セールスファネルとは?3つの成功事例とセールスファネルの作り方
あなたが商品を販売するとき、見込み顧客へどのような順番でアプローチして関係性を構築し、最終的な成約につなげればよいかを知っていますか?
また、ひとたび商品を購入してもらったら、様々な追加商品をクロスセル・アップセルするための最適な方法があることを知っていますか?
実は、そのためにセールスの世界で確立されている方法論があります。
それが、「セールスファネル」です。
あなたがセールスファネルの概念を正しく理解し、ビジネスの現場に取り入れることができれば、効率的かつ最短で顧客化のステップを駆け上がってもらえるようになるでしょう。
それはすなわち、マーケティングやセールスを最適化することを意味します。
そこで本記事では、セールスファネルについて、3つの成功事例をご紹介します。
また、セールスファネルの作り方として、4つのステップをご紹介します。
本記事の内容をお読みいただければ、初心者の方でもセールスファネルを使ったビジネス戦略を構築し、マーケティングやセールスを最適化する方法が理解できるようになります。
また、実際に安定的な売上が手に入るようになるでしょう。
本記事は特に、見込み顧客から優良顧客にいたるまでの関係性を構築する方法がわからない方には、必ずお役に立てる内容になっています。
ぜひ、こちらでご紹介するセールスファネル理論を参考にしてみてください。
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目次
セールスファネルとは?その概要とメリット
本記事のテーマは、「セールスファネル」です。
セールスファネルとは、マーケティングを勉強されたことのある方であれば、おそらく聞いたことのある言葉ではないでしょうか。
念のため、馴染みがない方のためにご説明しておきます。
セールスファネルとは、あなたのビジネスのことをまったく知らない人(潜在顧客やサスペクトなどと呼ぶ)を成約へと導いていくためのステップのことを指しています。
潜在顧客が顧客へと絞り込まれていく様子を漏斗にたとえて、ファネル(漏斗)と呼ばれています。
これから詳しくご紹介していきますが、セールスファネルをうまく作り込むことによって、効果的に販売につなげることができます。
セールスファネルの基本形
一口にセールスファネルと言っても、説明する人によって様々な理論があります。
たとえば、セールスファネルを10段階くらいにまで分ける人もいれば、もっとシンプルに分ける人もいます。
詳細にセールスファネルを分けた解説
出典:The Sales Funnel Tool and Tips
本記事では、初心者の方にも理解しやすいように、セールスファネルを3つに分けて解説していきます。
基本的に、以下の3つに分けて考えると、どのようなケースにも応用できます。
トップ・オブ・ファネル
トップ・オブ・ファネルは、セールスファネルの入り口です。
この状態では、相手はあなたのビジネスや商品についてはほとんど知らず、ニーズも感じていません。
英語では、この状態の人をサスペクト(潜在顧客)などと呼んでおり、まだ見込み顧客にもなっていない段階の人たちを指します。
あなたのサイトに初めてやってきた人は、このサスペクト状態にあります。
では、サスペクト状態の人を次の段階にもっていくためにはどうすればよいのでしょうか。
ここで一般に使われるのが、PDFレポートや無料お試しなどの、無料オファーです。
ミドル・オブ・ファネル
無料オファーに興味を持ってくれた人は、次の段階であるミドル・オブ・ファネルに入っていきます。
この段階では、サスペクトから見込み顧客へと変えていくことが必要です。
そのために一般的に利用されるのが、ステップメールです。
ステップメールをうまく設定することによって、ニーズを喚起し、商品への興味を高めてもらうことができます。
ボトム・オブ・ファネル
ボトム・オブ・ファネルは、見込み顧客を顧客へと変えていく段階です。
この段階では、興味を持ってくれた人に、いかにスムーズに商品を提案するかがポイントになります。
オンライン上では、セールスページがその役割を担いますが、電話や対面でのセールスになることもあるでしょう。
セールスファネルを作る5つのメリット
では、なぜ、このようなセールスファネルが必要なのでしょうか。
セールスファネルを作ることのメリットをご紹介していきます。
その1. 成約率が向上する
セールスファネルをうまく作ることによって、成約率の向上につなげることができます。
セールスファネルがまったくない場合を考えてみます。
セールスファネルがないというのは、相手と会ったら、即座にセールスをおこなうことを指しています。
たとえるならば、訪問販売のようなものです。
営業マンが街に出て行き、近くの家のインターホンを鳴らします。
相手が出てきたとき、お互いは知らない者同士で、信頼関係もありません。
そして、その状態でセールスが始まります。
この状態で成約するには、営業マンにかなりのスキルが必要とされます。
なぜならば、まずは商品のプレゼンテーションをする以前に、自分が何者なのか、なぜここにいるのかを説明し、信頼してもらうことから始める必要があるからです。
その次に初めて、商品を説明します。
商品の説明も、そもそも相手にそのニーズがあるのかどうかを判断するところから始めないといけません。
このような手順を追って、成約まで結びつけられる営業マンはごくわずかでしょう。
図にしてみると、セールスファネルがない場合の営業活動は次のようになります。
この場合は見込み顧客にコンタクトして、すぐに販売が始まります。
あなたが顧客の立場であれば、このようなセールス活動をされると、うっとうしいと思うはずです。
成約率が上がらないのは当然です。
これはオンラインの場合であっても同じです。
特に高額商品や詳しい商品説明が必要になる場合には、ウェブサイトに訪問してきた人に、いきなりセールスをかけるのは難しいものです。
一方、セールスファネルを作り上げると、次のような手順で営業活動がおこなわれます。
まずコンタクトし、自分の自己紹介をすることによって、関係を構築します。
そして、実績や既存顧客の声などを紹介して信頼を獲得します。
その後になって初めて、商品の詳しい説明をして、販売にいたるというわけです。
相手の理解度やニーズに応じて、順次必要な情報を提供していきます。
それによって、スムーズに販売にいたります。
オンラインの場合には、これらのステップを自動的におこないます。
したがって、あなたが見込み顧客と話すときにはすでに信頼関係が構築されていて、相手の購入意欲も高まっている状態を作ることができます。
その2. 自動化が可能になる
セールスファネルを作り、それをダイレクトメールや人的営業活動を通じて実践することもできます。
しかし、インターネット上で実践すれば、かなりの部分が自動化可能になります。
具体的には後ほどご説明しますが、ステップメールやランディングページなどを使って、セールスファネルを自動化します。
それによって、あなたが寝ている間にも、新しい顧客が生まれ続けます。
その3. 予測が可能になる
セールスファネルを作ると、売上が予測可能になります。
セールスファネルがない場合、その週の売上は、その週に出したキャンペーンメールの良し悪しに左右されます。
これでは、メールを出してみるまで、どれくらいの売上が立つのか、予測ができません。
経営者としては不安な日々を過ごすことになるでしょう。
しかし、セールスファネルを作れば、全ての見込み顧客に同じ順序で、同じメッセージを届けることができます。
すると、どれくらいの人が購入してくれるのか、成約率の統計データを得ることができます。
統計データを得ることができれば、将来の売上予測が立てやすくなり、広告の予算計画なども立てやすくなります。
その4. 拡張が可能になる
セールスファネルがない場合、問い合わせがあった人には、個別にメールを出したり、電話をしたりすることになります。
規模が小さければ、それで運営できるかもしれません。
しかし、この方法では、見込み顧客の数が増えると同時に、手間も増えていきます。
すると各見込み顧客への対応が中途半端になってしまう可能性があります。
そして、せっかくの販売機会をなくしてしまう恐れが出てきます。
一方、オンラインでセールスファネルを作っておけば、成約する確率の高い見込み顧客だけに絞り込まれていきます。
そして、その見込み顧客だけに手厚いフォローが可能になります。
さらにセールスファネルをうまく作れば、成約も自動化され、いくら見込み顧客が増えても手間が増えずに売上が上がる、という拡張可能な状況を作ることもできるでしょう。
その5. 営業活動が改善できる
セールスファネルを作るメリットのうち、見逃されがちなのが、営業活動が改善できるようになる点です。
たとえば、次のようなセールスファネルを作ったときを考えてみましょう。
これはごく一般的なセールスファネルの構図です。
無料オファーを用意し、ランディングページを作ります。
そしてそこにトラフィックを流し、登録者にステップメールを配信していきます。
その後、セールスをおこない、成約にいたります。
このようにセールスファネルを作ると、次の統計データを得ることができます。
- ランディングページへの訪問者数
- 無料オファーの成約率
- ステップメールの開封率
- ステップメールのクリック率
- セールスページの成約率
このようなデータを得ることができれば、どの数字を改善すれば、全体の売上に直結するのかがすぐにわかります。
すなわち、営業活動のどこに問題があるのかが一目瞭然になるのです。
問題がわかれば改善するのも容易になります。
たとえば、売上を2倍にしたいと思った場合、一番に思いつく方法は、ウェブサイトへのトラフィックを2倍にすることです。
しかしながら、トラフィックを2倍にするためには、広告費を2倍にするなど、お金をかけたり、SEOに力を入れたりする必要があり、そう簡単に実現できるわけではありません。
一方、セールスファネルが作られていれば、以下の数字を少しずつ改善することによって、最終的な売上を2倍にする算段が立ちます。
- ランディングページへの訪問者数
- 無料オファーの成約率
- ステップメールの開封率
- ステップメールのクリック率
- セールスページの成約率
特に広告を出してトラフィックを集める場合には、セールスファネルの各段階を地道に改善していくことが、投資効果に大きく影響してきます。
セールスファネル 3つの成功事例
前述したとおり、セールスファネルについては、様々な人が理論的な説明をしています。
しかし、それだけでは、なかなか実際の実践イメージがつきにくいのではないでしょうか。
そこで本記事では、海外の成功事例を詳しくご紹介していきます。
こちらの事例をご覧いただければ、セールスファネルがなぜ大切なのか、そして、どのように実行すればよいのか、イメージがつきやすくなるはずです。
その1. TAB社のセールスファネル成功事例
出典:TAB
TAB社はオフィスのスペースプランニングを専門としている会社です。
ファイリングのサプライ用品や、データ管理のITシステムを販売しています。
ここでは彼らがセールスファネルを導入し、成約率を32.6%向上させ、かつセールスの自動化に成功した事例をご紹介します。
セールスファネル導入前の問題点
セールスファネル導入前でも、彼らは様々な手法でオンラインから見込み顧客を獲得していました。
たとえば、ホワイトペーパー(報告書)を無料配布したり、ウェブセミナーを開催したりなどです。
問題は、どこから来た問い合わせに対しても、同じように対応をしており、どの集客活動が有効なのかがわかっていなかったことです。
そして、全ての問い合わせに営業マンが個別に対応していたため、とても手が回らなかったことです。
それによって、見込み顧客に対するフォローが中途半端になってしまい、大きな機会ロスが発生していました。
セールスファネルを作るステップ
ステップ1. 見込み顧客をセグメントする
まず彼らが手をつけたのは、見込み顧客をセグメントすることでした。
彼らは複数のサービスを扱っているため、全ての見込み顧客が同じニーズを持っているわけではありません。
そこで、顧客を2種類に分けました。
- 紙の書類を効率的に管理することに興味ある人
- データと紙の書類を効率的に管理することに興味ある人
そして、この2種類のセグメントそれぞれに対して、異なるセールスファネルを作ることにしたのです。
複数商品を扱っている場合、彼らのように複数のセールスファネルを作ったほうが有効である可能性があります。
ステップ2. セールスファネルを考える
次にセールスファネルを考えます。
具体的には、見込み顧客が、どのような感情や心理状態を経て購入にいたるのかをイメージします。
これは当然、業界や扱っている商品によって変わりますが、大枠は彼らが考えた、次のような5つの段階を踏まえたものになるでしょう。
第1段階:問題を認識する
自社の現状に問題があることを認識します。
彼らの場合であれば、スペースプランニングが必要であることを認識します。
社内の文書やデータが散乱してしまっており、それによって、目に見えないコストがかかっていることを理解します。
第2段階:知識を得る
その問題を解決するには、どのような解決策が必要なのかを理解します。
第3段階:商品を評価する
TAB社と他社商品を見比べ、価格や機能、サービスなどを比較検討します。
第4段階:障害を乗り越える
価格の妥当性など、購入する際の障害をどのように克服するかを考えます。
第5段階:決断する
TAB社の商品やサービスを利用しようと決断します。
この5つの段階をもとにして、セールスファネルを構築していきます。
ステップ3. コンテンツを用意する
購入にいたるまでの見込み顧客の感情がわかったら、次は、一歩一歩、見込み顧客を前に進めるためのコンテンツを用意します。
たとえば、「第3段階:商品を評価する」では、見込み顧客が同じような商品を扱っている他社とTAB社の商品を比較検討しています。
その状態から前に進んでもらうためには、自社の優位性がわかるような、他社商品との比較表やチャートのようなコンテンツがあればよさそうです。
次に、「第4段階:障害を乗り越える」から前に進んでもらうためには、TAB社のサービスを導入したときの投資効果を数字にして示したり、すでに成果を上げた顧客の声を紹介すればよさそうです。
TAB社の場合、幸いなことに、過去に作ったホワイトペーパーやウェブセミナーなど、すでにたくさんのコンテンツがありました。
それを整理して、使えるものを順序良く並べていけばセールスファネルが完成します。
ステップ4. ステップメールを設定する
次に、ステップメールを設定していきます。
彼らが作ったステップメールは、5通でした。
「ステップ2. セールスファネルを考える」の5段階のセールスファネルのとおり、5通にしたわけです。
たとえば、1通目は次のようなメールです。
件名:スペースプランニングが必要になる8つの兆候
出典:TAB
メールの中にリンクが貼られていますが、クリックすると、次のような記事に飛びます。
出典:TAB
記事タイトルは、メールの件名と同じく、「スペースプランニングが必要になる8つの兆候」です。
注目していただきたいのは、この記事のタイトル、そして内容がセールスファネルの一番上、「第1段階:問題を認識する」に進ませるためのコンテンツであることです。
今、スペースプランニングの必要性を感じていない人であっても、8つの兆候のどれかに当てはまっていれば何かしら自社に問題があり、スペースプランニングがその解決策になる可能性がある、ということを察することができます。
2通目のメールに進んでみましょう。
件名:スペースプランニングをする前に検討すべき7つのこと
出典:TAB
同じくリンクをクリックすると、次の記事に飛びます。
出典:TAB
記事タイトルは、「スペースプランニングをする前に検討すべき7つのこと」です。
こちらも同じように、セールスファネルの2番目、「第2段階:知識を得る」に進むためのコンテンツになっています。
見込み顧客は、1通目のメールで、自社にもスペースプランニングが必要だと感じ、「では、スペースプランニングを検討してみよう」と思います。
その矢先に、「スペースプランニングをする前に検討すべき7つのこと」という内容のメールが来たら、思わず見てしまうでしょう。
このように、セールスファネルに沿って、ステップメールを設定していきました。
5通目、最後のメールは次のとおりです。
件名:スペースプランニングのROI(投資効果)
出典:TAB
同じくリンク先の記事です。
出典:TAB
たいていの商品やサービスの購入において、最大の障害は、投資効果です。
お金をかけた分、本当に効果があるのかどうかという懸念を払拭できることは非常に大切なポイントです。
そこで彼らも、スペースプランニングに興味を持った見込み顧客に対して、最後に投資効果の妥当性を解説しているわけです。
以上のように、見込み顧客の心理状態を分析することからスタートし、ステップメールを設定したことによって、セールスファネルが完成しました。
セールスファネル導入後の成果
以上のようなセールスファネルを作った結果、成果は次のようになりました。
- メールの開封率が平均して133%向上した
- メール内リンクのクリック率が平均して650%向上した
- 成約(購買)率が32.6%向上した
このように素晴らしい結果を達成することができました。
また、数字に表れていない大きな成果として、営業マンの活動時間が大幅に縮小されたそうです。
これまでは成約する確率が高い問い合わせにも、低い問い合わせにも同じように対応していたため、多大な時間をロスしていました。
しかし、セールスファネルができたことによって、成約する確率が高い見込み顧客を見極めることができ、効率のよい営業活動ができるようになりました。
その2. Postcard Mania社のセールスファネル成功事例
Postcard Maniaは、企業向けに、ポストカードを使ったダイレクトマーケティングの支援をおこなっている会社です。
たとえば、歯科医が患者向けにポストカードを使ったキャンペーンをしたいと思った場合、Postcard Maniaに依頼すると、ポストカードのデザインを提案してくれ、キャンペーンを成功に導いてくれます。
彼らは歯科医、中古車販売、弁護士など、細かい業種ごとにポストカードのテンプレートを用意しており、自社にあったポストカードとキャンペーンを提案してくれます。
そんな彼らのビジネスにおいて、オンラインでセールスファネルを作ったところ、問い合わせがこれまでの70%も増加したそうです。
しかも、その問い合わせは、しっかりとPostcard Maniaのビジネスを理解したうえでの問い合わせであるため、かなりの成約率にいたっているそうです。
では、具体的には、どのようにしてセールスファネルを作ったのか、成功事例を見てみます。
セールスファネル導入前の問題点
Postcard Maniaの今までの営業手法は、主に電話とダイレクトメールによるものでした。
もちろん、ウェブサイトはありますが、電話番号と問い合わせフォームが置かれているだけで、そこから問い合わせが来るのを待っているだけでした。
問題は、この手法による問い合わせの数が年々、減ってきていることでした。
減っている理由は、多くの人がインターネットによる情報収集に慣れていくにつれ、ウェブサイトを見て電話をかけて営業マンと話すよりも、ウェブ上で全ての情報収集を終わらせたいというニーズが出てきたからです。
つまり、余計なセールスはされたくないので、ウェブ上で情報だけ取得したい、という人たちが増えたのです。
これはどの業界にも共通する、消費者行動の変化だと言えるでしょう。
Postcard Maniaもこの変化に気付き、可能な限りオンラインで成約まで導くようにしようと考えました。
セールスファネルを作るステップ
ステップ1. セールスファネルの入り口を変える
彼らがまず着手したのは、セールスファネルの入り口部分でした。
これはトップ・オブ・ファネルの部分です。
まずは、彼らのサイトに初めてやってきた人たちのコンタクト情報を取る仕組みを作りました。
その中でも有効だったのが、ポストカードのサンプルを配布することです。
次のようなランディングページを作り、PPC広告やダイレクトメールからリードを集めました。
ステップ2. ステップメールを設定する
次に彼らが作ったのは、ステップメールのキャンペーンでした。
ポストカードのサンプルを請求した人たちに対して、継続的にステップメールを送ることによって、コンタクト回数を増やしていきます。
1通目のメールでは、ほかの会社での成功例を簡潔に伝えます。
“あなたの業界では、ポストカードを使うことは有効ではないと思われているかもしれません。
しかし、この結果をご覧ください。
6000枚のポストカードを配り、70の新しいクライアントが見つかりました。
平均して、それぞれが400ドルの仕事になります。
私たちはクライアントの結果まで追いかける唯一の会社です。
ほかの会社でどのようにおこなっているのかをお話したいと思います。
こちらの番号に電話してください。”
そして、最初の1ヵ月目は3日ごとに、役に立つコンテンツを中心としたメールを送ります。
2ヵ月目からは1週間ごとにメールが減り、3ヵ月後には、ステップメールが終わります。
その後は、Postcard Maniaが定期的に発行している、ウィークリー・ニュースレターが送られるようになります。
つまり、彼らは、通常のメールマガジンとしてウィークリー・ニュースレターを全リストに毎週配信している一方で、新規でセールスファネルに入ってきた人には、3ヵ月に渡ってステップメールを自動送信していることになります。
ステップ3. 電話対応の原稿を作る
彼らの場合、最終的な成約は電話によることが多いそうです。
ウェブフォームからコンタクトしてきた人たちの成約率は5%に過ぎませんが、さらに電話をかけてきた人の成約率は19%だそうです。
そのため、それぞれのメールには、電話を促す文言が入れてあります。
業種によっては、最後の成約は必ずしもオンラインでの申し込みとはならないこともあります。
ただ、その場合であっても、成約する直前までは、彼らのようにステップメールで導くようにするとよいでしょう。
さて、彼らの場合、セールスファネルを導入したことによって、電話による成約は従来よりも容易になりました。
なぜならば、ステップメールを経て問い合わせてきた人は、すでにニーズが顕在化しており、Postcard Maniaに対する信頼や情報も持っているうえで電話をかけてくるからです。
そのため、余計な説明やセールスは不要になりました。
そこで彼らは電話対応の原稿も作りました。
これまでは電話対応にスキルが求められたため、原稿にすることはできませんでした。
しかし、セールスファネル導入後、セールスファネルを経てから電話をかけてくる人に対しては、ある程度決まった電話対応で成約へと導けるようになったからです。
セールスファネル導入後の成果
このようにセールスファネルを整備した結果、単に電話番号と問い合わせフォームを設置していた状態から、電話による問い合わせ件数は70%も増加したそうです。
ごく単純に考えると、売上も70%くらい増加していることになります。
また、成果はそれだけではありませんでした。
ステップメールを導入したことによって、作業が大幅に削減されたそうです。
特に大きかったのは、これまで毎週末おこなっていた会議がなくなったことでした。
この会議では、その週に配信したメールマガジンの成果を測定し、次週はどのような内容でメールを出そうか、ブレインストーミングしていたそうです。
この方法だと、毎週プレッシャーがかかる上、たまたま内容が良かった週は売上が上がり、内容が良くなかった週は売上が下がる、という不安定な状態が続きます。
しかし、ステップメールを導入したところ、毎週、内容を考える必要がなくなりました。
かつ、誰に対しても同じメールが同じ順序で配信されるので、売上の予測が非常に立てやすくなったのです。
彼らが成果をあげたもう1つの要因として、リードの質を保っていたことが挙げられます。
ポストカードを無料で配布すると、有料サービスにはまったく興味がない人たち、いわゆる「冷やかし客」が増えることになります。
そういった人たちと電話をしていては、時間の無駄になってしまいます。
そこで、集まったリードの中から定期的に有効でないリード、たとえば、メールアドレスが不適切なものや、名前や社名が適当に書いてあるものを削除していったそうです。
そして、質の高いリードだけが残るようにしていきました。
そうすることによって、非常に効率的なセールスがおこなえるようになったのです。
その3. Student Beans社のセールスファネル成功事例
こちらの成功事例は、オファーを変え、ステップメールを導入したことで売上が上がった事例です。
Student Beansはイギリスのサイトで、学生向けに様々な商品を紹介しているサイトです。
彼らは各メーカーの商品を紹介することによって、紹介料を得るというモデルでビジネスをしています。
簡単に言うと、学生向けに特化した、アフィリエイトサイトと言えます。
彼らは新規訪問者に対して、6通のステップメールを送ることによって、売上を13%向上させました。
セールスファネル導入前の問題点
彼らの売上のほとんどは、毎週発行しているニュースレターから生まれていました。
そして、わかったことは、ニュースレターに登録したばかりの人ほど商品を購入しやすい、ということでした。
つまり、なるべく早い段階で、もっと効果的に購入を促すことによって、売上が上がると見込んだのです。
彼らのこれまでのメールマーケティングは、以下のようなシンプルなものでした。
- ニュースレター登録直後に登録確認メールを送信する
- 登録24時間以内にウェルカムメールを送信する
- 週1回のニュースレターを送信する
そこで彼らが目をつけたのは、ウェルカムメールでした。
セールスファネルを作るステップ
ステップ1. ウェルカムメールの回数を6回にする
彼らは、これまで1通しか送っていなかったウェルカムメールを、6日連続で送ることにしました。
つまり、登録したばかりの人に対して、コンタクトする回数を増やすことによって、売上を上げようと考えたのです。
ステップ2. オファーの内容を変更する
そして、ウェルカムメールで紹介するオファーも考え直しました。
これまで、特に脈絡なく商品をオファーしていましたが、「人気があるもの」「収益性が高いもの」の2つの軸にもとづき、オファーを変えることにしたのです。
ステップ3. 記事コンテンツを増やす
ウェルカムメール、そして毎週のニュースレターに、オファーだけではなく、役に立つ記事コンテンツを入れるようにしました。
学生なので、主には「お金を節約する方法」を紹介する記事にしました。
そのような記事コンテンツを入れたところ、メール内リンクのクリック率が平均して2倍になったそうです。
ステップ4. ウェルカムメールを設定する
次に、具体的にウェルカムメールを作る作業です。
こちらが1通目のウェルカムメールの例です。
1通目のウェルカムメールでは、これから6日間に渡ってメールを送ることを伝え、15個のオファーを掲載しました。
そのオファーは、先ほど紹介した「人気があるもの」「収益性が高いもの」という2つの軸で選んだものです。
2通目からは次のように、1通につき1つのオファーを紹介していきます。
ステップ5. テストと改善をおこなう
このように6通のウェルカムメールを設定すると、開封率とクリック率をチェックすることにより、どのオファーの反応が良いのかがすぐにわかります。
したがって、反応が良いものは残し、悪いものは入れ替えるという判断がすぐにできます。
そのようにして、売上の改善を継続的におこなっていきました。
セールスファネル導入後の成果
前述したステップメールを設定後、ウェルカムメールからの売上はこれまでと比較して13%向上し、そして週に1回のニュースレターの開封率は、なんと66.7%も向上したそうです。
これはウェルカムメールを6日連続で送ることにより、Student Beansのことが記憶に焼きつくようになり、メールを読む癖がついたことが理由だと考えられます。
Student Beansのように大量の商品を扱っている場合は、TAB社やPostcard Mania社の事例でご紹介したとおり、1つの商品の成約に向けてセールスファネルを構築することは、やりにくいかもしれません。
商品ごとにセールスファネルを作っていては、膨大な手間がかかってしまいます。
しかし、Student Beansの事例のとおり、コンタクト回数を増やし、サイトや会社自体をより深く知ってもらうことによって、全体的な売上を高めることもできます。
セールスファネルの作り方 実践の4ステップ
こちらでは実際に、有効に機能するセールスファネルを作る4ステップをご紹介します。
ステップ1. 必要なコンテンツを書き出す
まずは、見込み顧客が抱く感情を考え、必要なコンテンツを書き出していきましょう。
成約するためには、いったいどのような情報が必要なのかを考えます。
基本的には、冒頭でご紹介したセールスファネルの基本形に合わせて、最低限3つのタイプのコンテンツが必要とされます。
その1. 問題を認識してもらうためのコンテンツ
まずは、あなたが扱っている商品やサービスに、ニーズを感じてもらう必要があります。
スペースプランニング専門のTAB社の場合であれば、「うちの会社にもスペースプランニングが必要だ」と感じてもらわない限り、いくら商品やサービスの説明をしても無駄になってしまいます。
また、ウェブ制作会社の場合であれば、見込み顧客には、「今のままのウェブサイトではダメだ」と感じてもらう必要があります。
見込み顧客には「今のままではダメだ」と感じてもらって初めて、彼らはどのウェブ制作会社に頼むかを検討します。
たとえば、「ウェブサイトによくある10個の間違い」などのようなコンテンツをPDFレポートにしたり、メール講座にするとよいでしょう。
そのコンテンツの中で、「今のウェブサイトではダメだ」と感じてもらうようにします。
また、歯科医の方であれば、同じように「虫歯でなくても歯科医に行くべき5つの理由」などのコンテンツを作り、ニーズを掘り起こすとよいでしょう。
このような問題を認識してもらうためのコンテンツは、トップ・オブ・ファネルに設置します。
つまり、サイトに最初に訪れた人にPDFレポートや動画、メール講座で提供するのです。
その2. 他社との比較コンテンツ
次に、ミドル・オブ・ファネルに設置するコンテンツ、他社との比較コンテンツを用意しましょう。
これもセールスファネルを作るうえで、必須のコンテンツです。
ここでは、ニーズを感じてもらった人に対して、「あなたを選ぶ理由」を提供する必要があります。
たとえば、先ほどのウェブ制作会社の例であれば、「ウェブ制作会社を選ぶときの7つのチェックポイント」や「こんなウェブ制作会社には要注意」などの記事コンテンツを用意するとよいでしょう。
そのコンテンツの中で、自社が他社に比べて優位であることを暗に伝えます。
他社との比較コンテンツは、ステップメール1通では収まらないことが多いでしょう。
特に複雑な商品やサービスの場合には、見込み顧客にたくさんの情報を提供する必要があります。
そのため、3~4通のステップメールに分けてもよいでしょう。
たとえば、以下のような内容のステップメールです。
1通目:「ウェブ制作会社を選ぶときの7つのチェックポイント」
2通目:「自社ブログと無料ブログ、どちらがよいのか?」
3通目:「ウェブ制作の価格相場はどれくらいか?」
このように重要なポイントを複数のメールで分けて配信することで、たくさんの情報を順序だてて配信することが可能になります。
その3. 投資効果を判断してもらうためのコンテンツ
次に、投資効果を判断してもらうためのコンテンツです。
これはボトム・オブ・ファネル、つまり、成約にいたらせるためのコンテンツです。
ここでもっとも説得力があるのは、成功事例を紹介することです。
「売上が上がった」「節約できた」「○○が治った」「○○が成功した」などの具体的な事例は、投資効果を判断してもらうために最適です。
ステップ2. フローチャートを作る
提供するコンテンツのイメージがついたら、セールスファネルのフローチャートを作ることをおすすめします。
フローチャートとは、何かをおこなう手順を図にしたものです。
フローチャートを作る専用のソフトウェアもありますが、まずはノートに手書きで充分でしょう。
具体的には、次のように書いてみましょう。
このように、具体的にメールを書き始める前に、流れを整理しておきます。
そして、セールスファネルが完成して稼動し始めたら、成約率や開封率などのデータを入れていきましょう。
データが入ってくると、どこに問題があるのかが一目瞭然です。
冒頭でお伝えしたとおり、継続的に改善が可能になるのです。
ステップ3. ランディングページやステップメールを作る
最後に、具体的にメールなどの制作活動をおこないます。
ステップ1で伝えるべきコンテンツが明確になり、ステップ2で全体の流れが把握できていれば、それほど難しくないでしょう。
なお、この場合、通常のテキストメールのほかに、HTMLメールで配信する方法もあります。
HTMLメールであれば開封率もチェックできますし、平均してクリック率が上がりやすいという傾向があります。
ステップ4. 効果を計測して改善する
セールスファネルは一度作って終わりではありません。
できれば、数ヵ月に一度くらいは、統計データを分析し、改善していくとよいでしょう。
具体的には、次のような点です。
その1. オプトインページの成約率
見込み顧客を獲得する段階で、オプトインページ(オプトインさせるランディングページ)の成約率が悪ければ、ヘッドラインや無料オファーを変更します。
その2. ステップメールの開封率
配信したステップメールの中で開封率が低いメールは、件名を変えます。
その3. ステップメールのクリック率
クリック率が低いメールは、内容をすべて変えるか、テキストリンクの文章を変えます。
その4. セールスページの成約率
最終的な商品販売の成約率が悪い場合には、セールスページのヘッドラインや電話対応の原稿を変えます。
細かいようですが、以上の数字それぞれが、最終的な売上の額に影響していきます。
先ほど作ったフローチャートを見ながら、改善ポイントを探していきましょう。
まとめ
最後に、本記事でご紹介した、セールスファネルを導入した3社の成功事例から、重要なポイントをまとめておきます。
まず、「セールスファネルを導入した3社の成功事例」は、以下のとおりでした。
セールスファネルを導入した3社の成功事例
TAB社の成功事例のポイント
- 商品が複数ある場合には、セールスファネルを分ける
- 見込み顧客が購入にいたるまでの段階や心理状態を把握する
- 購入にいたる段階に合わせてコンテンツを作成する
Postcard Mania社の成功事例のポイント
- 可能な限り、オンライン上またはメールで、購入に必要な情報を得られるようにする
- 最終的な成約は、必ずしもオンラインではなく、電話や対面のほうが効果が高い可能性がある
Student Beans社の成功事例のポイント
- メールに登録したばかりの人に対して、接触回数を増やす
- もっとも反応の良いオファーを最初に提案する
- 継続的にテストして、改善する
そして、「セールスファネルの作り方 実践の4ステップ」として、以下の4ステップをご紹介しました。
セールスファネルの作り方 実践の4ステップ
ステップ1. 必要なコンテンツを書き出す
ステップ2. フローチャートを作る
ステップ3. ランディングページやステップメールを作る
ステップ4. 効果を計測して改善する
以上、本記事でご紹介した具体的な方法を参考にしながら、あなたならではのセールスファネルを構築してみてください。
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「ネットマーケティング戦略とは?8つの戦術と高収益を生む3つの方法」
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リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
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