ベストセラー電子書籍を出版して印税と本業の売上を増やす7つの戦略
あなたは、ご自身の書籍を出版し、長期間にわたってコンスタントに売れ続けるベストセラー著書にすることができたらよいと思いませんか?
そして、その著書に共感した読者があなたの商品やサービスを購入してくれることで本業の売上が増えていくとしたら、素晴らしいと思いませんか?
実は、このような「出版」による著書から印税と本業の売上を増やすために、多くの方々から注目されている新しい方法論があります。
それが、「ベストセラー電子書籍の出版」です。
現在、右肩上がりで急成長している電子書籍市場でベストセラー電子書籍を作る方法を知ることができれば、安定的な印税を得ることができるようになります。
また、ベストセラーとなる電子書籍を数多く出版することは、本業の見込み顧客となる方々との初回接触の機会を増やすことを意味します。
その結果として、あなたのファンを増やしながらも、実際に本業の商品やサービスを購入してくれる顧客を次々と獲得することが可能になるでしょう。
これは電子書籍を活用した「電子書籍マーケティング」と呼ばれる新しいマーケティング手法で、あなたが新たな収益を得るために、もっとも効果的な手段のひとつです。
そこで本記事では、電子書籍の特徴や電子書籍市場の最新動向をはじめ、「電子書籍ミリオンセラーロードマップ」という7つの電子出版戦略をご紹介します。
さらに、電子出版後に効果的な「9つの電子出版施策」もお伝えします。
本記事の内容をお読みいただければ、初心者の方でもベストセラーとなるような電子書籍を出版し、印税と本業の売上を増やす方法が理解できるようになります。
また、書籍という著作物を出版することは、あなたの専門家としての権威性を高めることにもなるため、ブランディングにも成功できるようになるでしょう。
本記事は特に、新たな収益源や新しいマーケティングの方法を模索している起業家やスモールビジネスのオーナー、そしてコーチ・コンサルタント・士業・セミナー講師のような専門家の方々には、必ずお役に立てる内容になっています。
電子書籍をうまく活用すれば、印税が得られるだけでなく、電子書籍があなたの分身となり、新たな見込み顧客を次々と呼び寄せてくれるようになります。
そこで本記事では、電子書籍業界の最新トレンドを含めた有力な電子出版戦略をお伝えします。
あなたがどのようなビジネスをおこなっていても、こちらは必ず役立つ情報です。
ぜひ、こちらでご紹介するベストセラー電子書籍の作り方を参考にしてみてください。
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目次
- 1 電子書籍のメリットと電子書籍が重要になる理由
- 2 電子書籍とは?
- 3 電子書籍市場の最新動向
- 4 世界最大の電子書籍サービス、Amazon Kindleとは?
- 5 【永久保存版】最強の電子出版戦略
- 6 電子出版を成功させるための具体的なフレームワーク
- 6.1 e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー(EBS)
- 6.1.1 1. あなたの事業の目的・理念を明確化する
- 6.1.2 2. 電子書籍を出版することでのゴールを設定する(事業理念と齟齬がないか確認する)
- 6.1.3 3. あなたの対象読者を明確化する(今回の電子書籍は、どのような人に向けて、何のために書きたいのか?)
- 6.1.4 4. 電子書籍の「コンセプト(企画)」を決定する(コンセプトは10個以上出す)
- 6.1.5 5. 電子書籍を「どのようにあなたのビジネスにつなげるか」明確な目的に向けて計画する(電子書籍からどのようにバックエンド販売につなげるか)
- 6.1.6 6. 出版後の大まかなプロモーションについて考える(Kindle出版後のマーケティング計画)
- 6.1.7 7. 目次を組み立てる
- 6.1.8 8. 最終ページに掲載するリンクやプレゼントを決定する(読者にとって大きなメリットのあるもの)
- 6.1.9 9. あなたの対象読者が反応する「キーワード」をリサーチする(どのようなキーワードに心が動くのか?)
- 6.1.10 10. コピーライティング技術や販売心理学をひととおり確認する(ビジネス書籍は心理学を使うと読みやすい書籍になる)
- 6.1.11 11. 執筆を開始する(文字数は2万~4万文字程度がおすすめ)
- 6.1.12 12. メインタイトルとサブタイトルを決定する
- 6.1.13 13. 原稿が完成したら3日ほど寝かせる
- 6.1.14 14. もう一度、ざっと読み返して改善や追加をおこなう
- 6.1.15 15. 「完全原稿」が完成
- 6.1.16 16. 編集、校正を実施する
- 6.1.17 17. 「最終原稿」が完成
- 6.1.18 18. 最終原稿をもとに電子書籍製本をおこなう(必ずEPUB形式で製本する)
- 6.1.19 19. 出版日を確定する(ティーザー告知をおこなうために約1ヵ月先だとベスト)
- 6.1.20 20. Amazon KDPに登録する情報を完成させる
- 6.1.21 21. KDPアカウントを作り、電子書籍を登録する
- 6.1.22 22. 電子書籍が公開されたら、Amazon著者ページを作る
- 6.1.23 23. 準備が完了したら、すべてのリンクが機能しているか確認する
- 6.1.24 24. 出版日までティーザー告知をおこなう
- 6.1.25 25. 出版までに「9つの電子出版施策」に沿って準備を開始する
- 6.1.26 26. 出版されたら記念イベントをおこなう(告知することで、書籍としてのブランド・魅力が何倍にも高まる)
- 6.1.27 27. 「9つの電子出版施策」を実施する
- 6.1.28 28. 継続的に関連情報を発信していく
- 6.1 e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー(EBS)
- 7 最先端の電子書籍マーケティングを実践する方法
- 8 まとめ
電子書籍のメリットと電子書籍が重要になる理由
本記事のテーマは、「ベストセラー電子書籍を出版して印税と本業の売上を増やす7つの戦略」です。
このテーマについて語る前に、まず私と電子書籍との出逢いについてご紹介します。
私が電子書籍と出逢い、その大きな可能性に気付いたのは2011年のことでした。
本記事を執筆しているのが2020年ですので、その時点からすでに9年もの歳月が経っていることになります。
2011年の当時は、まだ電子書籍の魅力に気付いている人は皆無とも言える状況でした。
実際に、著名な作家や編集者でさえ「電子書籍は流行らない」と断言していたほどです。
しかし、私は「これからの時代、社会のデジタル化が加速するにつれて、電子書籍は確実に普及していく。それどころか新しい文化になる」と確信していました。
なぜなら、紙の出版物と比べて、電子書籍は以下のように様々なメリットがあるからです。
電子書籍のメリット その1. 欲しいタイトルを一瞬で購入し、すぐに読むことができる
たとえば、紙の出版物であれば、欲しい本を購入するために時間と労力をかけて書店に足を運び、本を手に取って吟味しなければなりません。
しかし、電子書籍は手元のスマートフォンから一瞬にして欲しい本を検索でき、さらに数クリックで購入とダウンロードまで済ませることが可能です。
出典:Amazon
また、自分に合った本か迷うようであれば、書店であれば立ち読みしなければならないところ、電子書籍であればサンプルをダウンロードして一定量を読み進めることも可能です。
電子書籍のメリット その2. 保管場所に困らず、モバイルデバイスに数千冊を保有して持ち運べる
購入後の保管方法についても、電子書籍は格段に便利です。
本が好きな人なら、自宅に蔵書として大量の書籍を保管するスペースに悩んだ経験があることでしょう。
いくつもの本棚を購入し、それでも保管できずに積み上げている場合もあるかもしれません。
しかし、電子書籍であれば、AmazonのFireタブレットのような専用デバイス1台に、数千冊もの電子書籍を保管することが可能です。
出典:Amazon
これは物理的な本棚が不要になり、本棚数台分の書籍を手軽にどこにでも持ち運び、好きなときに好きな本を一瞬で検索して読めることを意味します。
電子書籍のメリット その3. 物理的に経年劣化することなく、永続的に販売できる
電子書籍は、綺麗なまま後世に永続的に作品を遺せるというメリットがあります。
紙の本は綺麗な状態で本棚に保管していても、どうしても経年劣化が発生します。
しかし、電子書籍はデジタルデータのため、紙の本のように劣化することはありません。
読者としては蔵書が劣化しないことはありがたいことですし、これは著者としても大きなメリットがあります。
なぜなら、Amazonのような巨大プラットフォームが存続してくれる限り、後世まで著者のメッセージを遺し、著書を販売し続けることができるからです。
中には「Amazonが倒産したら私の電子書籍は消えてしまいませんか?」と思われる著者の方もいるかもしれません。
しかし、AmazonはGAFA(ガーファ)の一角を占める世界最強の企業の1社であり、本記事執筆時点で時価総額1兆ドル(約110兆円)を超える巨大企業ですので、倒産する確率は極めて低いと言えます。
出典:Techpedia
万が一の場合でも、電子書籍の元データさえ保有していれば、その時点でもっとも普及している電子書籍プラットフォームに乗り換えれば問題はありません。
実際に現時点でも、GoogleやAppleのような大企業を中心に、Amazon以外にも様々な電子書籍プラットフォームの展開が注目されています。
また、今後の時流として「電子書籍で本を読む」という習慣はさらに浸透していきますから、何らかの電子書籍プラットフォームがある限り、あなたの電子書籍が売れなくなるような状況にはならないのです。
今後のインターネットマーケティングで電子書籍が重要になる理由
前述したメリットは、それまでの出版文化を一新するほどのインパクトがあると言えます。
このように電子書籍に様々なメリットを感じた私は、2011年以降は電子書籍市場が拡大を続けるに違いない、と確信したのです。
だからこそ、経営コンサルタントとして日本一早く「EPUB(イーパブ)形式」による電子出版を実現しました。
私が実際に2011年に出版した電子書籍は、こちらになります。
出典:『稼ぐ思考術(上巻): 継続的な収入を確保する仕組み』小谷川 拳次 (著)
こちらはメールマガジンで配信している『稼ぐ思考術』の内容をまとめ、電子書籍化したものです。
その後、本書を皮切りに次々と電子出版し、2012年には6冊を刊行しました。
今ではデジタルコンテンツに特化した電子出版は当たり前の時代になりましたが、当時は同様の展開をおこなっている著者は皆無に近い状態でした。
その後も、世界一のインディーズ作家であるジョン・ロック氏の『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済新報社/2012年)を監修させていただきました。
『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン・ロック(著),小谷川 拳次(監修),細田 朋希(翻訳),大竹 雄介(翻訳)
そして2013年1月からは、日本初の電子書籍専門学校『電子書籍マスタースクール(DMS)』を開校し、900名以上の著者様の電子出版をサポートしてきました。
また、私自身もインターネットマーケティングを中心とした専門書の電子書籍の出版を続けており、現時点において35冊の電子書籍を出版しています。
私は過去に2冊、紙書籍での商業出版をおこなっていますので、この2冊分も含めると、現時点で累計37冊の著書を保有していることになります。
ここに、Amazonでの著者ページに掲載されている著書の一部をご紹介します。
こちらで掲載されている35冊の電子書籍ラインナップの中には、Amazonのベストセラーランキングに度々ランクインするような「売れる電子書籍」も多数存在しています。
もちろん、これだけの著書があれば、Amazonの検索窓からのキーワード検索やAmazonのレコメンド機能などから、新しい読者に私の著作を知ってもらう機会も自然と多くなります。
その結果として、それぞれの電子書籍が毎日コンスタントに売れる状況を実現できています。
そして、電子書籍が売れた分の印税が発生するとともに、本業である商品やサービスの売上にもつながっているのです。
それはまさに本記事のタイトル通り、「ベストセラー電子書籍を出版して印税と本業の売上を増やす」状況を私自身が実現できていると言えるでしょう。
だからこそ、私は本記事を書き、電子書籍マーケティングについてあなたにお伝えする資格があると考えています。
私はこのような活動を通して、日本の電子書籍黎明期から徹底した実践を続けており、それは今も変わりません。
これらの活動を積み重ねてきたからこそ強くお伝えできます。
それは、今後のインターネットマーケティングにおいて、電子書籍は絶対に欠かせない重要なメディアになる、ということです。
なぜなら、これまでインターネットマーケティングでは検索エンジン対策(SEO)とインターネット広告が重要視されてきましたが、今後はこれらに「電子書籍」が加わる可能性が極めて高いからです。
電子書籍は、Amazonをはじめとするプラットフォームから次々と新しい読者を獲得し、その読者に対してあなたのブランディングを成功させながら本業の売上につなげることが可能になります。
これは、検索エンジン対策(SEO)やインターネット広告といった既存の集客チャネルに次ぐ、「第3の集客チャネル」と言えるでしょう。
よって、ビジネス的な観点から考えれば、電子書籍は「いつか出版できればいいな」と夢見る対象ではなくなりました。
むしろ、何らかのビジネスに従事している方であれば、「必ず電子出版しなくてはならない」というレベルにまで達しているのです。
さらに言えば、たった1冊の電子書籍を出版することも素晴らしいですが、今後は戦略的に複数冊を出版していくことも視野に入れる必要性が生まれてくるでしょう。
電子書籍とは?
それでは、ここでまず、電子書籍とはどのようなものかを振り返っておきましょう。
1. 電子書籍の定義
最初に、電子書籍とはどのようなものなのかをご紹介していきます。
Wikipediaによると、電子書籍とは、
「電子機器のディスプレイで読むことができる出版物」
と記載されています。
この定義によれば、私たちも日常的に使用しているPDF形式のレポートなども電子書籍と言えるでしょう。
しかし、現在、急速に拡大を続けている電子書籍市場で普及している電子書籍は、従来型のPDF形式によるレポートやeBookなどとは少し異なります。
それは、主に「EPUB(イーパブ)形式」というもので作られている電子書籍のことを指しているのです。
EPUBもPDFと同様、ディスプレイ上で文字や画像などを表示させるものです。
しかし、EPUBはPDFよりも電子書籍に適している形式と言えます。
Kindle(キンドル)やiPadなどで読める電子書籍は、このEPUBをもとに作られています。
詳しい技術的な説明は省きますが、EPUBが電子書籍に適している主な理由を3つご紹介します。
1. 拡大・縮小しても見やすい
電子書籍は、文字の見やすさが何よりも重要となります。
なぜなら、電子書籍を読む方の多くが、PCよりも画面の小さいスマートフォンやiPadなどで読むことになるからです。
実際に試してみるとすぐに理解できますが、このような端末でPDFを拡大・縮小すると非常に読みにくくなります。
とても何十ページもある文字を読もうとは思えなくなります。
一方、EPUB形式で電子書籍を作成すると、拡大・縮小が非常にスムーズにおこなえるのです。
たとえば、こちらの図は、同じページを拡大・縮小したものです。
左:標準サイズ 右:拡大版
この場合、スマートフォンで見られるくらいに文字を拡大してもページ数が増えるだけですので、とても読み進めやすいのです。
2. 動画と連動させることができ、インタラクティブな書籍が作れる
EPUBで作った電子書籍は、動画へのリンクを貼ることができます。
読者が使用しているデバイスがインターネットに接続していれば、YouTubeにリンクさせることで、すぐにその場で動画が再生されます。
これは通常のウェブサイトと同じ仕組みですが、特にスマートフォンとの相性は抜群です。
文字、画像、映像、これらを組み合わせることで、これまでにない読書体験を提供できるのが、電子書籍の強みです。
3. 業界標準である
PDFは、アドビ社が作った規格です。
一方のEPUBは、複数の企業や団体が一緒になって、標準化を進めています。
そのため、EPUBは一企業が作ったものではない規格となり、汎用性が高い形式になります。
端的に言えば、これから登場してくるであろう電子書籍リーダーの大半は、EPUB形式の電子書籍を読むために最適化されてくるのです。
したがって、電子書籍はEPUBで作ることが望ましいと言えるのです。
その他、PDFとの違いについては、こちらの表をご覧いただければわかりやすいかと思います。
以上のとおり、EPUB形式で作られた電子書籍とは、従来型のPDF形式によるレポートやeBookよりも遥かに利便性が高いものになっています。
これらは電子書籍を利用する立場からの利便性をご紹介しましたが、ここで次に、出版する側の立場から、電子書籍の収益化の仕組みについてお伝えします。
電子書籍の収益化の仕組み
電子書籍を販売すると、紙書籍での商業出版同様、著者は印税(ロイヤリティ)が得られます。
電子書籍はいったん作成して各電子出版プラットフォームにアップしておくだけで、未来永劫にわたってあなたに印税収入をもたらせてくれる資産になることを、覚えておいてください。
たとえば、Amazonの「Kindleストア」で電子書籍を出版すると、著者は印税として35%の印税を得ることができるようになります。
今までの紙書籍における商業出版では、著者と出版社間での力関係にもよりますが、著者はおおよそ10%前後の印税を受け取ることが慣例でした。
たとえば、1,000円のビジネス書をあなたが紙書籍で商業出版したとしたら、そのうち100円が、印税として得られる金額でした。
ところが、電子書籍においては、AmazonのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)でセルフ出版した場合、35%の印税という、従来の平均的な印税率よりも25%も高い金額が得られるようになります。
また、これはご存じでない方も多いのですが、あなたが作成した電子書籍をKindleストアのみで独占的に展開すれば、35%ではなく、70%もの印税収入が得られるようになっています。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
現在、電子出版できるプラットフォームはAmazonの「Amazon Kindle」のほかに、Appleの「Apple Books」、Googleの「Google Play Books」など色々なプラットフォームが出てきています。
日本でも、楽天が展開する「楽天Kobo」やKADOKAWAが展開する「BOOK☆WALKER」は有名なプラットフォームです。
それらすべてのプラットフォームで同じ1冊の電子書籍を販売し、より多くのプラットフォームから読者を得る方法もありますが、あえてAmazonのみに絞りこむことによって、70%もの高印税を手にすることもできます。
ちなみに、この印税が70%得られる方法には、いくつかの注意点がありますのでご注意ください。
Amazonの「電子書籍のロイヤリティ オプション」のページでは、「本の利用要件」として、以下の記載が明記されています。
“70% のロイヤリティ オプションを利用するには、本が以下の要件を満たしていることが必要です。
- 著者または出版者の指定した希望小売価格が希望小売価格の要件を満たしていること。
- 希望小売価格が、同一内容の印刷書籍の最低希望小売価格よりも 20% 以上安いこと。
- 著者または出版者が著作権を持つすべての国と地域で本が販売されること。
70% のロイヤリティが適用される本では、テキスト読み上げなど、Kindle ストアの幅広い機能がサポートされます。Amazon は今後も Kindle および Kindle ストアに新機能の追加を予定しているので、対象となる機能は随時増えていく見込みです。ブラジル、日本、メキシコ、およびインドの読者への販売に対して 70% のロイヤリティを適用するには、さらにその本が KDP セレクトに登録されている必要があります。”
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>価格設定
ここで、もしもあなたがAmazonのKindleストアで電子書籍をメインに販売するのであれば、もっとも大切なポイントは以下の3点になります。
1. 70%の印税では、電子書籍がKDPセレクトに登録されている必要がある
2. 70%の印税では、配信コストが差し引かれる
3. 70%の印税では、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となる
1. 70%の印税では、電子書籍がKDPセレクトに登録されている必要がある
まず、KDPセレクトとは、Kindleストアに90日間以上の本の独占販売権を許可する条件に承諾して参加できる方が対象になります。
KDPセレクトに参加すると、Amazonプライム会員のKindleユーザーで、1ヵ月に1回、2万冊以上の和書、60万冊以上の洋書の対象タイトルの中から1冊を選んで借りることができるKindle オーナー ライブラリー(KOL)に本を登録することができます。
そして、その本の貸出回数に基づいてAmazon側の基金から分配金が支払われるのです。
また、新しいキャンペーン用ツールを利用できたり、登録された本の無料配布キャンペーンを、90日ごとに最長5日間おこなうことができます。
2. 70%の印税では、配信コストが差し引かれる
次に、配信コストとは、ダウンロード販売のたびに1MBごとに1円の配信コストが差し引かれることです(ただし、日本での販売では、10 MB 以上の書籍に関しては配信コストが差し引かれません)。
たとえば、Amazonの説明を引用すると、
- 日本円の希望小売価格 = ¥250
- 書籍のファイルサイズが1MB
と仮定すれば、
ロイヤリティレート x (希望小売価格-配信コスト) = ロイヤリティ の数式に従って
0.70 x (¥250– ¥1) = ¥174 となり、174円が、著者が実質的に受け取れる印税となります。
そのため、配信コストに伴って、受け取れる印税は70%よりも低くなりますので、ご注意ください。
3. 70%の印税では、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となる
最後に、Amazonでは35%と70%のロイヤリティオプションによって、以下のとおり販売価格に関する条件の違いがあることを理解しておく必要があります。
出典:KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)利用規約>希望小売価格の要件
70%のロイヤリティオプションの場合は、最小希望小売価格が250円、最大希望小売価格が1,250円となります。
70%のロイヤリティオプションを選択する際には、この限られた価格帯の範囲で電子書籍の値決めを検討する必要があります。
また、35%のロイヤリティオプションの場合は、3MB未満、3MB以上にかかわらず最小希望小売価格が99円、最大希望小売価格が20,000円となります。
35%のロイヤリティオプションは、70%のロイヤリティオプションよりも価格の選択肢は広くなると言えるでしょう。
なお、AmazonのKDPの管理画面では、リアルタイムで何冊販売されたかがすべて把握できるようになっています。
こちらも紙書籍と異なり、より正確な販売状況を把握することができる特徴を持っています。
以下は、KDPレポートページの画像です。
こちらはKDPにログインすれば、いつでも確認が可能です。
ちなみに、レポート上段の「注文数」は、選択した期間中の指定タイトルの有料および無料の販売数を表示しています。
このグラフはKindleストアで本が注文されると更新されます。
すぐ上のフィルターを使用すると、表示するデータを「販売国」「著者名」「電子書籍タイトル」「期間」で絞り込むことができます。
レポート下段の「KU および KOL を通じて読まれたKENP(Kindle Edition Normalized Pages:キンドル・エディション・ノーマライズド・ページズ)」は、以下のような仕組みになっています。
「KU」とは、「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド:電子書籍読み放題サービス)」のことです。
「KOL」とは、前述した「Kindleオーナーライブラリー」のことです。
「Kindleオーナーライブラリー」とは、「Kindle端末またはFireタブレットを持っていて、Amazonプライム、Prime Student(プライム・スチューデント)のいずれかの登録者を対象に、好きな本を1ヵ月に1冊、無料で読めるサービス」です。
そして、KUおよびKOLを通じて読者が電子書籍のページを読み進めると「KENP」に反映されます。
もちろん、KENPも印税の対象になり、電子書籍が1ページ読まれると、約「0.5円」の印税を得られます(2020年現在)。
KENPからの印税も魅力的で、日本国内においても大きな成果が報告されています。
ある出版サークルは、Kindle Unlimitedの印税により、たった1ヵ月で282万円もの印税収入を得たそうです。
ある漫画家の方は、同じく1ヵ月で140万円を超える印税を手にしました。
本ニュースは、国内の主要メディアでも取り上げられ話題になりました。
この事例の驚くべき点は、読み放題サービス開始から1ヵ月しか経っていない時点での成果だということです。
今後、ますます電子書籍の読者が増えることは確実です。
まだ電子出版に取り掛かっていない方は、ぜひ今のうちから準備を開始することをおすすめします。
なお、印税の金額は、以下のようにKDPレポートページ内の「獲得したロイヤリティ」でリアルタイムに確認することができます。
では、このような利便性が高く、収益性に期待できる電子書籍が、電子書籍市場として実際にどれほど急成長しているのか、データを見てみましょう。
電子書籍市場の最新動向
それでは、日本の電子書籍市場は、どのような状況になっているのでしょうか。
統計を確認しながら、正確な状況を確認していきましょう。
電子書籍市場は2023年に4,610億円を超えると予測されている
2019年7月に、インプレス総合研究所が調査結果を発表しました。
以下に、引用してご紹介します。
“2018年度の電子書籍市場規模(※1)は2826億円と推計され、2017年度の2241億円から585億円(26.1%)増加しています。社会問題化していた海賊版サイトが2018年4月に閉鎖されて以降、多くの電子書籍ストアが多額のマーケティング予算を前倒しで投入したこと、結果的には海賊版サイトが電子書籍の認知度向上につながったことも遠因となり、新規ユーザーの増加や平均利用金額の増加につながり、売上は劇的に拡大しました。一方、電子雑誌市場規模(※2)は296億円(対前年比6.0%減)と推計され、はじめてマイナスに転じました。電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は3122億円になりました。2019年度以降の日本の電子出版市場は今後も拡大基調で、電子書籍市場は2023年度には2018年度の1.5倍の4330億円程度、電子雑誌も合わせた電子出版市場は4610億円程度になると予測されます。”
※1 電子書籍の市場規模の定義:電子書籍を「書籍に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」とし、配信された電子書籍(電子書籍、電子コミック等)の日本国内のユーザーにおける購入金額の合計を市場規模と定義。購入金額には、個々単位の販売に加え、月額課金モデル、月額定額制の読み放題、マンガアプリの課金を含む。ただし、電子雑誌、電子新聞や、教科書、企業向け情報提供、ゲーム性の高いもの、学術ジャーナルは含まない。また、ユーザーの電子書籍コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告も含まない。
※2 電子雑誌の市場規模の定義:電子雑誌を、紙の雑誌を電子化したものやデジタルオリジナルの商業出版物で逐次刊行物として発行されるものとし、日本国内のユーザーにおける電子雑誌の購入金額の合計を市場規模と定義。購入金額には、個々単位の販売に加え、定期購読、月額課金モデル、月額定額制の読み放題を含む。ただし、学術ジャーナル、企業向け情報提供、ゲーム性の高いものは含まない。また、ユーザーの電子雑誌コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告、コンテンツ中の広告も含まない。
出典:インプレス総合研究所
図表1. 電子書籍・電子雑誌の市場規模予測
出典:インプレス総合研究所
インプレス総合研究所による調査結果では、2018年度の電子書籍市場規模は前年比26.1%増の2,826億円になりました。
そして、2023年には4,610億円を超える市場規模になると予測されています。
2011年度が651億円だったので、2023年までには、実に7倍も成長することになります。
これはまさに「上りのエスカレーター」と表現できる、類まれな成長市場です。
成長市場では、実践さえすれば大きな利益が約束されます。
そして、これだけの急成長を遂げている電子書籍市場ですが、私はまだまだ黎明期であると考えています。
その理由は、電子書籍は単なる紙書籍ビジネスの延長ではなく、スマートフォンのコンテンツビジネスだからです。
スマートフォン市場と併せて考えると、さらに何倍もの驚異的な成長性と市場規模が想定されます。
すでに1,000万人規模の電子書籍市場
私は海外のみならず日本市場においても、電子書籍がインターネットメディアの中核になると考えています。
電子書籍は「スマートフォン・コンテンツビジネス」です。
この視点から考えると、電子書籍市場はすでに1,000万人規模であることがわかります。
1,000万人規模を証明するのは、「漫画アプリ」と「ニュースアプリ」です。
たとえば、LINEが提供する「LINEマンガ」は、アプリダウンロード数2,700万を突破しています。
出典:LINEマンガ
「LINEマンガ」だけでなく、漫画アプリは数えきれないほどリリースされています。
また、ニュースのキュレーション(まとめ)アプリである「グノシー」は、アプリダウンロード数1,600万を超えています。
出典:グノシー
ニュースアプリも「グノシー」だけでなく、「スマートニュース」「NewsPicks(ニューズピックス)」など、様々なアプリがリリースされています。
この数字だけ見ると、単にアプリ市場が好調なだけに見えるかもしれません。
しかし、視点を変えると驚くべき事実が見えてきます。
実は、漫画アプリやニュースアプリは電子書籍そのものであり、電子書籍の「新規読者」を拡大し続けているのです。
紙書籍では100万部売れれば大ベストセラーですが、電子書籍市場の読者は少なく見積もっても1,000万人以上が存在します。
そして、あなたが電子書籍を出版すれば、アプリ提供をおこなわなくても彼らにアプローチが可能になるのです。
「電子書籍作家(コンテンツ提供者)」として、ここに莫大なチャンスがあることにお気付きいただけると思います。
繰り返しますが、電子書籍の真の先行者利益は、「スマートフォン・コンテンツ市場」にあります。
さらに重要な事実として、この「スマートフォン・コンテンツ市場」でもっとも活躍できるのは、電子書籍に携わっている人です。
つまり、あなたが電子出版をおこなえば、最先端の「スマートフォン・コンテンツ市場」でビジネス展開ができる、ということなのです。
世界最大の電子書籍サービス、Amazon Kindleとは?
電子書籍の出版を考えるとき、まず押さえておくべきプラットフォームは、Amazonが展開するAmazon Kindle(アマゾン・キンドル)です。
Amazon Kindleは、アマゾン・ドット・コムが製造・販売する電子書籍リーダーや電子書籍、電子書籍閲覧再生専用アプリ、または関連クラウドサービスなどの総称を意味します。
Kindle誕生から10年、出版文化の大変革
出典:Amazon
Amazon Kindleは、2007年11月19日に「Kindle 1」として米国で販売開始されました。
さらにさかのぼると、Amazonがサービスを開始したのは1995年7月です。
最初、Amazonは紙書籍に特化したショッピングサイトでした。
Amazon.com 旧本社ビル(米国ワシントン州シアトル)
出典:Wikipedia
Amazonはインターネット黎明期に圧倒的な品揃えを実現し、徹底したマーケティングをおこなったことにより、瞬く間に業界ナンバーワンに駆け上がりました。
今ではAmazonなしでは生活できない人もいるほど、私たちの生活に欠かせないサービスになっています。
そして、物販をおこなってきたAmazonが、満を持してリリースした事業こそ「Kindle=電子書籍」でした。
Kindleは単なる「書籍のデジタル化」ではありません。
出版という文化が、根底から変革するほどのインパクトを持っているのです。
電子書籍普及の功労者、Amazon CEOジェフ・ベゾス氏
電子書籍を世界的に普及させた最大の功労者は、間違いなくAmazon CEOのジェフ・ベゾス氏でしょう。
出典:Forbes
実は、電子書籍を普及させる試みには意外と歴史があり、1971年からすでに始まっています。
しかし、そのほとんどはうまくいかず、私たち読者のもとに電子書籍が届くことはありませんでした。
ベゾス氏は、2007年から独自端末である「Kindle(キンドル)」を販売し、一般ユーザーが心地よく読書できる環境を作りました。
さらに、時代が味方します。
2007年にiPhoneが登場、その後、2010年頃からはAndroid(アンドロイド)のスマートフォンも普及し始めました。
Kindleとスマートフォンの誕生により、電子書籍が普及する土壌は完全に整いました。
そして、もう1つ重要な事実があります。
すでに電子書籍は「あって当たり前」になっていますが、私たちは時代の大きな転換点をリアルタイムに体験しているのです。
グーテンベルクの活版印刷誕生以来、560年以上にわたり「紙書籍文化」は大きな変化にさらされることはありませんでした。
そんな歴史ある出版文化に、遂に大変革が起き始めました。
それが、2010年の「電子書籍元年」です。
2010年をきっかけに、すべての要素が噛み合い、電子書籍が新しいメディアとして誕生したのです。
変革が起きるとき、その周辺には大きなビジネスチャンスが山ほど生まれます。
そのチャンスは日本国内においても、すでに誕生しています。
このような時流を見越して、私は常々「電子書籍で先行者利益を獲得しましょう」とお伝えしてきました。
私がお伝えする「電子書籍革命」は、流行り廃りに影響されるような近視眼的なものではありません。
これは10年単位の長期戦略に基づく、圧倒的なチャンスなのです。
ジェフ・ベゾス氏の電子書籍にかける情熱
では、ジェフ・ベゾス氏は電子書籍に対して、どのような想いを抱いているのでしょうか。
ベゾス氏の思考法、動向を見れば、電子書籍の未来が見えてきます。
Amazonの歴史を描いた『ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛』という書籍に、次のような記述があります。
出典:『ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛』リチャード・ブラント (著)
“地球最大の書店のCEO(註:ジェフ・ベゾス)は、本にとって「過去500年はすばらしい時代だった」と信じてきたが、「状況は変化しようとしている」と言い切った。
古ぼけた本のかびくさい匂いが好きな人、紙に印刷された文字の鮮明さが好きな人、あるいは、しっかりした製本に旧友のような感情を抱く人もいるだろう。
ベゾスは違う。
新技術に道を譲るため、本など、喜んでリサイクルボックスに放り込むというのだ。
「紙の本を読まなければならないという状況はいらいらします。不便だからです。ページをめくらなければならないし……閉じてほしくないときにかぎってパタンと閉じてしまいますし」
「本という面で本を超えることはできません。ですから、そのまま辞書が引けるとかフォントが変えられるとか、コンテンツの配信をワイヤレス接続で60秒以内に完了するとか、本ではできない何かができなければならないのです。物理的な本よりも優れたモノにしないければならないのです」
会社設立の基礎となった紙製品をこれほど簡単に捨てられるのも、ベゾスなら驚くにはあたらない。
もともとが電子系の人間で、2進法のコンピューターコードで書かれた製品が大好きだったからだ。
重要なのは最終的なコンテンツであり、それがページに印刷されていても、サイバースペース経由で電子リーダーに送られてくるビットという形でも、そこに大きな違いはない。
しかも、電子書籍の制作・配信は、紙版の制作・流通に比べてずっと安くすむのだ。”
出典:『ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛』リチャード・ブラント (著)
コンテンツマーケティングの世界では、「コンテンツ・イズ・キング」という重要な概念があります。
これは、「良質なコンテンツをどんどんリリースした者が勝つ」という意味です。
そして、ご覧のとおり、ベゾス氏も「コンテンツ・イズ・キング」の概念を持ち、電子書籍を推進しています。
今後、世界的な規模でコンテンツの価値がますます高まっていくことは間違いありません。
その中核に位置するメディアこそ、電子書籍なのです。
そこで次章では、電子書籍市場で成功し続けるために、もっとも効果的な電子出版戦略をお伝えします。
【永久保存版】最強の電子出版戦略
市場というものは、拡大するにつれて競合も参入してきます。
それは電子書籍市場も例外ではありません。
日本には、2012年10月にAmazon Kindleが上陸しました。
それから数年の間は、単純に電子出版するだけでも先行者利益を得ることができました。
しかし、現在は少し状況が変わってきています。
もう先行者利益は存在しないのでしょうか?
いいえ。
実は、2020年以降のほうが、さらに大きな先行者利益を得られる可能性は高まっています。
理由はシンプルで、市場規模が何倍にも拡大し、お金の流通量が飛躍的に増加しているからです。
ただし、これからの市場で成功するには、戦略が必要になってきます。
10年経っても有効な、長期的戦略が必要なのです。
今後、電子書籍をビジネスに導入しないことは、それだけで大きなリスクになる時代になります。
これも単純な理屈です。
たとえば、同じような価格、同じようなサービスのビジネスが2つ並んでいたとします。
一方は、有益な電子書籍を出版している。
もう一方は、何の情報発信もしていない。
顧客側からすれば、有益な電子書籍(情報)を出版している方を選ぶのは当然です。
時代は繰り返すと言いますが、これはウェブサイトが誕生したときの状況に似ています。
今では信じられないかもしれませんが、かつてホームページが普及し始めたばかりの頃は、「ホームページなんてビジネスに使えない」という意見が主流でした。
しかし、現代ではビジネスにホームページ(ブログ・SNS)を活用しない選択肢は考えられません。
これから、同じことが電子書籍市場にも起きるのです。
それでは次に、あなたの電子出版戦略を決定づける、「電子書籍ミリオンセラーロードマップ」をご紹介します。
電子書籍ミリオンセラーロードマップ(MSR)
以下に、最強の電子出版戦略を実現する「電子書籍ミリオンセラーロードマップ」の全体像を公開します。
こちらではご覧のとおり、
- 出版フェーズ
- マーケティングフェーズ
- メディアフェーズ
- ブレイクフェーズ
- 読者レスポンスの収集&コミュニケーション
- バックエンド開発
- マネタイズ(収益化)
というフェーズ(段階)があります。
インディーズ作家の多くは、執筆だけに集中しますが、電子書籍は「出版してからがスタート」なのです。
それぞれのフェーズを詳しく見ていきましょう。
1. 出版フェーズ
最初に、もっとも大切になるのが「出版フェーズ」です。
このフェーズでは、次のようなことをおこないます。
- 電子出版戦略策定
- 読者リサーチ
- 強力な企画立案
- メディア導線の確定
- 目次制作&執筆
- 編集・校正・電子製本
「電子書籍を出版しよう!」と思ったとき、ほとんどの人はいきなり原稿執筆を開始すると思います。
「書籍」=「原稿」というイメージが強いからかもしれません。
しかし、いきなり原稿を書き始めると、数多くのリスクを抱えてしまいます。
リスクとは、
- せっかく電子出版したのに、何の成果も得られなかった
- 途中でモチベーションが尽きて出版自体ができなかった
- 出版したがマイナスのレビューばかりだった
といったことです。
そこで、電子出版をビジネスの観点から捉え直すと、とてもシンプルになります。
一般的なビジネスにおいて、何の目的もなく行動をすることはあり得ません。
必ず、売上アップや顧客数増加などのゴールを設定して、そこに向かって進んでいきます。
途中でゴールが変更になることもありますが、その変更さえも最初にゴールを定めたからこそ可能になります。
では、電子書籍の場合はどうでしょうか。
ほとんどのインディーズ作家は、何となく執筆を開始します。
そのため、ゴールも曖昧で、どこに向かって進んでいるのかわかりません。
ここであなたに質問します。
「あなたが電子書籍を出版することのゴールは何ですか?」
ここでのゴールとは、「電子出版をすることで最終的に何を得たいのか?」「どのような状況になっていたいのか?」を、できる限り具体的に描くことです。
これは電子出版の枠にとらわれる必要なく、あなたのビジネス全体から考えてみてください。
あなたのゴールを明確に定めることで、電子出版戦略の土台が固まってきます。
さらに詳しい執筆方法は、のちほど「e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー」というフレームワークをご紹介します。
2. マーケティングフェーズ
電子書籍が完成しAmazon Kindleに登録したら、いよいよ販売開始です。
「マーケティングフェーズ」では、次のようなことをおこないます。
- テスト出版とPDCA(計画→実行→評価→改善)を徹底し電子書籍のクオリティを高める
- プレスリリースを発行する
- 無料キャンペーンにより認知度を高める
- 書評&レビューを集める
- ランキング対策をおこなう
- 広告とオフライン販促で売上を最大化する
おこなうことはたくさんありますが、しっかり計画して効率的に実施することが大切です。
出版後の施策については、電子出版後に効果的な「9つの電子出版施策」がありますので、のちほどご紹介します。
3. メディアフェーズ
「メディアフェーズ」とは、あなたが書いた電子書籍を武器に、マスメディアや権威者とつながっていく段階です。
このフェーズでは、次のようなことをおこないます。
- インフルエンサーメディアに掲載
- 雑誌掲載
- 商業出版オファー
- 権威者とのつながり
- 電子書籍BUZZ施策(意図的に話題性や口コミを起こす)
- メディア連載
何もない状態でテレビ、雑誌、大規模ウェブメディア、権威者とコンタクトを取るのは、なかなか難しいものです。
しかし、電子書籍を出版した瞬間から、あなたには「著者」「作家」という肩書が加わります。
その肩書は、あなたの対外的なブランドイメージをさらに高めてくれ、メディア・権威者へのコンタクトも容易になります。
実際に、まったくの無名だった方が電子出版したところ、業界最大手の雑誌に取り上げられた事例もあります。
その方のもとには雑誌を見た読者からの問い合わせが相次ぎ、それまで鳴かず飛ばずだった本業の業績も大幅に向上しました。
「メディアフェーズ」が成功すると、商業出版、雑誌連載、テレビ出演などにつながっていきます。
このフェーズは時流、タイミングに左右される側面もありますが、「出版フェーズ」でクオリティの高い電子書籍を作っておけば、波に乗れる可能性が飛躍的に高まります。
4. ブレイクフェーズ
「ブレイクフェーズ」は、現代のジャパニーズ・ドリームともいえる段階です。
あなたの電子書籍がきっかけとなり、世界が変わっていきます。
このフェーズでは、次のようなことが起きます。
- 「ブーム」を巻き起こす
- 必読書籍のポジショニング
- マスメディア展開
- 複数冊の電子出版
- 権威者とジョイント
- レバレッジ広告展開(このタイミングで実績をもとに広告を打つと、売上がさらに伸びる)
「ブレイクフェーズ」に到達した著者は、自身のベストセラー著書を通して瞬く間に億万長者、オピニオンリーダー、カリスマ作家になります。
紙出版時代には、そんな著者がたくさん誕生しました。
今後、電子書籍においても、同様の成功者が生まれてくるでしょう。
そのチケットを手にするのは、あなたかもしれません。
「ブレイクフェーズ」は、時代、世論、読者ニーズなど、あらゆる要素が完璧に噛み合ったときに起こります。
時の運も絡みますが、このフェーズにエントリーできるのは電子出版している人だけです。
だからこそ、一日でも早くクオリティの高い電子書籍を出版し、準備をしておくことが大切です。
5. 読者レスポンス&コミュニケーション
ここでもう一度、「電子書籍ミリオンセラーロードマップ」をご覧ください。
「マーケティングフェーズ」からは、「読者レスポンス&コミュニケーション」という項目が追加されます。
こちらは、電子書籍を通してあなたのファンを作る活動のことです。
具体的には、メールアドレスの取得、Facebookの「いいね!」獲得、Twitterフォロワー増加などの活動です。
このような活動を通して、あなたの読者とコミュニケーションをとっていきます。
これは一見、地味に思えるかもしれませんが、誠実で着実な活動が積もり積もって「本物のブランド」になります。
6. バックエンド開発
ビジネスにおけるマーケティングの定石としては、以下の2種類の商品を用意しておくことが基本です。
それは、単価が安く買いやすい「集客商品」と、単価が高く収益性の高い「収益商品」の2種類です。
そして、こちらで言うところの「集客商品」は「フロントエンド商品」と呼ばれ、「収益商品」は「バックエンド商品」と呼ばれています。
その場合、一般的に電子書籍は「フロントエンド商品」であり、その後ろには収益性の高い「バックエンド商品」が控えているべきです。
たとえば、利益率の高いデジタルコンテンツを中心とした20万円以上の高額商品がバックエンド商品として用意されていると、より収益性の高いビジネスが展開できるようになります。
フロントエンド商品としての電子書籍でより多くの方々にあなたやあなたの会社を知ってもらい、読者との信頼関係を構築したうえでバックエンド商品がオファーされれば、成約率も高くなるのです。
この流れが実現できると、理想的な電子書籍マーケティングを体現することができるでしょう。
7. マネタイズ(収益化)
最後に重要となるのが、「マネタイズ(収益化)」です。
マネタイズとは、電子書籍を通してあなたのビジネスを収益化していくことです。
前述したように、マネタイズのためには、電子書籍のあとに販売する商品(バックエンド商品)が必要です。
ビジネスにおけるすべての活動は「マネタイズ(収益化)」のために存在します。
「電子書籍は儲からない」「電子書籍は効果がない」と言っている人たちは、例外なくマネタイズの計画を立てていません。
マネタイズを成功させるためには、電子出版をする前から「最終的にどのように収益につなげていくか」を徹底的に考えておく必要があります。
ご理解いただきやすいように、わかりやすい実例をご紹介します。
私は2012年10月に、監修書として『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済新報社)を刊行しました。
出典:『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン・ロック (著), 細田 朋希 (翻訳), 大竹雄介 (翻訳), 小谷川 拳次 (監修)
本書は、私のビジネスパートナーとともに企画し、出版まで漕ぎ着けました。
本書はKindle上陸と同時に「Amazon推薦書籍」として電子出版され、大きな反響を呼びました。
大手新聞にも掲載され、全国の書店にも並びました。
実は、本書の出版にも隠れたマネタイズ戦略が存在していました。
本書は、出版タイミングとしては早すぎるうえに、テーマもニッチでした。
なぜなら、日本では電子書籍自体が目新しいものであり、電子出版をすればビジネスで有利になることに気付いているビジネスパーソンは、まだ少なかったからです。
それをわかりながら私たちが出版を急いだのは、「まったく新しいインディーズ作家の成功イメージ」を正しい形で日本市場に伝えたかったからです。
本書単体の売上は爆発的とは言えませんでした。
本書のために8ヵ月という時間を掛けて、準備調整、企画、交渉、スタッフ手配、制作までおこなったことを考えると、採算ギリギリと言ってもよいかもしれません。
それでも、私たちにはマネタイズ戦略がありました。
本書を気に入ってくださった読者の皆さんは、「自分で電子書籍を出版すること」に興味がある意識の高いビジネスパーソンです。
そういった方々に、弊社が運営する日本最高峰の電子書籍専門学校である『電子書籍マスタースクール』(定価:328,000円)をご案内したのです。
その結果、本書を通して多額の売上が上がると同時に、読者の皆様にも非常に高い価値をご提供することができました。
もし、この戦略がなければ、ただ単に書籍を刊行して終わりでした。
『電子書籍マスタースクール』から誕生したベストセラー作家たちも、その展開が数年は遅れていたことでしょう。
こちらには明確なマネタイズ戦略があったからこそ、Win-Winの電子出版になったのです。
なお、具体的なマネタイズ方法としては、電子書籍の内容に紐づいた「バックエンド商品」を準備して販売することです。
このように、あなたが電子出版する際は、必ず「マネタイズ戦略」を構築してからスタートしてください。
本業の売上を伸ばすために、もっとも効果的な電子書籍の活用方法
ここで、電子書籍を使った、もっとも効果的なマネタイズの一例をご紹介します。
それが、「電子書籍から顧客リストを得る」という方法です。
紙書籍とは異なる電子書籍ならではのメリットとして、電子書籍内に外部ウェブサイトへのリンクが設置できる、という点が挙げられます。
インターネットマーケティングでは、「メールアドレス」という見込み顧客リストを獲得することが、もっとも重要とされています。
そのため、あなたの電子書籍を読んだ読者は、最高の見込み顧客と考えることができます。
そのような方々のメールアドレスを獲得することができれば、その直後からステップメールを使った販売が可能になるのです。
マーケティング上級者の方であれば、単純なステップメールでの販売ではなく、ウェブ上のセミナーであるウェビナーと組み合わせた「エバーグリーンローンチ」も展開できるでしょう。
もちろん、見込み顧客リストを獲得した直後でなくても、後日にメールマガジンを配信して、あなたが希望するタイミングで商品を販売することも可能です。
これは電子書籍を集客に活用するうえで、もっとも大切なポイントのひとつだと言えますので、しっかりと覚えておいてください。
これまで、紙書籍から直接的に顧客リストを取得するのは難しいとされてきました。
もちろん、これまでも著者のウェブサイトURLや検索ワードを巻末に記載して外部ウェブサイトに誘導する方法はありました。
しかし、この場合は紙書籍からネット媒体へと誘導するため、敷居が高いことも事実でした。
ところが、電子書籍の場合は、メールアドレスを取得するオプトインページへのリンクをダイレクトに挿入することが可能です。
そのため、電子書籍を読んで気に入ってもらえた場合、その直後にオプトインページに誘導できることは、顧客リストを得るうえでとても有効な方法になります。
電子書籍を読んだ直後は共感度やモチベーションも高くなっている場合が多いため、その次のアクションをとってもらいやすい、という心理的側面もあります。
そして、電子書籍のような有料商品を購入してくれた方は、さらにあなたの他の情報にも関心を持っていただける、質の高い潜在的な顧客になると考えられるでしょう。
そのため、ぜひ電子書籍から外部のオプトインページへの誘導を取り入れていくとよいでしょう。
また、その際には、その電子書籍からのオプトインということがわかるような設定をリンクに施すか、専用のオプトインページのURLを設置することをおすすめします。
たとえば、こちらは私の電子書籍『ソーシャルメディア大富豪の教え』巻末部分に挿入しているリンク集となりますので、参考にしてみてください。
出典:『ソーシャルメディア大富豪の教え』小谷川 拳次 (著)
出典:『ソーシャルメディア大富豪の教え』小谷川 拳次 (著)
ただし、注意点としては、やみくもに書籍コンテンツ内に自社の宣伝とわかるオプトインリンクを多数入れるのは望ましくないでしょう。
書籍コンテンツ内のリンクについては書籍の理解を深めるための参考情報のリンクに留めておき、「巻末資料」のような形で巻末に自社宣伝のPR文言と併せて設置しておくことをおすすめします。
ここでおすすめする方法としては、1冊の電子書籍であなたの専門知識をすべておさめるのではなく、1冊あたりのボリュームは紙書籍より少なくしても、多数の電子書籍をシリーズ化して電子出版することです。
ブランディング的な見地から考えると、ある専門的分野において、たった1冊の書籍を出版している人よりも、複数冊の電子書籍を出版している人のほうが、その分野における権威性が高まると言われています。
また、もしもタイトルや概要欄のキーワードの最適化に成功した場合、検索結果画面における画面占有率を高められる効果があります。
これは、あなたが狙うある特定のキーワードで検索すると、Kindleストアの検索結果画面の1ページ目にあなたの電子書籍がたくさん表示されるようになる、ということです。
読者があるキーワードで検索して、検索結果画面にあなたの著作シリーズが何冊も登場してくれば、あるジャンルにおける専門家として、これ以上のブランディングはありません。
なお、「そんなにたくさんの電子書籍を書くのは大変ではないか?」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、電子書籍は紙書籍ほどのページ数は必要でなく、価格に見合ったボリュームであれば、一般的な紙書籍で見られるような紙ベースで200ページものボリュームがなくても問題はありません。
なぜなら、電子書籍はストア内では表紙画像しか見えないため、ボリュームがわかりにくく、書籍ページのボリュームそのものが大きな購買動機にはなりえないからです。
私は、電子書籍における具体的な1冊あたりの文字量の目安としては、2万~4万文字程度を推奨しています。
ぜひ、あなたも最初の1冊が出版できたら、その次のステップとして、複数冊の電子書籍を出版することに挑戦してみてください。
電子出版を成功させるための具体的なフレームワーク
ここまで、電子出版における全体的な戦略をお伝えしてきました。
次にお伝えするのは、電子出版を成功させるための具体的なフレームワークです。
電子書籍を出版して成功するためには、あなただけの個別具体的な「戦略とコンセプト」が必要です。
そうは言っても、ゼロから電子書籍を執筆するのはなかなか骨が折れるものです。
そこで具体的な指針として「eパブリッシング・ビジネス・ストラクチャー(EBS)」という電子出版フレームワークを紹介します。
「ストラクチャー」=「構造」という名前のとおり、このフレームワークを使うことで、あなた独自の強力かつ盤石な「電子出版の構造(戦略・コンセプト・プロモーション計画)」が完成します。
これから電子出版を開始する方はもちろん、すでに電子出版している方も「e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー」をもとにして、あらためてご自身の戦略を見直してみてください。
それでは、ご紹介します。
e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー(EBS)
1. あなたの事業の目的・理念を明確化する
2. 電子書籍を出版することでのゴールを設定する(事業理念と齟齬がないか確認する)
3. あなたの対象読者を明確化する(今回の電子書籍は、どのような人に向けて、何のために書きたいのか?)
4. 電子書籍の「コンセプト(企画)」を決定する(コンセプトは10個以上出す)
5. 電子書籍を「どのようにあなたのビジネスにつなげるか」明確な目的に向けて計画する(電子書籍からどのようにバックエンド販売につなげるか)
6. 出版後の大まかなプロモーションについて考える(Kindle出版後のマーケティング計画)
7. 目次を組み立てる
8. 最終ページに掲載するリンクやプレゼントを決定する(読者にとって大きなメリットのあるもの)
9. あなたの対象読者が反応する「キーワード」をリサーチする(どのようなキーワードに心が動くのか?)
10. コピーライティング技術や販売心理学をひととおり確認する(ビジネス書籍は心理学を使うと読みやすい書籍になる)
11. 執筆を開始する(文字数は2万~4万文字程度がおすすめ)
12. メインタイトルとサブタイトルを決定する
13. 原稿が完成したら3日ほど寝かせる
14. もう一度、ざっと読み返して改善や追加をおこなう
15. 「完全原稿」が完成
16. 編集、校正を実施する
17. 「最終原稿」が完成
18. 最終原稿をもとに電子書籍製本をおこなう(必ずEPUB形式で製本する)
19. 出版日を確定する(ティーザー告知をおこなうために約1ヵ月先だとベスト)
20. Amazon KDPに登録する情報を完成させる
21. KDPアカウントを作り、電子書籍を登録する
22. 電子書籍が公開されたら、Amazon著者ページを作る
23. 準備が完了したら、すべてのリンクが機能しているか確認する
24. 出版日までティーザー告知をおこなう
25. 出版までに「9つの電子出版施策」に沿って準備を開始する
26. 出版されたら記念イベントをおこなう(告知することで、書籍としてのブランド・魅力が何倍にも高まる)
27. 「9つの電子出版施策」を実施する
28. 継続的に関連情報を発信していく
(C)リードコンサルティング株式会社 (C)一般社団法人日本電子出版作家協会
以上、28ステップになります。
ステップ25と27にある「9つの電子出版施策」は、のちほどご説明します。
こちらは全28ステップありますが、すべてを一気におこなう必要はありません。
電子出版をする際は、毎回1つずつ丁寧にお読みいただき、こちらを指針として着実に実践してください。
最先端の電子書籍マーケティングを実践する方法
ここまで「電子書籍市場の最新動向」「最強の電子出版戦略」「電子出版フレームワーク」についてお伝えしました。
次に、最先端の電子書籍マーケティングとして、「9つの電子出版施策」をあなたにご紹介します。
どの方法論も実践的ですので、すぐにあなたのビジネスに取り入れられます。
そして、実践すれば必ず成果がついてきます。
ぜひ、早速取り入れてみてください。
9つの電子出版施策
電子書籍を出版したのに売れない原因は、出版後に適切な施策をしていないことにあります。
ただ漠然と売れるのを待っているだけでは、ベストセラー電子書籍は生まれません。
著名な著者ほど、新刊出版後の販促活動を徹底しておこないます。
そこで、私たちの経験則から導き出した、電子出版後に効果的な「9つの電子出版施策」をご紹介します。
適切な施策をすれば、あなたの電子書籍は必ず売れていきます。
「9つの電子出版施策」
- ソーシャルメディア(Facebook、Twitter)で告知する
- メールマガジンで告知する
- 友人・知人に読んでもらう
- プレスリリースを配信する
- ウェブサイト・ブログに掲載する
- インフルエンサーに紹介を依頼する
- オフラインで告知する
- 出版記念パーティー・講演会を開催する
- 広告を出稿する
それぞれの施策を見ていきましょう。
1. ソーシャルメディア(Facebook、Twitter)で告知する
1つ目の施策は、ソーシャルメディア(Facebook、Twitter)で告知することです。
電子書籍はその場で購入できるので、ソーシャルメディアとの相性はピッタリです。
出版したら、必ずソーシャルメディアで継続的に告知しましょう。
SNSが普及して10年以上経ちますが、集客力は現在も十分にあります。
成功している起業家のなかには、FacebookとTwitterだけで集客し、個人で年商1億円以上を売り上げている人もいるほどです。
ソーシャルメディアは工夫と最適化をすれば、とても集客力のあるメディアです。
告知するときは、電子書籍の魅力を簡潔に伝える文章と販売ページのリンクを入れましょう。
また、一度告知して終わりではなく、継続的に発信していくと効果的です。
特に、旬なニュースや出来事と組み合わせて告知をすると、注目される確率が高まります。
具体的なターゲティングやハッシュタグの活用方法は、前述した『電子書籍を無名でも100万部売る方法』を参考にしてみてください。
出典:『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン・ロック (著), 細田 朋希 (翻訳), 大竹雄介 (翻訳), 小谷川 拳次 (監修)
2. メールマガジンで告知する
2つ目の施策は、メールマガジンで告知することです。
インターネットビジネスで安定的な収益をあげるためには、メールの活用は必須です。
すでに顧客のメールリストをお持ちの方は、メールマガジンでも継続的に電子書籍の告知をしましょう。
現在、見込み顧客のメールリストを持っていない方は、ぜひ早いうちにオプトインページを制作したり、ウェブサイト・ブログにメール登録フォームを設置しましょう。
江戸時代から、「顧客台帳さえあれば商売は安泰」と言われていました。
これはインターネット時代も変わりません。
3. 友人・知人に読んでもらう
3つ目の施策は、友人・知人に読んでもらうことです。
電子出版後、信頼できる友人や知人に読んでもらうことも効果的です。
そこで内容のフィードバックをもらったり、可能であればソーシャルメディアに感想を書いてもらうとよいでしょう。
あなたの大切な友人や知人から良好なフィードバックをもらえる内容であれば、ベストセラーとなる可能性は十分にあります。
ここで、世界的ベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズの著者、J・K・ローリング女史の『ハリー・ポッターと賢者の石』の事例をご紹介します。
出典:『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K. Rowling (著), Yuko Matsuoka (翻訳)
今では信じられないことですが、のちに世界的ベストセラーとなる『ハリー・ポッターと賢者の石』の完成原稿は、はじめはどの出版社にも見向きもされなかったのです。
J・K・ローリング女史が完成させた原稿は、当時エージェントを通じて12の出版社に提出されましたが、あまりに長編で出版する会社が現れませんでした。
最終的にブルームズベリー出版社が出版することとなったのは、受け取った原稿を編集者が自分で読む前に8歳の子どもアリス・ニュートンに手渡して反応を見たからだったそうです。
1時間後に部屋から出てきた子どもは、「パパ、これは他のどんなものよりもずっと素敵だ」と話したそうです。
その後、イギリスのブルームズベリー出版社から出版された同書は、ご存じのとおり、世界的ベストセラーとなっていきます。
なお、J・K・ローリング女史は、『ハリー・ポッター』シリーズの成功により、2018年の時点で1,000億円以上の資産をもち、100億円を超える年収を得ていると言われています。
J・K・ローリング女史
出典:Wikipedia
このように、目の前にいる1人を感動させることができれば、その書籍は何千倍、何万倍と広がり、結果的に大きな売上にもつながっていくのです。
4. プレスリリースを配信する
4つ目の施策は、プレスリリースを配信することです。
今は無料でプレスリリース配信できるサービスの登場により、個人でも気軽にPR戦略を取り入れることが可能になりました。
また、プレスリリースは公的な「刊行証明」にもなりますので、インディーズ作家にとって強い武器です。
配信場所としては、たとえば「valuepress(バリュープレス)」がおすすめです。
こちらは無料配信も可能です。
出典:valuepress
ちなみに、ジョン・ロック氏の『電子書籍を無名でも100万部売る方法』を刊行したときも、valuepressでプレスリリース配信をしました。
出典:valuepress『電子書籍を無名でも100万部売る方法』
プレスリリースを配信したことにより、2012年10月26日に間違いなく刊行されたことが公的にも証明できます。
また、プレスリリースはオンライン上だけでなく、あなたのビジネスに関連するメディアや出版社に印刷して送付することも効果的です。
実際に、電子書籍刊行を出版社に送付したところ、業界最大手の雑誌に掲載された事例もあります。
なお、配信時の注意点として、プレスリリースは一度配信すると内容の取り消しができません。
原稿作成には時間を掛けて、完璧なプレスリリースを配信しましょう。
ほとんどの電子書籍作家は、ここまでの活動をおこないませんので高い効果が期待できます。
あなたもぜひ、実践してみてください。
5. ウェブサイト・ブログに掲載する
5つ目の施策は、出版した電子書籍をウェブサイトやブログに掲載することです。
これは基本的なことですが、忘れられがちです。
出版はそれだけでも権威性、ブランディングにつながります。
必ず表紙画像と販売ページのリンクを掲載するようにしましょう。
なお、私は以下のようにホームページやブログのプロフィール内に掲載しています。
6. インフルエンサーに紹介を依頼する
6つ目の施策は、インフルエンサーに電子書籍の紹介を依頼することです。
インフルエンサー(influencer)とは、社会的・業界的な影響力を持っている人です。
これは、なかなか実践する人が少ない施策です。
前提として、インフルエンサーとの信頼関係が必要だからです。
その分、この施策を実行できれば、あなたの電子書籍は一気に有名になります。
では、インフルエンサーに電子書籍を紹介してもらうためには、どうすればよいのでしょうか。
これは「人間関係の原則」から考えれば、答えがわかります。
たとえば、見ず知らずの人から急に「電子書籍を出版しました!ぜひ紹介してください」と言われて、紹介する人はいません。
逆に、いつも親しく付き合っている人が電子出版したなら「ぜひ応援しよう!」という気持ちになるはずです。
つまり、日頃から業界のインフルエンサーと積極的に交流しておくことが大切ということです。
ただし、インフルエンサーは多忙な人が多いので、いきなり連絡しても会えることは少ないはずです。
相手目線に立ち、相手のメリットになる提案を準備してから連絡するのが有効です。
このような活動を続けることで、電子書籍を起点にあなたの交友関係も素晴らしい形で広がっていきます。
7. オフラインで告知する
7つ目の施策は、オフラインで告知をすることです。
電子書籍であっても、ネット告知だけよりオフライン告知を取り入れたほうがさらに効果的です。
すぐに実践できる施策としては、あなたの名刺の裏面に「書籍の表紙画像」と「QRコード」を入れることです。
QRコードとは、以下のようなコードのことです。
スマートフォンで読みこめば、即座に電子書籍販売ページにつながります。
なお、以下のウェブサイト等を使えば、QRコードを簡単に無料作成できます。
8. 出版記念パーティー・講演会を開催する
8つ目の施策は、出版記念パーティーや講演会を開催することです。
ここで、「有名人でもないのにパーティーなんて・・・」といった思い込みは捨ててください。
インターネットが普及して、オンライン・コミュニケーションが増えた現代だからこそ、オフラインの活動に価値が生まれます。
パーティーは、気負わず楽しく開催したほうが効果的です。
電子書籍で読者に提供するものは、エンターテインメント性も含むことを忘れないようにしてください。
出版記念パーティーや講演会は、自ずとあなたの事業に関連した内容になるので、新しいファンや見込み顧客が参加する可能性が高まります。
イベントを開催した際には、必ず写真を撮り、後日ソーシャルメディアやブログに掲載しましょう。
9. 広告を出稿する
9つ目の施策は、広告を出稿することです。
広告出稿は、「バックエンド商品開発」と「マネタイズ戦略」の準備が終わってから開始します。
そうすることで、広告効果を最大化することが可能になります。
また、広告から電子出版を販売し、読者のメールアドレスを登録してもらうオプトイン施策も併せて導入すると、集客からバックエンド販売までの導線が完璧につながります。
広告出稿場所については、Facebook広告が特に有効です。
以上、電子出版後に効果的な「9つの電子出版施策」をご紹介しました。
「9つの電子出版施策」
- ソーシャルメディア(Facebook、Twitter)で告知する
- メールマガジンで告知する
- 友人・知人に読んでもらう
- プレスリリースを配信する
- ウェブサイト・ブログに掲載する
- インフルエンサーに紹介を依頼する
- オフラインで告知する
- 出版記念パーティー・講演会を開催する
- 広告を出稿する
どれも少しの労力でおこなえますが、効果は確実かつ長期的に出てきます。
ぜひ、あなたの電子出版に取り入れてください。
まとめ
本記事では、「ベストセラー電子書籍を出版して印税と本業の売上を増やす7つの戦略」として、以下の内容をお伝えしました。
最初に、「電子書籍のメリットと電子書籍が重要になる理由」では、紙書籍と比較した電子書籍ならではのメリットをお伝えしたうえで、今後のインターネットマーケティングで検索エンジン対策(SEO)やインターネット広告に次ぐ第3の集客チャネルになり得る可能性を説明しました。
「電子書籍とは?」では、電子書籍がどういうものなのか、そしてその収益化の仕組みはどのようになっているのかについて解説しました。
「電子書籍市場の最新動向」では、電子書籍市場の現状と将来の発展性について解説しました。
「世界最大の電子書籍サービス、Amazon Kindleとは?」では、Kindle誕生から10年経った出版文化の大変革やAmazon CEOであるジェフ・ベゾス氏についてお伝えしました。
また、「【永久保存版】 最強の電子出版戦略」では「電子書籍ミリオンセラーロードマップ(MSR)」を、「電子出版を成功させるための具体的なフレームワーク」では「e-パブリッシング・ビジネス・ストラクチャー(EBS)」の思考フレームワークをご紹介しました。
そして、「最先端の電子書籍マーケティングを実践する方法」では、効果的な電子書籍マーケティングとして「9つの電子出版施策」をご紹介しました。
これらの情報を十分に活用いただくことで、あなたもベストセラー電子書籍を出版し、印税収入に加えて本業の売上を伸ばすことが可能になるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。
なお、本記事のテーマに興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下の記事もお読みになってみてください。
「電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ」
「電子書籍で収益を得たい方必読!3つのビジネスモデルと9つの戦略」
「あなたのパーソナルブランディングを成功させる6ステップと最新事例」
きっと、あなたのお役に立てるはずです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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