電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ
あなたは、電子書籍を出版すると一体いくらの印税が手に入るのか、具体的な印税率の計算方法を知っていますか?
特に、電子書籍販売のメインプラットフォームであるAmazonのKindleストアにおける印税の仕組みを把握しておくことは非常に大切です。
日本における電子書籍の市場規模は、2011年から2016年の5年間で3.5倍に拡大しました。
このように、ここ数年の間で急成長している電子書籍市場で何冊もの電子書籍を作り、販売に成功すれば、あなたは多額の印税を手にすることができます。
また、電子書籍を有効に活用すると、顧客リストを獲得したり、ブランディングを成功させるといったビジネス上のメリットも期待できます。
ただし、このようなメリットを実現するためには、あなたは正しいステップで電子書籍を制作する必要があります。
そこで本記事では、「電子書籍を出版する3つのメリット」とともに、「電子書籍の市場規模」や「売れる電子書籍の作り方9ステップ」を解説します。
こちらの内容をお読みいただければ、電子書籍を出版することのメリットや最新の電子書籍の市場規模を理解し、売れる電子書籍を作るための具体的な方法を実践できるようになります。
実際に、私自身もこの9ステップに従って50冊の電子書籍を出版し、印税収入に加えて本業のビジネスにつながるように電子書籍を活用できています。
本記事をお読みいただいた後には、あなたはすぐにでも売れる電子書籍を作り、最も収益性の高い印税を手にしながら電子書籍をビジネスに活用する方法が理解できるようになります。
ぜひ、こちらでご紹介する電子書籍の作り方と活用方法を参考にされてみてください。
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電子書籍を出版する3つのメリット
最初に、電子書籍を活用する目的についてお話しします。
電子書籍と聞くと、単純に書いたり読んだりして楽しむためのものと思われるかもしれません。
しかし、マーケティング的な見地からは、「どうしたら電子書籍でマネタイズ(収益化)できるか、ビジネスの成功につなげられるのか」と考えることが大切です。
ここで、私自身の電子書籍との出逢いについてお伝えしておきましょう。
私と電子書籍の出逢いは、2011年までさかのぼります。
当時、電子書籍の魅力に気付いている人は皆無で、著名作家でさえ「電子書籍は流行らない」と断言していました。
しかし、私は「電子書籍は確実に流行る。それどころか新しい文化になる」と確信していました。
だからこそ、経営コンサルタントとして日本一早く「EPUB(イーパブ)形式」による電子出版を実現しました。
ちなみに、2011年に出版した電子書籍はこちらになります。
こちらはメールマガジンで配信している『稼ぐ思考術』の内容をまとめ、電子書籍化したものです。
その後、本書を皮切りに次々と電子出版し、2012年には6冊を刊行しました。
今では、デジタルコンテンツに特化した電子出版は当たり前ですが、当時は同様の展開を行っている著者は皆無に近い状態でした。
その後も、世界一のインディーズ作家であるジョン・ロック氏の『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済新報社/2012年)を監修させていただきました。
『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン・ロック(著),小谷川 拳次(監修),細田 朋希(翻訳),大竹 雄介(翻訳)
2013年1月からは、日本初の電子書籍専門学校『電子書籍マスタースクール(DMS)』を開校、500名以上の著者様の電子出版をサポートしてきました。
このような活動を通して、日本の電子書籍黎明期(れいめいき)から徹底した実践を続けており、それは今も変わりません。
これらの活動を積み重ねてきたからこそ、強くお伝えできることがあります。
それは、今後のインターネットマーケティングにおいて、電子書籍は絶対に欠かせない重要なメディアになる、ということです。
ビジネス的な観点から考えれば、電子出版は「いつか出版できれば良いな」と夢見る対象ではなくなりました。
むしろ、「必ず電子出版しなくてはならない」というレベルにまで達しているのです。
これからお伝えする内容は、この電子書籍の重要性を理解した上で読み進めていただければ嬉しく思います。
それでは、まずは電子書籍を活用する主な目的についてお伝えします。
それは、以下の3点が挙げられます。
1. 電子書籍から印税を得る(最大70%の印税率)
電子書籍を販売すると、紙書籍での商業出版同様、著者は印税(ロイヤリティ)が得られます。
電子書籍はいったん作成して各電子出版プラットフォームにアップしておくだけで、未来永劫にわたってあなたに印税収入をもたらせてくれる資産になることを、覚えておいてください。
たとえば、AmazonのKindleストアで電子書籍を出版すると、著者は印税として35%の印税を得ることができるようになります。
今までの紙書籍における商業出版では、著者と出版社間での力関係にもよりますが、著者はおおよそ10%前後の印税を受け取ることが慣例でした。
たとえば、1,000円のビジネス書をあなたが紙書籍で商業出版したとしたら、そのうち100円が、印税として得られる金額でした。
ところが、電子書籍においては、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)でセルフ出版した場合、35%の印税という、従来の平均的な印税率よりも25%も高い金額が得られるようになります。
また、これはご存じでない方も多いのですが、あなたが作成した電子書籍をKindleストアのみで独占的に展開すれば、35%ではなく、70%もの印税収入が得られるようになっています。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
現在、電子出版できるプラットフォームはAmazonのほかにAppleのiBookStore、GoogleのGoogle Play Booksなど色々なプラットフォームが出てきています。
それらすべてのプラットフォームで同じ1冊の電子書籍を販売し、より多くのプラットフォームから読者を得る方法もありますが、あえてAmazonのみに絞りこむことによって、70%もの高印税を手にすることもできます。
ちなみに、この印税が70%得られる方法には、いくつかの注意点がありますのでご注意ください。
Amazonの「電子書籍のロイヤリティ オプション」のページでは、「本の利用要件」として、以下の記載が明記されています。
“70% のロイヤリティ オプションを利用するには、本が以下の要件を満たしていることが必要です。
- 著者または出版者の指定した希望小売価格が希望小売価格の要件を満たしていること。
- 希望小売価格が、同一内容の印刷書籍の最低希望小売価格よりも 20% 以上安いこと。
- 著者または出版者が著作権を持つすべての国と地域で本が販売されること。
70% のロイヤリティが適用される本では、テキスト読み上げなど、Kindle ストアの幅広い機能がサポートされます。Amazon は今後も Kindle および Kindle ストアに新機能の追加を予定しているので、対象となる機能は随時増えていく見込みです。ブラジル、日本、メキシコ、およびインドの読者への販売に対して 70% のロイヤリティを適用するには、さらにその本が KDP セレクトに登録されている必要があります。”
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
ここで、もしもあなたがAmazonのKindleストアで電子書籍をメインに販売するのであれば、最も大切なポイントは以下の3点になります。
1. 70%の印税では、電子書籍がKDPセレクトに登録されている必要がある
2. 70%の印税では、配信コストが差し引かれる
3. 70%の印税では、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となる
1. 70%の印税では、電子書籍がKDPセレクトに登録されている必要がある
まず、KDPセレクトとは、Kindleストアに90日間以上の本の独占販売権を許可する条件に承諾して参加できる方が対象になります。
KDPセレクトに参加すると、Amazonプライム会員のKindleユーザーで、1ヵ月に1回、2万冊以上の和書、60万冊以上の洋書の対象タイトルの中から1冊を選んで借りることができるKindle オーナー ライブラリー(KOL)に本を登録することができます。
そして、その本の貸出回数に基づいてAmazon側の基金から分配金が支払われるのです。
また、新しいキャンペーン用ツールを利用できたり、登録された本の無料配布キャンペーンを、90日ごとに最長5日間行うことができます。
2. 70%の印税では、配信コストが差し引かれる
次に、配信コストとは、ダウンロード販売の度に1MBごとに1円の配信コストが差し引かれることです(ただし、日本での販売では、10 MB 以上の書籍に関しては配信コストが差し引かれません)。
たとえば、Amazonの説明を引用すると、
- 日本円の希望小売価格 = ¥250
- 書籍のファイルサイズが1MB
と仮定すれば、
ロイヤリティレート x (希望小売価格-配信コスト) = ロイヤリティ の数式に従って
0.70 x (¥250– ¥1) = ¥174 となり、174円が、著者が実質的に受け取れる印税となります。
そのため、配信コストに伴って、受け取れる印税は70%よりも低くなりますので、ご注意ください。
3. 70%の印税では、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となる
最後に、Amazonでは35%と70%のロイヤリティオプションによって、以下の通り販売価格に関する条件の違いがあることを理解しておく必要があります。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>希望小売価格の要件
70%のロイヤリティオプションの場合は、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となります。
70%のロイヤリティオプションを選択する際には、この限られた価格帯の範囲で電子書籍の値決めを検討する必要があります。
また、35%のロイヤリティオプションの場合は、3MB未満、3MB以上にかかわらず最小希望小売価格が99円、最大希望小売価格が20,000円となります。
35%のロイヤリティオプションは、70%のロイヤリティオプションよりも価格の選択肢は広くなると言えるでしょう。
なお、AmazonのKDPの管理画面では、リアルタイムで何冊販売されたかがすべて把握できるようになっています。
こちらも紙書籍と異なり、より正確な販売状況を把握することができる特徴を持っています。
以下は、KDPレポートページの画像です。
こちらはKDPにログインすれば、いつでも確認が可能です。
ちなみに、レポート上段の「注文数」は、選択した期間中の指定タイトルの有料および無料の販売数を表示しています。
このグラフはKindleストアで本が注文されると更新されます。
すぐ上のフィルターを使用すると、表示するデータを「販売国」、「著者名」、「電子書籍タイトル」、「期間」で絞り込むことができます。
レポート下段の「KU および KOL を通じて読まれたKENP(Kindle Edition Normalized Pages:キンドル・エディション・ノーマライズド・ページズ)」は、以下のような仕組みになっています。
「KU」とは、「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド:電子書籍読み放題サービス)」のことです。
「KOL」とは、前述した「Kindleオーナーライブラリー」のことです。
「Kindleオーナーライブラリー」とは、「Kindle端末またはFireタブレットを持っていて、Amazonプライム、Prime Student(プライム・スチューデント)のいずれかの登録者を対象に、好きな本を1ヵ月に1冊、無料で読めるサービス」です。
そして、KUおよびKOLを通じて読者が電子書籍のページを読み進めると「KENP」に反映されます。
もちろん、KENPも印税の対象になり、電子書籍が1ページ読まれると、約「0.5円」の印税を得られます(2018年現在)。
KENPからの印税も魅力的で、日本国内においても大きな成果が報告されています。
ある出版サークルは、Kindle Unlimitedの印税により、たった1ヶ月で282万円もの印税収入を得たそうです。
ある漫画家の方は、同じく1ヶ月で140万円を超える印税を手にしました。
本ニュースは、国内の主要メディアでも取り上げられ話題になりました。
この事例の驚くべき点は、読み放題サービス開始から1ヶ月しか経っていない時点での成果だということです。
今後、ますます電子書籍の読者が増えることは確実です。
まだ電子出版に取り掛かっていない方は、ぜひ今のうちから準備を開始することをお勧めします。
なお、印税の金額は、以下のようにKDPレポートページ内の「獲得したロイヤリティ」でリアルタイムに確認することができます。
2. 電子書籍から顧客リストを得る
次に、電子書籍から顧客リストを得る、という点についてお伝えします。
紙書籍とは異なる電子書籍ならではのメリットとして、電子書籍内に外部サイトへのリンクが設置できる、という点が挙げられます。
インターネットマーケティングでは、「メールアドレス」という顧客リストを獲得することが最も重要とされています。
これは電子書籍を集客に活用する上で最も大切なポイントの一つだと言えますので、しっかりと覚えておいてください。
これまで、紙書籍から直接的に顧客リストを取得するのは難しいとされてきました。
もちろん、これまでも著者のサイトURLや検索ワードを巻末に記載して外部サイトに誘導する方法はありました。
しかし、この場合は紙書籍からネット媒体へと誘導するため、敷居が高いことも事実でした。
ところが、電子書籍の場合は、メールアドレスを取得するオプトインページへのリンクをダイレクトに挿入することが可能です。
そのため、電子書籍を読んで気に入ってもらえた場合、その直後にオプトインページに誘導できることは、顧客リストを得る上でとても有効な方法になります。
電子書籍を読んだ直後は共感度やモチベーションも高くなっている場合が多いため、その次のアクションを取ってもらいやすい、という心理的側面もあります。
そして、電子書籍のような有料商品を購入してくれた方は、さらにあなたの他の情報にも関心を持っていただける、質の高い潜在的なお客様になると考えられるでしょう。
そのため、ぜひ電子書籍から外部のオプトインページへの誘導を取り入れていくと良いでしょう。
また、その際には、その電子書籍からのオプトインということが分かるような設定をリンクに施すか、専用のオプトインページのURLを設置することをお勧めします。
たとえば、こちらは私の電子書籍「ソーシャルメディア大富豪の教え」巻末部分に挿入しているリンク集となりますので、ご参考にしてみてください。
ただし、注意点としては、やみくもに書籍コンテンツ内に自社の宣伝と分かるオプトインリンクを多数入れるのは望ましくないでしょう。
書籍コンテンツ内のリンクについては書籍の理解を深めるための参考情報のリンクに留めておき、「巻末資料」のような形で巻末に自社宣伝のPR文言と合わせて設置しておくことをお勧めします。
3. 電子書籍でブランディングする
次に、電子書籍でブランディングすることについてお話しします。
一般的に、書籍の著者というものは特定の専門分野における権威だとみなされます。
これまで紙書籍における商業出版の場合は、企画が通り、実際に出版されることは非常に困難でした。
実際に、紙書籍の商業出版で出版できる方は非常に限られていると言えるでしょう。
しかし、電子書籍であれば、あなた自身が専門的なコンテンツをもっていて、それを書籍として体系化することさえできれば、容易に電子出版することが可能なのです。
そこで、特にこれまでまだ出版を行ってこなかった方々にとっては、電子書籍を通してブランディングを成功させる大きなチャンスが到来したと考えて良いでしょう。
ここでお勧めする方法としては、1冊の電子書籍であなたの専門知識をすべて収めるのではなく、1冊あたりのボリュームは紙書籍より少なくしても、多数の電子書籍をシリーズ化して電子出版することです。
ブランディング的な見地から考えると、ある専門的分野において、たった1冊の書籍を出版している人よりも、複数冊の電子書籍を出版されている人の方が、その分野における権威性が高まると言われています。
また、もしもタイトルや概要欄のキーワードの最適化に成功した場合、検索結果画面における画面占有率を高められる効果があります。
これは、あなたが狙うある特定のキーワードで検索すると、Kindleストアの検索結果画面の1ページ目にあなたの電子書籍がたくさん表示されるようになる、ということです。
読者があるキーワードで検索して、検索結果画面にあなたの著作シリーズが何冊も登場してくれば、あるジャンルにおける専門家として、これ以上のブランディングはありません。
なお、「そんなにたくさんの電子書籍を書くのは大変ではないか?」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、電子書籍は紙書籍ほどのページ数は必要でなく、価格に見合ったボリュームであれば、一般的な紙書籍で見られるような紙ベースで200ページものボリュームが無くても問題はありません。
なぜなら、電子書籍はストア内では表紙画像しか見えないため、ボリュームが分かりにくく、書籍ページのボリュームそのものが大きな購買動機にはなりえないからです。
私は、電子書籍における具体的な1冊あたりの文字量の目安としては、15,000~35,000文字程度を推奨しています。
なお、電子書籍を購入する読者にとっての大きな購買動機は、以下の3点が挙げられます。
1. 自分がAmazonでキーワード検索した時、検索結果上位に表示されているかどうか
2. 表紙デザインやタイトルに惹きつけられるかどうか
3. 第三者による高評価レビューの数が多いかどうか
そのため、リアルの書店であれば本のボリュームも一つの購買理由になるかもしれませんが、Amazonの検索結果画面で並んだ時には、ボリューム自体はそれほど大きな購買基準にならないと考えられています。
たとえば、こちらは米国AmazonのKindleストアにて「social media」というキーワードでのイメージ検索結果画面です。
検索結果画面で見ると、ボリューム自体は分からないため、どの書籍画像をクリックするかは、やはり前述した3つの条件が大きな購買基準になってきます。
なお、あなたがあるテーマについて複数冊を販売することは、ブランディング上だけでなく、収益面でも大きなメリットがあります。
仮に1冊の電子書籍からの収入は微々たるものであったとしても、これが10冊、20冊と多ければ、専門的なキーワードで検索された際にあなたの電子書籍が購入される確率が高くなるためです。
そのため、ボリュームが多い1冊の電子書籍を出版して満足するよりも、ボリュームは少な目でもたくさんの電子書籍を出版し、露出度を高めていく戦略もお勧めできる方法です。
電子書籍の市場規模
1. 米国と日本における電子書籍の市場規模
それでは、現在の電子書籍をめぐる市場動向を見ていきましょう。
ここでは、米国と日本の市場動向を確認していきます。
ここでお伝えする数値は重要な数字となりますので、ぜひしっかりと把握しておいてください。
まずアメリカの動向をお伝えします。
アメリカにおける電子書籍市場の市場規模は、2012年ベースで約3,000億円規模と言われています。(BookStat2013調べ)。
出典:OnDeck『書籍全体に占める電子書籍の割合は約8%に−米国市場動向と比較しながら今後を見る』
米国全体の出版業界の市場が約1兆6千億円なので、約20%が電子書籍経由の売上とされています。
アメリカでキンドルが発売されたのは2007年なので、わずか5年で書籍市場全体の20%を占めるに至りました。
また、米国における電子書籍市場は、これから電子書籍市場のみで1兆円規模に達すると予想されています。
米国では、実際に電子書籍はかなりの市民権を得ており、今後もさらに電子書籍の売上は伸びるものと予測されています。
また、この傾向を裏付けるデータとして、米国Amazon.com社2013年6月30日に終了した第2四半期の業績をご紹介します。
結論としては、売上高は2012年の第2四半期2012年12.8億ドルと比較して、第2四半期には15.70億ドルに25%増加したそうです。
また、Amazon.com創業者 でありCEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は、以下の通り発表しました。
“この過去四半期による世界トップ10の売上は、すべてデジタル関連製品だった。キンドル、キンドルFire、キンドルHD、アクセサリーとデジタルコンテンツだ。”
出典:Forbes『アマゾンを脅かすトランプ政権 ジェフ・ベゾスは資産1300億円喪失』photo by David Ryder / gettyimages
このことからも、やはり電子書籍市場は活況を帯びており、さらなる成長が見込めるでしょう。
なお、2017年1月16日に公開された日本経済新聞の情報によれば、以下のような統計データも発表されています。
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
※本データの出所:PwC Global Entertainment and Media Outlook(2015年発表)
“市場規模が最も大きいのはIT(情報技術)大国の米国。世界の総販売額のほぼ半分を占めている。米国では一般書籍の売り上げのうち3分の1近くを電子書籍が占めるまでになっており、確固とした地位を築いている。日本も13%を占めて2位につけ、存在感を示している。”
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
本データの発表時点(2015年)において、米国の電子書籍の市場規模は49.4億ドルで第1位、日本は13.1億ドルで第2位、英国が10.1億ドルで第3位となっています。
次に、日本の動向を見ていきましょう。
日本でも、市場は拡大傾向にあります。
インプレス総合研究所の調査によると、2016年度の電子書籍市場規模は前年比24.7%増の1,976億円、電子雑誌市場規模は前年比24.8%増の302億円とされています。
また、2016年度の電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場規模は2,278億円となっており、2021年度には3,560億円と、2016年度の1.5倍超となる見通しです。
今後は、スマートフォンや電子書籍端末の普及が拡大するにつれ、さらに市場の拡大が見込めると考えられます。
出典:impress『電子書籍ビジネス調査報告書2017』
また、インプレス総合研究所の調査によれば、2016年度の電子書籍市場規模のうち、コミックが前年度から340億円増加の1,617億円(市場シェア82%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同51億円増加の359億円(同18%)となっており、日本の電子書籍市場におけるコミックの支持率が高いことが理解できます。
出典:impress『電子書籍ビジネス調査報告書2017』
日本経済新聞でも、以下のようなデータが発表されています。
“日本の電子書籍市場も4年間で2.5倍に伸びた。紙の出版物の売り上げが11年連続で減少しているのに対し、10年ごろから毎年成長を続け、15年度には同年1年の週刊誌の売り上げを抜いた。20年には電子雑誌も含めた売上高が3000億円を超すとの市場予測もあり、出版市場の5分の1に迫る見込み。電子書籍の8割をコミックが占めるという他国にない特徴がある。”
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
このグラフを見ると、電子書籍が紙の週刊誌の売上規模を超えたことが分かります。
これは、時代が電子書籍を支持していることが理解できる象徴的な転換点と言えるでしょう。
出典:日本経済新聞『電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長』
また、2013年7月には、出版大手のKADOKAWAや学研ホールディングス(HD)が新刊本を原則すべて電子書籍にして、著者の承諾を得て紙の出版物の6~8割の価格で販売するなど、業界にも新しい動きがみられるようになりました。
これまで電子書籍に対して保守的な立場を取る出版社も多かった中で、これはぜひ注目したい動向だと考えます。
2. Amazon Kindleストアで100万ダウンロードを達成した作家たち
米国のAmazonには、100万部を売り上げると参加できる「Kindle Million Club(キンドルミリオンクラブ)」があります。
キンドルミリオンクラブには、すでにAmazon のKindleストアを通した電子書籍だけで100万部の売上を達成した作家が14人、記録されています(2018年4月時点)。
なお、ここで、14人全員の著作ジャンルをリサーチした結果、米国のKindleストアにおいて100万部を販売できた人たちの共通項は、全員が「小説」を書いた人である、という事実が分かりました。
恋愛小説、推理小説、SF小説などジャンルは多岐にわたりますが、すべての作家が人気小説家だったようです。
なお、これは仮説ですが、今後電子書籍市場の発達に伴い、数年以内には日本でも「日本版キンドルミリオンクラブ」が立ち上げられ、実際に100万ダウンロードを達成した日本人作家たちがレコードされるのではないかと私は推測しています。
米国と異なる日本書籍市場の特徴としては、ビジネス書も根強い人気があるという点です。
日本においては、もしかすると小説ではなく、ビジネス書のジャンルにおいて100万部を売り上げる電子書籍作家が登場する日が来るかもしれません。
日本でもミリオンセラー作家が登場するはずですので、ここは注目しておきたいポイントです。
売れる電子書籍の作り方9ステップ
本章では、売れる電子書籍の作り方を9ステップに分けてご紹介します。
これまで、Kindleストアがオープンし多くの方に支持されるようになってから、「具体的にどうすれば電子書籍を出版し、販売することができるのか」という声を多くいただいていました。
そのため、今回は日本において電子書籍マーケティングを実行するための、具体的かつ実践的な情報を中心にお伝えします。
こちらでご紹介する方法は、最低限この通りに進めていけば、初心者の方でもまずは最初の1冊を電子出版できる内容としてご紹介します。
電子書籍をビジネスに活用したいと思った時には、ただやみくもに原稿を書いてKindleストアにアップすれば良いわけではありません。
長期的にAmazon内の検索エンジンで上位表示され、特定のターゲット読者に対して「売れる電子書籍」にするためには、きちんとしたステップが必要となるのです。
では、最初にプラットフォームのお話しをします。
現在はAppleやGoogleを始めとする大企業が本格的に電子書籍市場に参入を開始しており、様々な電子出版プラットフォームが展開されています。
どこから電子出版しようか目移りされることもあるかと思いますが、現時点においては、まずはAmazonのKindleストアでの展開をお勧めします。
その理由は2点あります。
第1に、Kindleストアでは電子書籍が売れやすいというメリットがある点です。
現時点において、Amazonは書籍販売に関する業界最大手のプラットフォームです。
そのため、書籍を購入することに慣れているユーザーの数が他のプラットフォームより多く存在します。
よって、どのプラットフォームよりも売れやすい可能性があるためです。
第2に、他のプラットフォームよりもAmazonの方が容易に電子出版しやすい点です。
Amazonは審査のプロセスなどが簡易で、比較的スピーディーに電子出版ができるためです。
それでは、9つのステップを以下の通りご紹介します。
それぞれはシンプルなステップですが、マーケティングに活かすために必ず大切なポイントを説明しています。
ぜひご参考にされてみてください。
1. 自分の専門出版テーマとコアキーワードを決める
2. タイトルを決める
3. 目次を作り、文章を書く
4. 表紙を作る
5. 電子書籍内にオプトインリンクを設置する
6. EPUB(イーパブ)制作する
7. 価格を決め、KDPで電子出版する
8. ソーシャルメディアを使い、無料でアクセスを流す
9. 販売ページを継続的に最適化する
では、この詳細を順番に見ていきましょう。
1. 自分の専門出版テーマとコアキーワードを決める
自分の専門出版テーマとは?
本記事をご覧いただいている読者様は、おそらく大半の方が、電子書籍をビジネスに活用したいと思われている方ではないでしょうか。
そこで最初にお勧めしたいことが、あなたが何の専門家として市場に認知してもらうのかをしっかりと検討することです。
職業作家としての小説家の方や、完全に趣味で執筆を行う方であれば、様々なジャンルにわたる書籍を書いてもまったく問題ありません。
しかし、もしもあなたが何らかのビジネスを行っているならば、電子書籍にあなたのビジネスを強化する役割を持たせることが大切です。
そのためには、あなたが何らかの専門的テーマで電子書籍を執筆し、そのジャンルにおいてNo.1の実績を持つことが望ましいのです。
ある特定のジャンルにおいてNo.1であるということは、
- 特定のカテゴリランキングで1位を取得している(または、取得した実績がある)
- Kindleストアの検索窓で、特定のキーワードで検索すると最上位に上がってくる
のいずれか、または両方が実現できていると理想的でしょう。
これが実現できると、読者はあなたのことを専門家として認識するようになります。
そして、ひとたび専門家として権威性が高まると、あなたの電子書籍が購入して読まれる可能性が高くなります。
また、そこから仕事の依頼など、ビジネスに発展する可能性も高くなるのです。
ただし、ここで注意すべき点があります。
それは、あなたが自分の専門テーマを決める場合のポイントは、「需要のある大きな市場」におけるニッチを選択していくべきだ、という点です。
これは、選ぶからには、市場のニーズがちゃんと確認できるような大きな市場を選びつつも、その中でNo.1を目指せるようなニッチテーマを選択する、ということです。
いくらニッチなテーマでNo.1をとれても、まったくニーズの無いような市場であれば、読者の絶対数も少なくなってしまうものです。
そのためには、あなたが選ぶ専門カテゴリを、大分類―中分類―小分類 と、3種類のカテゴリに分類してみることです。
たとえば、大分類としては「健康」、中分類としては「ダイエット」、小分類としては「食事療法」といった具合に、それぞれのカテゴリキーワードを分類して考えるのです。
大分類「健康」 > 中分類「ダイエット」 > 小分類「食事療法」
ここで大分類がきちんとニーズが存在する大きな市場であれば、読者の絶対数を確保していくことができます。
そして、大分類の大きなテーマでは無理だったとしても、小分類で自分が決めたキーワードにおいては、No.1を狙っていくことが大切です。
今後、多くの競合作家が参入してくることが予測される中で、あなたが選ばれるための条件は、ある特定のジャンルにおいて No.1になっていることが大切だということを覚えておいて下さい。
コアキーワードの選び方
まずこの段階では、それぞれのカテゴリにおいて、できるだけ多くのキーワードを候補案として挙げてみて下さい。
次にやるべきことは、それぞれのキーワードについて、最も検索需要の高いキーワードを探すことです。
たとえば、Googleが提供するキーワードプランナーを活用すれば、どのキーワードが市場でどのくらい検索されているのかが、理解できるでしょう。
ここで大切なことは、「自分の思い込み」で主観的にキーワードを決めてしまうよりも、「市場の検索需要が多い」キーワードをできるだけ見つけることです。
そこで見つけたいくつかのコアキーワードは、今後電子出版を続ける上で最も大切な“勝負キーワード”になると言えます。
この最初のステップは、Amazonの検索窓経由はもちろん、一般の検索エンジンからも検索されるような「売れる電子書籍」を作る上で非常に大切なポイントとなります。
2. タイトルを決める
次にやるべきことは、タイトルを決めることです。
タイトルには、1つ目のステップで決定したコアキーワードを、必ず入れるようにしましょう。
たとえば、あなたが「会計」というコアキーワードを選択したとします。
その場合は、必ずタイトルにも「経営者が会計に困ったときに読む本」といった具合に、必ずタイトル内に挿入するようにします。
AmazonのKindleストア内で上位表示を実現させるには、このポイントは非常に重要になります。
なお、タイトルは、なるべく簡潔に、一目で伝えたい要点が分かるタイトルがお勧めです。
なぜなら、紙書籍と異なり、電子書籍の表紙スペースは小さいためです。
検索結果画面において、限られた表紙スペースで要点がきちんと伝えられるタイトルにしましょう。
タイトルの分かりやすさは、確実に売上に直結する部分です。
ぜひ、いくつものパターンを作成して工夫してみましょう。
3. 目次を作り、文章を書く
さて、ここまでのステップで、タイトルまで決めることができたかと思います。
次は、実際にそのコンセプトに基づいた書籍の執筆段階に入ることになります。
ただし、ここで重要なことは、いきなり本編の執筆に入らない、ということです。
執筆に取り掛かる場合、勢い余っていきなりすべてを書こうという気持ちになりがちですが、ここではまず、全体の構成を考え、先に目次を作ることをお勧めします。
目次を作成する方法は、色々なパターンがあります。
電子書籍のボリュームであれば、大きく3つ程度の章に分けて、その章のなかでさらに5つほどの小項目に分けていくと整理しやすいでしょう。
すると、合計で15項目程度の目次を作ることができます。
その程度の数の目次があると、目次タイトルを作っていくだけでも、大まかな全体の流れを作ることができます。
また、目次が決まれば、それぞれの章にだいたい何文字ずつ割いていくかが明確になります。
なお、前述した通り、電子書籍では、だいたい15,000文字~35,000文字の文量を推奨します。
大まかなゴールとする文量を決めてから、あとは目次ごとに何文字をあてがっていくのかを決めると、全体のバランスも明確になるものです。
このように、執筆に入る前には、きちんと目次を書き、文量を整理しておくと書きやすいものです。
目次まで決まったら、いよいよ執筆となります。
執筆で大切なことは、毎日一定時間は必ず執筆に充てる時間を確保する、ということです。
執筆は、2~3日でできるものではありません。
多くの方は職業作家ではなく、本業の傍ら、執筆作業を行うケースが多いと思います。
そのため、挫折せずに執筆を継続させるためには、毎日1時間でも良いので、執筆のためだけに使える時間を確保することがとても大切になります。
4. 表紙を作る
さて、文章作成に入る際に、同時に進めておきたいのが、電子書籍の表紙デザインです。
これはKindleストアに限らずあらゆる電子書籍プラットフォームで共通することですが、売れる電子書籍は表紙デザインが秀逸です。
私が提唱している、売れる電子書籍の法則として、「AUPの法則(エーユーピーのほうそく)」というものがあります。
「AUPの法則」
- 表紙を見た時に、一瞬で読者の注意を惹きつけることができるか?(ATTENTION)
- 表紙で何に関する書籍か1秒以内に直感的に理解できるか?(UNDERSTANDING)
- 問題解決につながる提案がされているか?(PROPOSAL)
売れる電子書籍を作るためには、表紙にこの3つの要素が揃っていることが大切です。
読者が検索キーワードでいろんな本を検索した際には、色々な本が並ぶわけですが、表紙画像は書店で手に取る本とは違って、小さい表紙画像になります。
そうなると、これら3つの要素が揃っている書籍が、選ばれやすくなると考えられます。
なお、注目度を上げる方法として一番かんたんな方法は、色で差別化する方法でしょう。
一般的に、黄色やオレンジ色、そしてピンク色のような書籍の表紙は目立ちやすいものです。
ご参考までに、私が2017年8月15日にKindleストアで出版した電子書籍、『エバーグリーンウェビナーローンチマーケティングの教科書』の表紙をご紹介します。
『エバーグリーンウェビナーローンチマーケティングの教科書』小谷川 拳次(著)
こちらは、オレンジ色の配色で目立つような工夫をしています。
次にできる方法としては、文字の大きさを強調する方法です。
書籍タイトルの文字フォントを極力大きくして、注目を惹く方法です。
これも、大きい文字はついつい目で追ってしまう傾向があるため、有効な方法だと言えます。
まずは「色」とタイトルの「文字の大きさ」で、目立てるように工夫してみてください。
なお、本書は発売後、即座に5部門で【Amazon1位】を達成することができました。
実績としては、以下の通りです。
「IT」部門・・・【第1位】
「インターネット・Web開発」部門・・・【第1位】
「マーケティング・セールス」部門・・・【第1位】
「マーケティング」部門・・・【第1位】
「ダイレクト・マーケティング」部門・・・【第1位】
また、これは応用的な方法ですが、「視線訴求」を活用する方法があります。
これは、たとえば可愛らしい子供や笑顔の女性がこちらに視線を向けているような画像を表紙デザインの中心に据えるということです。
作品の中身にもよりますが、人の目がこちらを向いている場合、「視線訴求の法則」が働き、注目度が高くなるようです。
なお、レイアウトを含めた全体の表紙デザインについては、できればプロのデザイナーにお願いすると良いでしょう。
より完成度が高くなります。
5. 電子書籍内にオプトインリンクを設置する
紙書籍と異なる電子書籍の最大の特徴として、電子書籍端末がネットにつながっていれば、そのまま外部サイトへリンクさせることができる点です。
たとえば、YouTube動画のキャプチャ画像を設置しておき、YouTube動画へそのままリンクさせることができます。
また、自社のホームページやセールスレター、オプトインページへと、そのまま誘導することもできます。
外部サイトへのリンクをコンテンツ本文内に設置する場合は、いずれもコンテンツの理解を深める意味でリンクをつけるものとします。
ただ、もしもあなたが電子書籍を使って「集客」に役立てたいということであれば、必ずお勧めしたいことがあります。
それは、前述した、巻末部分にオプトインページへのリンクをつけておく、という方法です。
オプトインページとは、顧客に同意いただいた上でメールアドレスを登録してもらうページです。
多くの場合、オプトインページでは、メールアドレスを登録してくれれば、何らかの優良な情報コンテンツやプレゼントをお渡しするページとなっているのが一般的です。
ネット集客の基本として、見込み顧客となる方々のメールアドレスをきちんと集めていく、という考え方があります。
あなたの電子書籍を購入してくれ、さらに最後まで読んでくれた方の中には、あなたのコンテンツに共鳴されている方も多いものです。
そのため、読了後のモチベーションが高いうちに、オプトインページに誘導できる体制を整えておくことが大切です。
ご参考までに、私たちが検証した自社の電子書籍では、巻末にURLを入れただけで「10%」の成約率が生まれた実例を以下にご紹介しておきます。
もしもあなたが電子書籍を集客に活用したいなら、このポイントは忘れないようにしておいてください。
6. EPUB制作する
EPUBとは、電子書籍として形にする際に必要なフォーマットです。現在、このEPUBが、電子書籍用の世界標準規格となっています。
あなたが書いた電子書籍を、Amazon以外のどのプラットフォームで電子出版するにせよ、このEPUB形式で作っていれば、すべてのプラットフォームに対応可能となります。
では、EPUB制作するためには、どのような方法があるのかあらためてお伝えします。
現在、電子書籍を制作するための専用ソフトがいくつか市販されています。
こちらは安価で簡単なものから、本格的なプロ仕様のものまであります。
こちらでは、2種類の方法をご紹介します。
ご自身のご予算や知識によって選択されると良いでしょう。
【無料】Sigil(シジル)
無料で提供されている高性能EPUB制作ソフトです。現時点では最もお勧めのソフトです。
【有料】Adobe Indesign(アドビ インデザイン)
こちらはアドビ社のソフトウェアです。同社の他のソフト同様、高機能でプロ仕様です。
7. 価格を決め、KDPで電子出版する
ご自分の原稿についてEPUB制作する作業が完了したら、いよいよKDPにて、あなたの電子書籍をAmazonにアップします。
ここで大切なポイントは、2点あります。
まず第1に、値決めです。
第2に、電子書籍登録時の最適化です。
こちらは非常に大切なポイントとなりますので、順を追ってお伝えします。
第1のポイント:値決めについて
第1に、値決めについてお話しします。
価格は一度設定するとなかなか変更しにくい上、売上にも大きく影響してきます。
最初にあなたが考えるべき戦略は、電子書籍を集客に使うのか、それとも電子書籍自体から収益を得ることを目指すかを決めることです。
価格は安い方が当然、売れやすくなります。
たとえば1冊100円の電子書籍と1冊500円の電子書籍であれば、明らかに前者に価格優位性があります。
そこで、書籍を市場に普及させ、より多くの読者からオプトインにつなげていく、という考え方の場合は、価格優位性のある安価な設定にすると良いでしょう。
この場合は1冊100円~300円の価格設定で購入点数自体を増やし、市場への作品の普及数を狙っていくことがマーケティング上は望ましいと言えます。
電子書籍プラットフォームでは、あなたの電子書籍を購入した読者の個人情報は分かりません。
よって、著者はお金を払って購入してくれた良質な方々の顧客リストを得ることができません。
そのため、電子書籍を集客に活用するという観点からは、できるだけ多くの方に作品を読んでいただくことが大切です。
一人でも多くの読者に作品を読んでいただき、その後、オプトインページから顧客リストを獲得していくという流れが電子書籍マーケティングの王道と言えるでしょう。
ただし、印税収入を狙っていくのであれば、より高めの価格の方が、収益性が高くなります。
ここでKindleストアにおける印税について前述した内容を、もう一度振り返ってみましょう。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
電子書籍においては、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)でセルフ出版した場合、35%の印税が得られます。
そして、あなたが作成した電子書籍をKindleストアのみで独占的に展開すれば、35%ではなく、70%もの印税収入が得られるようになっています。
Amazonの通常印税が35%とすると、100円の定価の場合は35円、500円の定価であれば175円の印税が入ります。
また、250円以上の書籍であれば、Amazonのみで販売することによって70%の印税を得ることも可能です。
その場合は、定価500円の電子書籍であれば実に350円もの印税が得られることになります(※印税70%の場合はこの印税から1MBあたり1円の配信コストが差し引かれます)。
そのため、電子書籍を普及させることに主眼を置くのか、1冊あたりの売上から最大限の印税を狙っていくのかで戦略が異なってきます。
なお、この価格戦略ついては、あなたの業界における知名度も考慮して決めると良いでしょう。
たとえば、まだ何のブランドも無い方が、いきなり500円の電子書籍を出版した場合、同ジャンルで100円の電子書籍に負ける可能性が高くなります。
また、一般的に500円~1,000円程度の価格帯における電子書籍は、著名なベストセラー作家が商業出版している人気作品が多数存在します。
同ジャンルにおいて彼らと競合した場合、あなたが勝てるほどのブランド力があれば良いですが、なかなか難しい場合もあるでしょう。
そのような場合は、収益性を求める場合でも250円~500円の範囲に抑えておくのが良いかもしれません。
値決めはとても重要な点ですから、こちらでお伝えしたことを踏まえて、ぜひあなたの電子書籍の価格を決定してみてください。
第2のポイント:電子書籍登録時の最適化について
第2に、電子書籍登録時の最適化についてお話しします。
こちらは、あなたの電子書籍の売れ行きに直結する重要な情報です。
あなたの電子書籍が完成してからAmazon のKindleストアにアップする際には、「情報を最適化してアップする」、ということが大切です。
ここで言う最適化とは、「売れるように最適な形に整える」という意味です。
Amazon のKindleストアでの売れ行きを決める最も大切なポイントの一つは、あなたの潜在読者が特定のキーワードで検索した際に、あなたの作品が上位表示されるかどうか、という点です。
一般的なビジネスにおいては、SEOであなたのサイトが検索結果画面で上位表示されることは非常に大切です。
同様に、Kindleストア内の検索結果画面でも、あなたの電子書籍は上位表示されることが大切です。
潜在読者が自分のニーズに合致する電子書籍を探している時に、検索結果画面1ページ目の上位5冊以内に入っているかどうかは決定的に重要な要素となります。
電子書籍登録時に最適化するために大切なことは、第1にタイトル、第2に検索キーワードです。
この点はあなたの電子書籍を検索結果画面で上位表示させる非常に重要なポイントですので、しっかりと覚えておいてください。
Kindleストアでは、書籍を登録する際に、いくつかの項目に情報を入力する必要があります。
その際に、タイトルと合わせて自分の書籍に関連する検索キーワードを7つまで登録できるのですが、この点がとても大切になります。
通常、Amazonで何らかのキーワードで検索する人は、あなたのことを知らない新規読者である可能性が高いものです。
そのため、タイトルや検索キーワードには必ず、あなたが選択したコアキーワードを入れるようにしましょう。
また、検索キーワードの中では、あなたの氏名のような固有名詞ではなく、あなたのターゲット顧客が検索するであろうキーワードを、しっかりと設置しておくことが大切です。
ここで記載されているキーワードが適切であれば、あなたの電子書籍はそのキーワードで検索された際に上位表示されやすくなるのです。
ですから、ここは決して適当な思いつきで登録するのではなく、科学的にリサーチしたコアキーワードを設置するようにしてください。
「内容紹介」を最適化する
電子書籍を販売する観点から登録時に注意すべき点は、「内容紹介」部分もきちんと作りこむ、ということです。
どれだけ質の高い電子書籍を書いても、読者に訴求しなければその良さは伝わりません。
よくありがちなのは、タイトルや表紙は良いものができているのに、この販売ページにおいて説明が足りないために、書籍の魅力が十分に伝わらないケースです。
Kindleストアで著者が入力できる部分は、タイトル・著者名などの他に、自由記入欄として「内容紹介」のスペースがあります。
こちらは、4,000文字まで、自由に作品の紹介をすることができます。
こちらのスペースでは、
- 書籍の概要
- 本書を読んで得られるメリット
- 本書のターゲットの明確化(どんな方が対象なのか、明確に定義する)
- 過去に作品を読んだ読者からの感想(顧客の声)
- まえがきの一部
- 著者略歴
といった情報について、十分な量を記載すると良いでしょう。
8. ソーシャルメディアを使い、無料でアクセスを流す
なお、アップした後は自然検索で購入されることを待つだけでなく、できるだけ積極的な告知もおこなっていきたいものです。
この場合、ネット広告に出稿する方法もありますが、まずはコストをかけずに進めたいところです。
そこでお勧めする方法が、ソーシャルメディアを使うことです。
特にお勧めしたいソーシャルメディアは、Facebook、ブログ、YouTubeとなります。
Facebookでは、「いいね!」やコメントがつきやすく、あなたが自分のタイムラインで作品を紹介した場合、バイラルされやすい傾向があります。
ブログでは、特定の検索キーワードからあなたの記事が上位表示された際に、そのキーワードと関連してあなたの電子書籍が紹介されていると、注目される可能性が高くなります。
YouTubeも同様に、特定の検索キーワードからあなたの動画が上位表示された際に、動画の概要欄に書籍販売ページへのリンクが張ってあると、アクセスを流すことができるようになります。
動画コンテンツでは、書籍の紹介や書籍の知識に基づいた専門知識の解説をおこないます。
この場合は、10分、15分といった長めの動画よりも、1本あたり2~3分程度の短めの動画を大量にアップされることをお勧めします。
それは、特定のキーワードで検索される動画は量が多い方が検索キーワードにヒットしやすくなり、検索画面や関連動画表示で動画が紹介される可能性が高くなるためです。
また、1本あたりの動画は尺が短い方が最終視聴率や再生回数が増える可能性があるため、なるべく短く要点を凝縮した動画をたくさん作るようにします。
9. 2種類の販売ページを最適化する
Kindleストアで販売を開始してからも、反応を見ながら常に最適化を継続することを忘れないようにしましょう。
最適化するためには、主に2種類の方法があります。
まず第1に、Kindleストアの販売ページそのものについてです。
販売ページの構成は、常にテストするようにしてください。
非常に簡単なテストの方法としては、ある一定の販売期間において、電子書籍の販売ページ内の説明の順番を変えて売れ行きをテストすることです。
たとえば、内容紹介の項目で、
1. 本書を読んで得られるメリット
2. 本書のターゲットの明確化(どんな方が対象なのか、明確に定義する)
3. 過去に作品を読んだ読者からの感想(顧客の声)
のパターンと、
1. 過去に作品を読んだ読者からの感想(顧客の声)
2. 本書のターゲットの明確化(どんな方が対象なのか、明確に定義する)
3. 本書を読んで得られるメリット
と、順序を並び替えるだけで売上が変わることもあります。
ここは自由記述欄となっており自由度が高いテキスト入力部分となりますので、どのような構成にすると最も販売点数が増えるのか、テストしながら最適化していくと良いでしょう。
また、Kindleストアの優れた点は、リアルタイムで販売実績が確認できることです。
週次、月次でのデータを確認することも容易ですので、どういったページの時に売上が伸びて、どういったページにすると売上が少ないのかの統計分析を行うことも可能です。
ぜひ、このデータを活かしながら、ページの最適化を行っていきましょう。
第2に、あなたの電子書籍を売るための専用キャンペーンページを用意することもお勧めします。
あなたが自分の書籍を販売する時には、AmazonのKindleストアでの販売ページそのものを告知することが、最も簡単な告知手段です。
しかし、もしも専用のキャンペーンページを作ることができれば、キャンペーンを展開して、購入者限定でプレゼントを上げるような成約率を上げるキャンペーンを展開することが可能です。
これは特に、一定の顧客リストをすでに保有されている方には有効な方法となりますので、販売数を増やしたいならば、必ず用意したいものです。
ご参考までに、こちらは、私が監修した電子書籍の専用キャンペーンページとなります。
『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン・ロック(著),小谷川 拳次(監修),細田 朋希(翻訳),大竹 雄介(翻訳)
このようなキャンペーン用ページでも、常に最適化を目指していきます。
ある特定期間において、ページ構成やプレゼントオファーの内容を変えてみて、どのように売上が変わるかもテストしていきましょう。
まとめ
本記事では、「電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ」というテーマで、売れる電子書籍の作り方と売り方を中心に解説しました。
本記事の結論としては、「電子書籍を収益と集客に活用する」という明確な目的を持ったうえで、「まずは最初の1冊を電子出版する」ということを、ぜひ進めていただきたいと思います。
「電子書籍はブームが来ている」と感じていても、まだ実際にご自身の電子出版には着手されていない方も多いのではないでしょうか。
「習うより慣れよ」、という言葉がありますが、色々と考えるよりも、まずは実際に今回お伝えしたステップに従って、1冊の電子書籍を出版することで、色々と分かってくることもあります。
それに、最初の1冊を出版させた経験は自信になります。
また、電子書籍からの印税が100円でも入ってくれば、電子書籍のインパクトの大きさを身をもって実感いただけるはずです。
同様に、電子書籍から1件の顧客リスト(メールアドレスなど)が手に入れば、その可能性の大きさに驚かれるはずです。
そして、出版はブランディング上もメリットが大きいものです。
何らかの分野で出版している著者であれば、その分野での権威であることが認められますので、ビジネスを進める上でも、お客様から好意的に受け止めていただけるようになるでしょう。
現在、電子書籍については様々な議論があります。
ネガティブな意見としては、たとえば「紙書籍の方が良い」、「電子書籍は価格の安さに比例してクオリティが低い」、といったものです。
確かに、現在は商業出版のようにプロ編集者の目を通さずに市販されている電子書籍もたくさん出回っており、中には粗悪な電子書籍があることも事実です。
ただ、こちらはAmazon側も対策を練っており、極端に質の低い電子書籍などはいずれ淘汰される可能性があります。
大局的な視点から考えると、これまでの紙書籍における出版のハードルの高さを考えると、個人が容易に出版できるようになった事実は非常に素晴らしいものです。
また、本記事でもお伝えした電子書籍市場の成長率を見ていけば、電子書籍というものは、これからさらに右肩上がりの市場であると断言できます。
ですから、マーケティング的見地から言えば、今、参入しない手はありません。
この高い成長性が見込める電子書籍市場で先行者利益を得るためには、何をどうすれば効果が期待できるのか、その正しい方法論を見極めておくことです。
本記事をご覧になっている方の中には、「まだ自分には出版など早い」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、もしもあなたが何らかのビジネスを行っているのであれば、あなたはその分野に関するプロフェッショナルであり、専門家であるはずです。
その専門知識があるならば、電子書籍として知識を体系化し、人に伝えることができるはずです。
ぜひ、本記事の内容を参考にして、電子書籍マーケティングの成功を実現されてみてください。
本記事が、あなたの電子出版を成功させるヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
なお、本記事のテーマに興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下の記事もお読みになってみてください。
「電子書籍で収益を得たい方必読!3つのビジネスモデルと9つの戦略」
「あなたのパーソナルブランディングを成功させる6ステップと最新事例」
「ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネス活用する5ステップ」
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最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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