ソートリーダーシップとは?3事例とソートリーダーになる5ステップ
あなたは、「特定の専門分野に関する第一人者として社会やお客様から注目されたい」と思っても、実際にどのようにすればよいかわからない、といった悩みを抱えていませんか?
そんなあなたには、今、海外でも注目されている「ソートリーダーシップ(Thought Leadership)」という概念を理解し、実践することをおすすめします。
特定のジャンルや業界において、誰もが一目置くような影響力と存在感のある人物のことを、「ソートリーダー(Thought Leader)」と呼びます。
そして、このようなソートリーダーとなり、あなたのビジネスに良い影響をもたらすマーケティング手法が、「ソートリーダーシップマーケティング」です。
もしもあなたが特定の専門分野で第一人者として注目されるようになれば、ビジネスでも確実に良い影響が生まれるようになります。
なぜなら、人は専門家やエキスパートの意見を重視しているため、ひとたび信頼できることがわかれば、「ぜひこの人に仕事を依頼したい」と考えるようになるためです。
そこで本記事では、「ソートリーダーの種類とソートリーダーになるメリット」「ソートリーダーシップを実現する海外のソートリーダー」「あなたがソートリーダーになるための5ステップ」といった内容を中心にご紹介します。
これらの情報をご覧いただければ、あなたはソートリーダーシップマーケティングを実践するための具体的なノウハウを知ることができます。
そして、ソートリーダーシップマーケティングを実践できれば、あなたは顧客から尊敬され、業界内での評判が高まり、その結果として売上アップが期待できるようになるはずです。
ぜひ、この新しいマーケティング手法を参考にしてみてください。
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目次
ソートリーダーシップマーケティング 概要
本記事のテーマは、「ソートリーダーシップマーケティング」です。
ソートリーダーシップマーケティングとは聞きなれない言葉かもしれませんが、今、海外で重要視されているマーケティング手法です。
もしもあなたが個人として、あるいはあなたの企業でソートリーダーシップマーケティングを実践できれば、顧客から尊敬され、業界内での評判が高まり、業績アップが期待できるようになります。
まず、この言葉の由来から説明します。
「ソート(Thought)」とは、思考を意味します。
「リーダーシップ(Leadership)」とは、人をリードし、導いていくという意味です。
この2つを掛け合わせたものが、「ソートリーダーシップ(Thought Leadership)」です。
これはもともと、Strategy+Business誌の編集長、ジョエル・クルツマン(Joel Kurtzman)氏が1994年に提唱した概念です。
そして、特定のジャンルや業界において、誰もが一目置くような影響力と存在感のある人物のことを、「ソートリーダー(Thought Leader)」と呼ぶようになりました。
Wikipediaでは、以下のように定義づけられています。
“ソートリーダーとは、特定の専門領域において権威として認識されている個人または法人である”
出典:Wikipedia
もうひとつの考え方としては、ある特定の業界において新しい思想や概念、考え方を提唱し、率先して普及させるような人物や企業のことも指すとされています。
また、ソートリーダーと似た意味で使われているのが、「インフルエンサー(Influencer)」です。
Wikipediaでは、以下のように定義づけられています。
“インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物である”
出典:Wikipedia
そのため、あなたがソートリーダーになるということは、インフルエンサーになることと同じような意味をもつとも言えるでしょう。
本記事では、ソートリーダーシップマーケティングとは何かについて、そして海外におけるソートリーダーたちの事例をご紹介します。
また、あなた自身がソートリーダーとして活躍するための5つのステップを解説していきます。
インターネットの世界では、「注目度=アクセス」という等式が成り立ちます。
あなたやあなたの会社がソートリーダーとして市場から常に注目される存在になれば、それだけウェブサイトへのアクセスは増え、売上向上にもつながっていきます。
ぜひ、本記事の内容を参考にして、ソートリーダーシップマーケティングを実践してみてください。
ソートリーダーの種類とソートリーダーになるメリット
TEDで講演するソートリーダーたち
もしもあなたがすぐに優れたソートリーダーを探したければ、「TED(テッド)」のウェブサイトをご覧ください。
TEDとは、Technology Entertainment Designの略称で、アメリカのカリフォルニア州で年に1回、大規模な世界的講演会を主催しているグループです。
TEDが主催している講演会の名称をTED Conference(テッド・カンファレンス)と言い、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションをおこなっています。
出典:TED
社会心理学のソートリーダーとして活躍するエイミー・カディ氏
たとえば、こちらは社会心理学におけるソートリーダーの一人として著名なエイミー・カディ(Amy Cuddy)氏のTEDにおける講演映像です。
出典:TED『YOUR BODY LANGUAGE MAY SHAPE WHO YOU ARE』
彼女は社会心理学的な見地から、ボディーランゲージの重要性について語っています。
自信を持つ姿勢「パワー・ポージング」がいかにして人へ影響を与えるのか、そして自分自身の成功にすら影響を及ぼすのかスピーチしており、本記事執筆時点で5,400万回以上も再生されています。
これは一例ですが、TEDのウェブサイトを見てみると、実に多くのソートリーダーたちが存在することが理解できます。
ただし、TEDでスピーチをおこなうことは極めて狭き門であり、こちらで講演しないとソートリーダーになれないわけではありません。
そこで、私たちがソートリーダーになってマーケティングに活用していくためには、自分が決めたジャンルで、ある一定数以上の支持者から認められていくことを目指していきます。
2種類のソートリーダー
なお、ソートリーダーには、2種類のソートリーダーが存在すると言われます。
ひとつは、「個人型ソートリーダー」です。
コーチとして世界的に有名なアンソニー・ロビンズ氏
たとえば、自己啓発やコーチングの分野で世界的に有名なソートリーダーとして、アンソニー・ロビンズ氏が挙げられます。
アンソニー・ロビンズ氏の場合は、個人名がそのままブランドになっているようなタイプです。
もしもあなたがコンサルタントや著名な社長として活躍している場合は、このように特定の分野で個人名を前面に出していくパターンが考えられます。
アップル製品のデザインを担当したジョナサン・アイブ氏
もうひとつは、「企業型ソートリーダー」です。
これは、社長自身が個人型ソートリーダーにならなくても、企業内に1人以上のソートリーダーを育てていくことによって企業自体がソートリーダーとなり、評判を高めていく方法です。
たとえば、アップルは、デジタル家電製品における企業型ソートリーダーと言えます。
機能性はもちろんのこと、アップル製品は優れたデザイン・センスで圧倒的な競争力をもちます。
アップルではスティーブ・ジョブズ氏自身も傑出したソートリーダーだったと言えますが、そのほかにも大勢の優れたソートリーダーを社内に抱えています。
たとえば、iMac、MacBook、iPod、iPhone、iPadなど現在の主要アップル製品のデザインを担当したデザイナー、ジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)氏は、独自性の高いデザインを生み出し、アップルの企業価値を大きく高めたと言えるでしょう。
出典:Wikipedia
仮にあなたが会社を経営していて、多忙を極めていたとします。
その場合、あなた自身が専門的な情報発信を継続することは難しいかもしれません。
ところが、社内に1人以上のソートリーダーとなる人材を育てられていれば、その人物たちが発信する情報や価値のおかげで、企業の評判を高めていくことが可能になるのです。
ソートリーダーになるメリット
ソートリーダーシップマーケティングとは、ある個人が特定の業界・ジャンルにおいて思想的影響力のある人物になり、それによってマーケティング上のメリットを得ていくことを意味します。
このメリットとしては主に、信頼性や権威性の獲得、レピュテーションマネジメント、パーソナルブランディング、見込み顧客の増加と成約率の向上などが挙げられます。
信頼性と権威性の獲得
特定のジャンルにおいて専門的かつ有益な情報を提供し続けていれば、ソートリーダーとして信頼性と権威性を獲得することができます。
たとえば、後述するアメリカのマーケティング界におけるソートリーダーの一人、セス・ゴーディン氏は、すでに10年以上、ほぼ毎日ブログを書き続けています。
ソートリーダーに共通していることは、ある特定の分野を決めたら、ブログやウェブサイト、YouTubeといった自分に合ったメディアを通して、有益な情報を一定のペースで公開していることです。
もちろん、あなたの情報を通して信頼を獲得し、その分野で一流の人物だと認めてもらえるためには、時間がかかります。
しかし、優れた情報発信を地道に継続することによって、
「この分野でわからないことがあれば、あの人のブログを見ていればよい」
「このテーマについては、あの人のレポートを読んでいればよい」
と思ってもらうことができるようになります。
この活動がソートリーダーとして認められる第一条件となります。
逆に言えば、ある1つの専門分野で有益な情報を継続的なペースで発信できる人物は極めて少ない、とも考えられるでしょう。
だからこそ、ソートリーダーは信頼性や権威性を獲得できる、とも言えます。
レピュテーションマネジメント
個人や企業の評判のことを、「レピュテーション(Reputation)」と言います。
そして、「レピュテーションマネジメント」とは、市場や顧客からの評判という無形資産をより良く管理するための方法です。
あなたやあなたの会社の社員が業界におけるソートリーダーの一人であれば、このレピュテーションマネジメントをおこなううえで、大きな影響力が生まれます。
ソートリーダーが発信する信頼性の高い情報は、より良い企業イメージを作っていくことが可能になるためです。
パーソナルブランディング
「パーソナルブランディング」とは、ある個人について、特定のイメージや印象を人々の中に築き上げる継続した行為です。
ソートリーダーになると、その発言が業界内で常に注視される個人として有名になっていくため、このパーソナルブランディングにも成功できるようになります。
見込み顧客の増加と成約率の向上
たとえば、あなたが業界で注目されるようなソートリーダーになったとします。
そこで何が起こるかというと、あなたの名前や組織名が検索されるようになります。
すると、検索エンジン経由で、あなたのウェブサイトへのアクセスが増加するようになります。
そして、アクセスの増加とともに、ウェブサイトに設置したオプトインフォームから見込み顧客情報(リード)を獲得できるようになります。
また、すでにソートリーダーとして信頼されていれば、あなたが案内する商品やサービスも無名の人物が案内するよりも、高い成約率が得られることがわかっています。
大きくまとめると、以上の6点がソートリーダーになるメリットと考えられます。
ソートリーダーシップを実現する海外のソートリーダー
本記事では、海外のソートリーダーたちの中で、マーケティングというジャンルを中心に、どのような人物がいるのか、ご紹介していきます。
彼らが持つウェブサイトのリンクもご紹介していきますので、どのように情報発信を進めているのか、参考までにご覧になってみてください。
1. セス・ゴーディン氏(個人型ソートリーダー)
出典:Seth Godin
セス・ゴーディン氏は「パーミション・マーケティング」の提唱者で、マーケティング界のオピニオンリーダーの一人です。
彼は米国Yahoo!社のダイレクト・マーケティング副社長を務めていたこともあり、「アメリカでもっとも優秀なマーケティング戦略家」とも評されています。
現在はビジネス書作家、ブロガーとして活躍しており、ソートリーダーとして常にその言動が注目される一人です。
彼は本記事執筆時点で18冊のベストセラー著作をもち、日本でも以下のような書籍が何冊も出版されています。
出典:『パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへ』セス・ゴーディン (著)
出典:『「型を破る人」の時代』セス・ゴーディン (著)
出典:『セス・ゴーディンの出し抜く力』セス・ゴーディン (著)
セス・ゴーディン氏から学ぶソートリーダーシップ「出版戦略」
セス・ゴーディン氏は、彼の思想をどのように伝えているのでしょうか。
彼のひとつの大きなソートリーダーシップ戦略は、出版です。
そして、彼の出版の基礎となるものがブログである、と本人が述べています。
セス・ゴーディン氏はマーケティングやリーダーシップに関するブログをほぼ毎日更新しています。
そのブログ記事をベースとして、出版化できると考えたものは次々と紙書籍やeBookとして書籍にしていくそうです。
すでに18冊の出版と、無数のeBookを市場に普及させているセス・ゴーディン氏がソートリーダーになれたのは、そのマインドの違いにあると考えられます。
一般的に、出版をおこなうのは収益を得ることを第一の目的にする人が多いものです。
ところが、セス・ゴーディン氏は収益を得るために出版するのではなく、信頼性を獲得し、自分のアイデアを普及させるために書く、という考え方を持っているそうです。
出典:SETH’S BLOG
出版は体系だった情報を人に伝えられる手段となりますので、ソートリーダーには欠かせない方法です。
ただし、「大ヒットさせるために、どのような本にしなければならないのか?」という思いが先行してしまうと、本来伝えたかったメッセージがぶれる可能性もあります。
そのため、「世の中に自らの思想を広めていく」という姿勢を大切にして、まずは肩の力を抜いてブログに情報を書き綴っていくことの重要性を説いています。
もちろん、紙書籍として商業出版を実現させることは容易ではありません。
企画書を出版社に通してから、市場に流通するまで1年、2年かかることはよくあります。
ただし、現在は電子書籍のような短期間で簡単に出版できる方法も普及しています。
電子書籍といっても、Amazon Kindleストアで販売される場合には、表紙デザインを整えれば、商業出版された紙書籍と比較しても遜色はありません。
本ブログの『電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ』の記事でもお伝えしたとおり、今は簡単に電子書籍を出版して著作を増やしていくことが可能な時代になっています。
電子出版をおこなえば、その中から出版社の目にとまるものが生まれ、いずれ紙書籍でも商業出版できる可能性もあります。
ソートリーダーの多くが、ブログで継続的に情報を発信することを習慣化しています。
セス・ゴーディン氏は、ブログ記事を書き溜めながら、その中で書籍に向いていると判断できるコンテンツに関しては、出版化を進めることが有効だと説きます。
出版を通して、より多くの人々に自分の思想を広げていくというのは、彼がもっとも大切にしている戦略のひとつです。
2. マリ・スミス氏(個人型ソートリーダー)
出典:Mari Smith
マリ・スミス(Mari Smith)氏はソーシャルメディアのエキスパートであり、その中でも特にFacebookマーケティングに関して知名度の高いソートリーダーです。
アメリカのForbes誌で、彼女は4年連続で全米トップ10のソーシャルメディアインフルエンサー(ソーシャルメディアを通して影響力の高い人物)である、と評価されています。
また、マリ・スミス氏は著書として、『The New Relationship Marketing』や『Facebook Marketing』を執筆しています。
出典:『The New Relationship Marketing』Mari Smith (著)
出典:『Facebook Marketing』Mari Smith (著)
マリ・スミス氏はもともと12年間、マーケティングやインターネット関連の仕事をしていましたが、2007年からソーシャルメディアに焦点を絞り、情報を発信し始めたそうです。
ソーシャルメディアに関して人気の高いソートリーダーである彼女のトレーニングは、受講したクライアントのアクセス増加、見込み顧客獲得、成約率向上に貢献しているそうです。
マリ・スミス氏から学ぶソートリーダーシップ「スピーチ戦略」
マリ・スミス氏のソートリーダーシップの大きな強みは、スピーチです。
講演でのスピーチをはじめ、オンラインでも多数のウェビナーを開催して、大勢の前で話す機会を増やしています。
出典:Mari Smith
マリ・スミス氏は、これまで30名から最大25,000名の聴衆を対象にしてスピーチをおこなってきたそうです。
なお、海外の個人型ソートリーダーのウェブサイトを見ると、必ずといってよいほど、「スピーカーとしての依頼」を受け付けるページが用意されています。
ソートリーダーとして活躍する人物たちの大きな特徴のひとつが、スピーチを積極的におこなっていることです。
スピーチを中心としたプレゼンテーションは、出版同様、より多くの人々に影響力を及ぼすことが可能です。
マリ・スミス氏の場合も、ウェブサイトに彼女のスピーチがいかに魅力的かということをアピールするスピーチの受付専用ページが設けられており、まるでセールスレターのような構成になっています。
ページの中では、実際に彼女の講演がどのような内容なのか理解できる多数のサンプル動画まで用意されています。
現在、彼女の講演料は最低でも約180万円するそうですが、講演の予約はどんどん埋まっていくそうです。
もちろん、彼女も最初からここまで高いフィーをチャージすることはできませんでしたが、講演活動を継続し、知名度が上昇するとともに、現在の地位を築けるようになったそうです。
このように、あなたがソートリーダーとして市場に認められるためには、講演やスピーチの機会を積極的に増やしていくことをおすすめします。
3. マイク・ステルツナー氏(企業型ソートリーダー)
「Social Media Examiner(ソーシャルメディア・エグザミナー)」は、米国のソーシャルメディア界でもっとも有名なブログのひとつです。
最先端のソーシャルメディアに関する情報が掲載されているので、こちらの情報をフォローしておくだけでも、新しいトレンドをいち早く知ることが可能です。
このブログの設立者が、マイク・ステルツナー(Mike Stelzner)氏です。
彼は、このSocial Media Examinerを創設したことにより、企業型ソートリーダーシップを成功させています。
マイク・ステルツナー氏は「ソーシャルメディア」というニッチに絞り込んだブログを運営して成功しました。
単にインターネットマーケティングというジャンルだと、実に幅広いテーマを取り扱う必要が生まれます。
そこで彼は、インターネットマーケティングの世界で、しばらく需要が尽きることがないと考えられている人気の高い「ソーシャルメディア」というニッチテーマに焦点を当てたのです。
マイク・ステルツナー氏から学ぶソートリーダーシップ「プラットフォーム戦略」
マイク・ステルツナー氏の戦略は、彼自身がソートリーダーを目指すのではなく、Social Media Examinerというプラットフォーム自体をソートリーダー化したことです。
彼自身もこのブログに記事を投稿しますが、実際は複数の優れた寄稿者が持ち回りで投稿する記事により、このブログは成り立っています。
そのため、彼が常にすべての記事コンテンツを作成する必要はないにも関わらず、Social Media Examinerにはソーシャルメディア関連の専門家による秀逸なコンテンツが読めるようになっています。
この方法には、プラットフォームのオーナーであるマイク・ステルツナー氏自身、そして記事提供者の両方にとってメリットがあります。
マイク・ステルツナー氏自身はプラットフォームオーナーとして寄稿者のネットワークを作ることによって、バラエティに富んだコンテンツを提供できます。
そして、ブログの価値をどんどんと高めながら、市場の注目を集めることができます。
コンテンツ提供者からしてみれば、権威をもつブログに自分の記事を投稿することで名前を売り、多くの人に注目してもらえる最高の機会になります。
各記事に著者紹介という欄があれば、そのリンクから投稿者個人のウェブサイトにもアクセスを誘導することが可能になり、ソートリーダーとして認知してもらうこともできます。
実際に、Social Media Examinerでは、各記事の最後に、必ず著者紹介の欄が設けてあります。
出典:Social Media Examiner 『5 Ways to Improve Your Facebook Contests』
この中では、著者の紹介と合わせて、これらの著者が運営、または所属する企業へのリンクも紹介されています。
優れた記事であれば、その著者に興味をもった読者がウェブサイトにアクセスする事も期待できます。
このように、プラットフォームはコンテンツを提供してもらいながらブランディングすることができ、寄稿者も注目を集めることができるという、WIN-WINの関係が結べるのです。
これらの活動を通して、Social Media Examinerは全米のソーシャルメディア業界のソートリーダーとして成功しました。
その結果、Social Media Examinerが毎年開催する大型イベント、「SOCIAL MEDIA MARKETING WORLD」という約15万円の高額なイベントの集客にも成功しています。
出典:Content Marketing Recap from Social Media Marketing World 2014 #SMMW14
マイク・ステルツナー氏が取った方法は、あなたの会社でも実践できる可能性があります。
これは、あなたの業界において、需要の尽きることのないと考えられるニッチテーマを選び、そのテーマに関するブログプラットフォームを作るということです。
そして、複数の寄稿者によるコンテンツでソートリーダーシップを発揮していく方法です。
あるテーマについて、自分自身で頻繁に情報を更新するとなると、多大な労力がかかります。
たとえば、多くの個人型ソートリーダーは週に3本~7本といった更新頻度でブログ記事を書くことがあります。
当然ながら、ソートリーダーとしての情報にはクオリティが求められます。
あなたが実業をおこなっている場合は、この情報コンテンツの作成が大変な負荷になります。
そのため、あなたのほかに6人の協力者を募り、あなたは週に1本、そしてそのほかの人も、それぞれ週に1本ずつの記事を更新してもらうという形をとるのです。
この形式であれば、それぞれの情報発信量の負担は毎週1本となりますので、負担が大きく減ることになります。
この場合、プラットフォームとしては毎日記事を更新していることになるため、検索エンジン上でも記事がヒットする確率が増え、アクセスも期待できるようになります。
もしも自分一人で情報発信を継続することが難しい場合は、この方法を試すようにしてみてください。
あなたがソートリーダーになるための5ステップ
1. ソート・テーマを決める
あなたがソートリーダーとして活躍するために大切なことは、「ソート・テーマ」を決めることです。
ソート・テーマとは、あなたがこれから発信していく情報におけるメインテーマです。
「このような人に自分の考えを伝えていきたい」というターゲットが決まったら、その人々にとって役に立つコンテンツを提供していく必要があります。
そのためには、発信する情報を「大きな市場の中のニッチなテーマ」に絞り込むとよいでしょう。
「ニッチ」とは「ニッチ市場」に由来していて、これは市場全体の一部を構成する特定のニーズ(需要・客層)をもつ規模の小さい市場のことを指します。
一般的に、テーマの幅を絞り込めば絞り込むほど、専門家として目立ちやすくなります。
また、テーマを絞ったほうが自分の得意分野で深掘りできるため、コンテンツの質も高くなりやすいものです。
そこで、隙間市場とも言えるニッチなテーマに焦点を当てて絞り込むのです。
ただし、いくらニッチと言っても、まったく需要がない市場のニッチでは、その情報を知りたいという人の絶対数が少なくなります。
そのため、すでに大きな市場が存在している中でのニッチなテーマを取り扱っていきます。
前述したように、インターネットマーケティングという大きな市場で情報を発信するのであれば、ソーシャルメディア、動画、PPC、SEOなど、対象を絞り込んだほうがよいということです。
これからあなたが発信していくソート・テーマは何にするのか、まずはその点をしっかりと考えるようにしましょう。
2. ソートリーダー・モデルを決める
次に、あなたが専門的な情報を発信すると決めたジャンルで、すでに著名なソートリーダーをリサーチします。
すでに評判が高いソートリーダーが何人かいれば、自分にとってもっともタイプが合うと思える人物を「ソートリーダー・モデル」として参考にするとよいでしょう。
そして、その人物について、以下のような情報を確認してみます。
- 自分のプロフィールをどのように編集しているか?
- 過去の実績やクライアント情報はどのように掲載しているか?
- ソーシャルメディアではどのように情報発信しているか?
- スピーチや講演はどのように実施しているか?
- 著作があるとすればそれはどのような内容か?
- 商品やサービスのラインナップはどのようなものを用意しているか?
- 見込み顧客情報はどのように獲得しているか?
たいていは、ホームページを確認すれば、すべての情報がまとめられているはずです。
米国ソーシャルメディア界のソートリーダーの一人で、著名なブログ「{grow}(グロウ)」を運営するマーク・シェーファー(Mark Schaefer)氏のウェブサイトは、これらの情報がコンパクトにまとめられています。
参考になりますので、ぜひ実際にウェブサイトにアクセスしてご覧になってみてください。
3. あなたの顧客や潜在顧客が何を欲しているかを知る
ソート・テーマを決め、ソートリーダー・モデルが決まったら、次はあなたの顧客や潜在的な顧客が何を求めているのかを知ることが大切です。
このアプローチは、一般的なコンテンツマーケティングと同じプロセスを辿ります。
ソートリーダーがインターネット上で情報を発信していく際には、ブログやFacebook、YouTubeのようなソーシャルメディアを中心に活用していくことになります。
ここで大切なことは、あなたがソートリーダーとして発信するコンテンツを、顧客が求める「問いへの答え」を中心にしたコンテンツにしていくことです。
顧客が何らかの情報を探すときに、Googleの検索窓で打ち込まれやすいキーワードをコンテンツに散りばめておくことによって、検索結果画面に情報が表示されやすくなります。
その結果として、より多くのターゲットにリーチしやすくなるのです。
そこで、あなたの顧客や潜在顧客はどのような情報を欲しているのか、彼らの「検索需要」を探っていくようにします。
そのために、あらかじめ「Google広告」の「キーワードプランナー」などのキーワードツールを活用して月間検索数や検索されやすいキーワード候補を調べておきます。
検索数や、ともに検索されやすいキーワードの特徴を知ることによって、どのようなコンテンツを作るべきかが明確になってきます。
なお、この検索需要というものは、時が経つにつれてトレンドが変化することがあります。
そのため、定期的に調査し、見直していくことも大切になります。
このような場合、「Googleトレンド」が役に立ちます。
出典:Googleトレンド
仮に、あなたがネットマーケティングのエキスパートとしてソートリーダーを目指すとします。
その場合、どのようなテーマが時流に乗ってきているのかをリサーチする必要があります。
たとえば、「ソーシャルメディアマーケティング」と「コンテンツマーケティング」という2つのジャンルのどちらを重視すべきかを考えたとき、データを見ると判断しやすくなります。
世界的なトレンドを見るために、Googleトレンドで「social media marketing」というキーワードと、「content marketing」というキーワードを比較してみます。
こちらは、Googleトレンドでそれぞれのキーワードを比較した結果となります。
出典:Googleトレンド
「social media marketing」は2008年12月頃から一気に需要が高まっています。
「content marketing」は2013年11月頃に「social media marketing」に追いつく形で右肩上がりの成長を見せています。
このリサーチ結果から、今後は「social media marketing」同様、「content marketing」というキーワードに関する検索需要も増えるという仮説が立てられます。
「social media marketing」と「content marketing」は関係性が深いものなので、ソーシャルメディアが普及するほどにコンテンツマーケティングへの関心も高まるという背景があると考えられます。
ソートリーダーとして時代を先読みするためには、「この先、どのようなキーワードの需要が増えていくのか?」といった見通しを立てることも非常に大切になってきます。
たとえば、2009年の時点でソーシャルメディアマーケティングのテーマを中心に情報発信していった人は支持を得やすかったはずです。
同様に、2013年以降は、コンテンツマーケティング関連のテーマを中心に情報発信した人は支持を得やすかったはずです。
ソートリーダーとしての専門分野は決まっているかと思いますが、中心に据えるキーワードを何にするかという予測は、多くの人から支持を得るうえで大切になってきます。
4. 継続的に情報発信する
ソートリーダーとして活躍するために重要なことが、継続的な情報発信です。
今ならブログ、Facebook、YouTubeといったソーシャルメディアが存在しますが、まずはブログを基盤として、継続的に情報を発信することがよいでしょう。
ブログでは、ソート・テーマについて専門家としての意見、ハウツー記事、独自の調査結果など、顧客の検索需要に応えた記事をアップしていきます。
ブログの中には、画像や音声データ、動画など、コンテンツの理解を深めるために役立つものはすべて活用していくとよいでしょう。
特に、以下のような音声データを記事中に埋め込むことは、音声だけで理解を深めたい人に最適な伝達手段となります。
これは動画編集のような手間もかからないため、簡単にできる方法です。
なお、セス・ゴーディン氏の事例でもお伝えしましたが、書き溜めたコンテンツが集まってきたら、その情報をもとにして出版することも有効な方法です。
もちろん、紙書籍での商業出版ができれば素晴らしいですが、電子出版なら商業出版よりも敷居が低く、スピーディーに出版が可能です。
ソートリーダーであれば、多数の出版物があるということも、権威性を高めるうえで重要な要素になってきます。
ぜひ、出版にもチャレンジしてみてください。
5. ソート・レバレッジをかける
最後に、ソートリーダーシップを発揮するうえで重要なマインドをお伝えします。
前述したセス・ゴーディン氏の出版戦略、マリ・スミス氏のスピーチ戦略にも共通することは、常に1つのアクションに「ソート・レバレッジ(思考のレバレッジ)」がかかるようにしていることです。
ソート・レバレッジとは、自分の思想を広げていくためにおこなう1つのアクションが、1対1ではなく、1対2以上に拡大していくための方法です。
たとえば、「本を書く」という活動は、体系だった知識を多くの人に普及させるために最適な方法です。
これは、一人一人に面と向かって話をするよりも、はるかに効率よく情報を伝達することが可能です。
また、「スピーチをおこなう」という活動も、オンラインでのウェビナー、オフラインでの講演を問わず、たった一度のスピーチによって、多くの人に思想を普及させることができます。
これは、ブログでの情報発信にしても同様です。
たとえば、もしもあなたが自分のブログだけで情報を公開していたら、最初のうちは多くのアクセスが集まりにくいかもしれません。
ところが、すでに有名なブロガーのブログに寄稿できたら、あなたのブログへ多くのアクセスを集めることが可能になります。
これを「ゲスト・ポスト(Guest Post)」と呼びます。
有名な個人ブロガーのブログに寄稿したい場合は、相手に直接連絡することも可能ですが、最初は記事へのコメントを重ねて関係性を築いたうえで、依頼をおこなう方が印象が良いでしょう。
ブログ運営者は、誰でも自分の記事へのコメントを気にしているため、常にコメントをくれる人には関心を持ちます。
また、そのコメント投稿者が優れたコンテンツをもっているということであれば、寄稿を歓迎してくれる可能性も高くなります。
本記事でご紹介したSocial Media Examinerのようなブログに寄稿したい場合は申請が必要となり、過去にあなたが発信したコンテンツの内容が審査されることもあります。
このようなブログへの寄稿は敷居が高いかもしれませんが、審査を通過して、そのブログのガイドラインに沿ったうえで質の高い記事を投稿できれば、かなりのアクセスが期待できます。
このように、他のソートリーダーたちとのネットワークを作り、ゲスト・ポストができるような関係を築くことも、情報発信にレバレッジをかけるうえで有効になります。
ソートリーダーとして活躍するためには、常に1つの行動が最大限の効果を生み出すよう意識して行動することが大切です。
まとめ
本記事では、ソートリーダーシップマーケティングについてお伝えしました。
ぜひ、冒頭でご紹介したTEDのウェブサイトを見直して、どのような人物たちがソートリーダーとして活躍しているのか、ご覧になってみてください。
出典:TED
海外では、本記事でも説明したレピュテーションマネジメントが重視されています。
ある企業において、その専門分野で誰もが認めるソートリーダーが存在すれば、企業の商品やサービスも信頼され、売上につながっていきます。
ただ、ここで注意しておかなければならないことは、ソートリーダーシップマーケティングは時間がかかる、ということです。
今日実行して、明日すぐに成果が出るわけではありません。
1年、2年と活動を続けていくうちに、検索エンジンから来訪する読者も増え、やっと成果が生まれてきます。
また、情報発信を継続する過程であなたのコンテンツがブレイクして、どこかのタイミングで一気に有名になれる可能性もあります。
今、各業界で有名になっているソートリーダーたちも、何年も情報発信を継続して初めて、今の地位を手に入れています。
そのためにも、あきらめずに情報発信を継続することが大切です。
ぜひ、本記事でお伝えした内容を参考にしながら、あなたも業界を牽引するようなソートリーダーになることを目指してください。
きっと、長期的な観点から、売上に貢献するようになるはずです。
なお、本記事のテーマに興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下の記事もお読みになってみてください。
「あなたのパーソナルブランディングを成功させる6ステップと最新事例」
「電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ」
「ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネス活用する5ステップ」
きっと、あなたのお役に立てるはずです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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