリリースするそうです。
かつ、コストは紙の書籍の10分の1ほどとのことです。
このような、すばやい出版の体制を整えることによって、世の中の情勢にぴったりマッチしたタイトルを出せます。
ロングテール
Hyperink社は、先ほどご紹介したロングテール理論を活用しています。
そのため、彼らは従来の紙の書籍よりも、よりニッチで具体的なテーマの書籍をリリースしています。
たとえば、『How to get into college.(大学への入学法)』といった一般的なタイトルではなく、『Harvard Law School Admissions.(法科大学院へ入るには)』というように、より具体性のあるタイトルの本がラインナップされています。
その他、『The Best Book On Marketing Your Android App(アンドロイド用アプリケーションをマーケティングするための本)』などのように、具体的かつトレンド性のあるタイトルが並んでいます。
電子書籍の長さ
もうひとつ注目したい特徴が、書籍の長さです。
通常、書籍は200ページを超えるものが多いですが、Hyperink社の本は、35~70ページ程度だとのことです。
紙の書籍の場合、それなりに分厚くないと、価格に見合う価値を感じてもらえません。
しかし、電子書籍の場合には、物理的な重みで価値を判断されることがないので、短くても読み手の知りたいことに答えられる内容であればよいということです。
出典:Forbes『Hyperink’s E-Book Model Turns Publishing On Its Head』
その6. 戦略的な価格設定をおこなう
電子書籍の価格設定は、多くの著者やマーケター達の最大の関心事になっています。
これまで紙の書籍は、コスト積み上げ型で価格が設定されていると言われてきました。
すなわち、まず著者への印税、編集費、印刷代、流通コスト、書店への利益などを考慮した後に、出版社が取る利益を上乗せして価格が決まるというわけです。
しかし、電子書籍では、その計算も大きく変わります。
前述したとおり、生産コストは限りなくゼロに近づいています。
そのため、コスト積み上げ型で価格を決めようという発想が通用しません。
ご自身でデジタルコンテンツを販売された経験がある方ならば、その価格設定に一度は悩まれた経験があるものと思います。
電子書籍の出版にあたっては、同じような悩みが発生するのです。
「電子書籍は一体いくらで販売すべきなのか?」
誰も明確に答えを持っていない、この質問に対して、答えを出そうと試みた人物がいます。
それが、またもや登場の、セス・ゴーディン氏です。
彼は、2011年に出版した、自身の電子書籍『Poke the Box』のリリースにあたって、価格設定に関する面白い実験をおこないました。
それが、こちらのページにあるキャンペーンです。
出典:The Domino Project(ザ・ドミノ・プロジェクト)『Sign up to drive down the pre-order price for Poke the Box』
冒頭部分には次のように書いてあります。
“電子書籍はいくらで販売されるべきか?とても良い質問だ。ハードカバーの書籍は、印刷代や販売コストを考えれば、20ドルくらいで販売されているのは妥当だと言える。しかし、電子書籍はまったく異なる市場であり、誰もこの質問に対する明確な答えを持っていない。
一般的に、Kindleで本を買えば、9.99ドルをチャージされる。しかし、市場の人々が注目すればするほど、出版社が価格を下げたらどうなるだろうか?
それが私が挑戦してみたいことだ。”
ここに書いてあるとおり、「電子書籍は果たしていくらで売るべきか?」というテーマに答えるための実験的キャンペーンです。
仕組みは、このページから無料ニュースレターへの登録者数が増えれば増えるほど、書籍の価格が下がっていくというものです。
市場からのニーズや期待度が高ければ高いほど、価格が下がります。
価格が下がれば下がるほど購入する人は増えるわけで、もっとも売れる価格帯はどれくらいなのかをはかるためのキャンペーンとも言えます。
このキャンペーンの結果わかったことは、「電子書籍は果たしていくらで売るべきか?」という質問自体が間違っているということです。
「いくらにすべきか?ではなく、いくらになるのか?という質問こそが正しい」、と彼は言っています。
たとえば、『Poke the Box』は、このキャンペーンの結果として、3.99ドルになっています。
これは、彼が、この本は3.99ドルで販売すべきだ、と言って決めたのではなく、市場の需要によって、その値段になったわけです。
紙の書籍の場合、一度価格を決めてしまえば、変更することができません。
その値段が適正だと判断され、うまくヒットすればよいですが、高すぎると判断されてしまえば、中古市場でだぶつくことになってしまいます。
価格のテストができない、非常にリスキーな市場と言えるでしょう。
しかし、電子書籍では出版後でも価格の変更が可能です。
販売数の状況を見ながら、価格をテストすることができるわけです。
セス・ゴーディン氏のように、この特性を使ってキャンペーンをおこなうこともできるでしょう。
価格がいくらになるかは市場が決めるとはいえ、彼は一応、おおよその価格帯のヒントを紹介しています。
価格帯を決めるには、書籍を3つの種類に分ける必要があります。
1. 代替品がある書籍
1つ目は、代替品がある書籍です。
たとえば、一般的な解説書、旅行ガイド、ダイエット本などです。
これらは、「その著者である必要がない本」であり、書店に行けば、同じようなテーマの本がたくさん並んでいる本のことを指しています。
この場合、価格は1ドル程度と、極めて安くなります。
2. 代替品がない書籍
2つ目は、代替品がない書籍です。
つまり、「その著者でないといけない本」です。
売れっ子小説家や、その分野における第一人者が書いた本が当てはまります。
多くの場合、著者名で指名買いされるような本だと言えるでしょう。
この場合、7ドルから10ドルくらいになります。
3. 代替品がなく、トレンド性の高い書籍
3つ目は、代替品がなく、かつ今、流行している書籍です。
たとえば、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった直後の、彼に関する伝記はそのタイプの書籍になります。
出典:『スティーブ・ジョブズ 1』ウォルター・アイザックソン (著)
スティーブ・ジョブズ氏自体も有名で、著者も名前が知られています。
かつ、あらゆるメディアで彼の死を特集したため、需要が一気に高まりました。
このような場合には、10ドルから15ドルくらいの価格といった高価格帯でも売れるということです。
電子書籍では、このようなポイントを意識しながら、戦略的な価格設定をおこなうことが大切になります。
その7. フリー戦略を採用する
電子書籍で忘れてはならないのが、「フリー戦略」です。
Amazon のKindleストアでは、KDPセレクトという機能を使うことで、90 日間ごとに最長で 5 日間、電子書籍を無料で提供する「本の無料キャンペーン」をおこなうことができます。
フリー戦略とは、ソフトウェアの試用版を無料配布してみたり、無料レポートや動画を配布してみたりして、新規顧客を獲得していく方法のことです。
紙の書籍ではコストがかかりすぎて不可能ですが、電子書籍であれば、利益を我慢すれば実行が可能です。
先にご紹介した恋愛小説家のベラ・アンドレ氏は、すでにフリー戦略を実践しています。
彼女の小説、『Authors in Ecstasy』(現:『Ecstasy』)のKindle版は、なんとゼロ円で販売されていた時期がありました。
電子書籍におけるフリー戦略とは、代表作を無料で読んでもらうことによって、その著者の別の作品を買ってもらうというものです。
Amazonのレコメンデーション機能が、この戦略を促進させています。
彼女の本を買った人には、彼女が書いた別の本が自動的に推薦されていくのです。
したがって、1作目を無料で配ったとしても、2作目、3作目を有料で買ってくれれば利益が生まれます。
実は彼女だけではなく、多くの著者が同じような戦略をとり始めています。
これは既存の出版社のビジネスを揺るがしかねない、大きな変化だと言われています。
セス・ゴーディン氏によると、無料の電子書籍は、10ドルで販売されている電子書籍よりも、100倍から1,000倍も多くダウンロードされるそうです。
私たちもこの戦略を使わない手はないでしょう。
その8. 十分な説明をおこなう
これは、書籍の中身をしっかり説明するということです。
通常の商品であれば、見込み顧客に対して十分に説明するのは当然ですが、書籍となると説明がおろそかになりがちな傾向があります。
紙の本であれば、書店で手にとって、内容を見ることができます。
それで自分が期待しているような内容かどうかを判断が可能です。
しかし、電子書籍ではそれができません。
購入する読者は、表紙とタイトルでしか内容を想像できないのです。
いくら安価とはいえ、これではあまりにもリスクが大きすぎます。
そのため、本の概要、目次はもちろん、可能ならばサンプル、そしてEPUBに慣れていない人のためのガイドなども載せられればベストです。
その9. スマートフォン市場を主戦場とする
電子書籍の主戦場は、実はスマートフォン市場であることをご存知でしたでしょうか。
これは、私自身が2011年から繰り返しお伝えしている主張です。
なお、スマートフォンの市場規模は将来的に11,000万人を超えると予測されており、非常に大きいものです。
出典:株式会社MM総研『スマートフォン市場規模の推移・予測(2014年4月)』
電子書籍は、移動中や空き時間にスマートフォンを使って書籍を読む人たちが主な対象になります。
そして、その中でも購買力があり、電子書籍の有力な読者層とされているのが、20~40代くらいの女性、いわゆる「スマホ女子」です。
彼女達は、スマートフォンの熱心なユーザーであり、ネットで買い物をすることに慣れています。
ということは、たとえば、
- 化粧=美しくなりたい、よく見られたい
- ダイエット=自信を持ちたい、綺麗になりたい
- 占い=後押ししてほしい、楽しみたい
- 婚活=良いパートナーと出会いたい
- 出会い系=恋愛したい、楽しみたい
といったようなことに関連するビジネスをされている方には、特に大きな可能性があると言えるでしょう。
そして、いきなり商品やサービスを売り込むのではなく、電子書籍という情報拡散ツールを使って、まずは知ってもらうところから始めるというアプローチは非常に有効です。
スマートフォンユーザーにアプローチするために必要なことは次の3つが基本です。
1. ランディングページを用意する
電子書籍を効果的に販売するためには、スマートフォン向けのランディングページを用意します。
既存のウェブサイトのすべてをスマートフォン対応にしようとすると大変ですが、電子書籍を販売するための簡易的なランディングページはあったほうがよいでしょう。
実際のところ、スマートフォンでもPC用の通常のウェブサイトを見ることができます。
しかし、「文字が小さい」「たくさんスクロールが必要」「メールアドレスが入力しにくい」など、スマートフォン向けに改良しなければならない点があります。
そのため、ランディングページで直接書籍を販売するか、メールアドレスを取得して、ステップメールが流れる仕組みにしておきます。
または、サイト自体をレスポンシブデザインにしたうえで販売をおこなうことです。
レスポンシブデザインとは、ユーザーのデバイスに応じて、画面サイズに応じて表示を変えることができる仕様のことです。
最近のトレンドとしては、このレスポンシブデザインを採用するケースが増えています。
2. ランディングページに誘導する
ランディングページを作ったら、あらゆる手段でそこにアクセスを流さなければいけないのはスマートフォンでも同じです。
一番簡単な方法は、Facebook広告などの有料広告に出稿することです。
また、お金をかけない方法としては、Facebookやブログのようなソーシャルメディアでの投稿やメールマガジンでの告知が有効になります。
3. コミュニティを構築する
ランディングページにアクセスを集めて購入まで至らない場合でも、あなたの電子書籍自体には興味を持ってもらえることがあります。
その場合は、購入用リンクなどの下に、必ずメールアドレスを取得するためのオプトインフォームを用意しておくことが大切です。
こちらには登録特典を用意し、メールアドレスを登録してもらえるよう促します。
この場合、電子書籍の未購入者はもちろんのこと、実際の電子書籍を購入してくれた方にとっても魅力的なオファーを用意しておくとよいでしょう。
この仕組みを用意しておくことによって、実際の読者と見込み読者を囲い込むことができます。
その結果、あなたにとってもっとも大切な「読者コミュニティ」を構築することができます。
そして、このようなコミュニティが成長してくると、「生涯読者」と呼べるようなファンを生むことが可能になります。
また、そこから登録してくれた方々には、後日メールマガジンをとおして最新のニュースレターを送るようにしましょう。
すると、ランディングページでは購入されなかった場合でも、メールマガジンによる継続的な接触をとおして、別の機会に購入してもらえるようになります。
すでにあなたの電子書籍を購入している方でも、メールマガジンで最新作が発表されれば、喜んで購入してくれるようになるでしょう。
まとめ
本記事では、売れる電子書籍の作り方と売り方、また電子書籍を中心とした新しいビジネスモデルを中心に解説しました。
電子書籍をビジネスに活用するうえでもっとも大切なことは、あなたのゴールに合わせたビジネスモデルを選択し、正しい戦略にもとづいた活動をおこなうことです。
そのうえで、適切なステップで電子書籍を作り、本記事でもご紹介した「電子書籍マーケティングを成功させる9つの戦略」を展開していけば、所期の目標を実現できるようになります。
データでも実証されているとおり、電子書籍はこれから高い成長性が見込める有望な市場です。
また、電子書籍は、これからも右肩上がりの普及が期待できるスマートフォン市場が主戦場になるのです。
今から正しい戦略にもとづいて準備を進めていけば、あなたは間違いなく電子書籍を出版して成功できるようになるでしょう。
もちろん、その成功とは、単に印税収入を得るだけでなく、本業としてのビジネスの成功、そして誰もが羨むようなブランディングすらも実現が可能になるということです。
本記事が、あなたの電子出版を成功させるヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
なお、本記事のテーマに興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下の記事もお読みになってみてください。
「電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ」
「自動的に売上を上げる5つのネット集客戦略とステップメールの書き方」
「複数のストック収入を手に入れる!会員制ビジネスの始め方3ステップ」
きっと、あなたのお役に立てるはずです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
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