ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネス活用する5ステップ
あなたは、お客様の共感を生むストーリーの作り方に悩んでいませんか?
そして、あなたのストーリーに共感したお客様が強力なファンになり、あなたのビジネスを応援してくれる方法があるなら、それを知りたいと思いませんか?
そこでおすすめの方法が、「ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)」という理論です。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)とは、世界の映画市場において、もっとも商業的な成功をおさめているハリウッドの映画業界に大きな影響を及ぼした、と言われる有名な理論です。
世界的に著名な映画監督、たとえば、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・コッポラといった映画監督たちのヒット作も、この理論を参考にしているそうです。
そこで本記事では、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の詳細を解説します。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにしたがえば、あなたのストーリー、あなたの会社のストーリー、あなたの商品のストーリーを魅力的に作ることができるようになります。
そして、このフレームワークに沿って物語を作っていくことで、間違いなくお客様に共感されるストーリーを描くことができます。
また、コピーライティングのスキルを向上させるうえでも、このヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークは必須のノウハウとなります。
本記事の内容をお読みいただければ、あなたはヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)理論をマスターして、お客様の共感を生む方法が理解できるようになります。
その結果として、後世に語り継がれるようなストーリーを作り、より多くのお客様から支持してもらえるようになるでしょう。
ぜひ、こちらでご紹介するヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネスに活用してみてください。
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目次
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)とは
本記事のテーマは、「ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネス活用する5ステップ」です。
ビジネスにネットマーケティングを活用した場合、少ないアクセスからでも成約率が高ければ、売上が上がりやすくなります。
成約率を高くするために、もっとも有効な方法のひとつは、あなた(貴社)が発信するメッセージに対して、お客様から深く共感してもらうことです。
お客様から深く共感してもらうことで、あなたやあなたの会社、あなたの商品を支持してもらえる可能性が高くなり、より深い関係性を作ることができるからです。
そして、お客様から深く共感してもらうためには、あなた(貴社)が発信するメッセージにストーリー性をもたせることが必要です。
マーケティングの専門用語では、このような方法を「ストーリーマーケティング」と表現することがあります。
ストーリーマーケティングは、あなたやあなたの会社、あなたの商品のメッセージをストーリー化(物語化)することによって、お客様の共感を生む手法になります。
本記事では、ストーリーマーケティングの中でも、より高度なヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)というストーリーテリングの手法に焦点を当て、売れるストーリーを作るための方法論について、より詳しく解説していきます。
この手法を取り入れることで、あなたやあなたの会社、あなたの商品について、お客様の共感を生む物語を作ることが可能になります。
また、本記事では、できるだけ早めにご自身のビジネスでストーリーを作れるように、ワークセッション形式の質問もご用意しました。
この質問に答えるだけで、短時間で簡単に、あなたやあなたの会社、あなたの商品のストーリーができあがるようになっています。
これらのストーリーを公開することで、あなたやあなたの会社、あなたの商品がお客様から共感されるようになり、ビジネスで大きな売上が得られるようになるでしょう。
売れるストーリーの作り方を知るメリット
最初に、私たちが売れるストーリーの作り方を知ると、どのようなメリットがあるのか、どのようなことに活用できるかをお伝えします。
まず、ストーリーの方法論というものは、主だったものだけでも以下の5点に活用できます。
- ステップメールのようなプロモーションコンテンツ
- ホームページで発信する企業プロフィールと商品紹介
- ソーシャルメディアのプロフィールとコンテンツ
- 電子書籍・紙書籍のような書籍コンテンツ
- その他、あらゆるコピーライティングでの応用
たとえば、インターネット上で集客を進めるうえでは、最初に「オプトイン」といって、メールアドレスのような見込み顧客の個人情報を、ホームページや専用のオプトインページで集めることになります。
見込み顧客リストを集めたあとは、こちらが伝えたいことをステップメールで順番にメール配信していくことが一般的です。
そして、もしもあなたがここで全10回くらいのストーリーを語ることができれば、どのようなことが起きるでしょうか?
たった10本のメールを読んでもらうだけで、あなたに共感してもらえるようになります。
その結果として、あっという間に、その読者である見込み顧客との距離が縮まるようになります。
次に、ホームページの会社紹介欄に、あなたの会社のストーリーを用意しておく、ということもできます。
同様に、会社の商品紹介ページでも、その商品のストーリーを記載することができるでしょう。
また、私がおすすめしたいのは、ソーシャルメディア、特にブログやFacebook、YouTubeといったメディアのプロフィール欄において、このストーリーを使った自己紹介を記載しておくことです。
ブログやFacebook、YouTubeといった何らかのソーシャルメディアの投稿コンテンツをきっかけにして、人はあなたのプロフィールを見に来てくれるようになります。
そこで、あなた自身のストーリーを読んでもらえれば、あなたに共感してもらえるようになります。
同様に、ブログ、Facebook、YouTubeなどのソーシャルメディアにおいて、連載もののようなプロモーションコンテンツを投稿していくことも可能です。
YouTubeは動画となりますが、実は動画の内容もストーリー形式のシナリオで構成されていますので、同じように活用することができるのです。
さらに、ストーリー形式の電子書籍や紙書籍を書きたいと思った場合でも、活用できます。
もちろん、そのほかのあらゆるコピーライティングの機会において、このストーリーの作り方は役に立てることができるでしょう。
なお、これらの具体的活用方法については、本記事の後半部分で解説します。
それでは、まずはヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)について解説していきましょう。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)というストーリーの黄金則
ハリウッドでは、昔から実に様々な映画が作られています。
その中で、ヒットしている映画に大きな影響を及ぼした、と言われる理論があります。
それが、ジョゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』と呼ばれる書籍の中で書かれたアイデア、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)という理論です。
『千の顔をもつ英雄』ジョゼフ・キャンベル (著)
成功している映画のストーリーは、必ずといってよいほど、このジョゼフ・キャンベルが生み出した理論にもとづいたフレームワークで構成されていると言われています。
世界的に著名な映画監督、たとえば、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・コッポラといった映画監督たちのヒット作も、このパターンを踏襲しているそうです。
スティーブン・スピルバーグ監督
ジョージ・ルーカス監督
フランシス・コッポラ監督
出典:Wikipedia
それでは、世界の映画市場において、もっとも商業的な成功をおさめているハリウッドの映画業界に大きな影響を及ぼした理論について、これから詳しく説明します。
ここで1冊の書籍をご紹介します。
それは、『物語の法則』という書籍です。
本記事では、こちらの書籍を参考文献として、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)を解説していきます。
『物語の法則』クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ (著)
こちらは、ディズニーアニメの『美女と野獣』『ライオン・キング』『ベオウルフ』『レスラー』を含め、その他多くの有名映画のストーリー開発に携わったハリウッドのストーリー・コンサルタントであるクリストファー・ボグラーと、コロンビア大学講師のデイビッド・マッケナによる共著作です。
本書は著名な映画『アイアンマン』や『8マイル』などの一流脚本家も絶賛する1冊で、ジョゼフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)について、平易な言葉でわかりやすく解説されています。
秀逸なストーリーを作るうえでは非常に勉強になる書籍ですので、興味のある方はご購入の上、参考にしてみてください。
ジョゼフ・キャンベルの著作は翻訳のためか、読み進めるのに難解な点もありますので、まずはこちらから入ると良いでしょう。
さて、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)とは、どのような背景で生まれたのでしょうか。
本書『物語の法則』のP.68でも紹介されていますが、以下のような言葉があります。
“人間の物語は二つか三つしか存在せず、それを誰もが、いままで一度も起きたことのない話のように、何度も熱心に繰り返しているのだ”
ウィラ・キャザー
実は、前述した『千の顔をもつ英雄』の著者であるジョゼフ・キャンベルは、古今東西あらゆる文化で伝承されている神話について、そのパターンを徹底的に解析しました。
その結果、後世に語り継がれるような、世界の英雄伝説や神話というものは、基本的にすべて同じパターンで構成されている、という結果にたどりついたのです。
そして、ジョゼフ・キャンベルが、その著『千の顔をもつ英雄』の中でまとめあげたフレームワークが、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)と呼ばれるストーリーテリング・メソッドの原型となります。
その後、クリストファー・ボグラーらは、それを映画のストーリーテリング手法のガイドとしてまとめたいと思い、「『千の顔をもつ英雄』実践ガイド」という「伝説のメモ」を書きあげたのでした。
この「伝説のメモ」は、クリストファー・ボグラーの著書『物語の法則』の第6章で取り上げられています。
本記事では、この第6章のエッセンスを抽出して、お伝えしていきます。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)という方法論は、一般的なマーケティングのテクニックとは異なりますが、ビジネスの様々な場面で応用することが可能です。
ぜひ、これから説明する内容について、「どうやったら自分自身の物語にして伝えられるか?」「どうやったら自分の会社や商品の物語として伝えられるか?」という視点を持ちながら読み進めてください。
そして、実際にあなたのストーリーを作り、ビジネスの場で活用してみてください。
では、早速、このヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の基盤となる、「『千の顔をもつ英雄』実践ガイド」を解説していきましょう。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の12ステップ
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)とは、簡単に表現するならば、「ストーリーをこの流れで作ると、人種・世代・性別を問わず、あらゆる人々から支持を得られる」といった、物語の黄金則です。
また、ビジネスで売上を伸ばそうとするなら、コピーライティングのスキルが必須となりますが、このヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)理論を知っておくことは、コピーライティングの力を伸ばすうえでも、大きなメリットがあります。
米国の著名なマーケターやコピーライターの間でも、このヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)理論は必須事項とされていることが多く、彼らのコンテンツの中でも、よく引用して紹介されます。
さて、クリストファー・ボグラーがまとめた「『千の顔をもつ英雄』実践ガイド」の「伝説のメモ」によれば、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)は、以下の12ステップの構成で成り立っています。
ちなみに、クリストファー・ボグラーが作成したこの「伝説のメモ」は、完成した当初、ハリウッドの映画会社幹部の間でひっぱりだこになったというエピソードがあるくらいです。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の構成の詳細は、以下のとおりです。
- 日常世界
- 冒険への誘い
- 冒険の拒否
- 賢者との出会い
- 戸口の通過
- 試練、仲間、敵
- もっとも危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 宝を持っての帰還
これらのフレームワークに沿って、ストーリーが作られます。
要点としては、普通の平凡な生活をしていた主人公が何かをきっかけとして冒険に旅立つことになり、仲間や敵、そして知恵を授けてくれる賢者との出会いがあり、最終的に死に直面するような対決から生還し、見返りとしての報酬を手にして故郷に帰る、といった構成になります。
いわゆる冒険映画などで大ヒットしているものは、よく観察すると、このストーリー構成に忠実にしたがっていることがわかります。
これからあなたも、あなた自身のストーリー、あなたの会社のストーリー、あなたの商品のストーリーを作ることがあるはずです。
その際には、このフレームワークに沿って物語を作っていくことで、間違いなくお客様に共感されるストーリーを描くことができます。
なお、「冒険への誘い」「冒険の拒否」といった言葉は一見するとビジネスに関係ないように思われるかもしれませんが、これはあくまでヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークを象徴する言葉となっています。
これらはそれぞれに意味があり、ビジネスで活用する際にもつながってきます。
そのため、まずはぜひ、これらの流れを理解してみてください。
それでは、これから構成のひとつひとつについて解説していきましょう。
ストーリーの黄金則 ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワーク
1. 日常世界
この段階では、まず、主人公となるあなた(ヒーロー/ヒロイン)が、ごく日常的な場面にいるところからスタートします。
まだ何かに対しての問題意識は希薄で、平凡な日常の中で暮らしている描写が描かれます。
2. 冒険への誘い
次のステップでは、主人公であるあなたに対して、冒険への誘いがやってくる描写がなされます。
これは、本人が望んで冒険するというよりは、冒険しなければならないようなきっかけが突然、目の前に現れてくることが多いです。
たとえば、ごく普通の何の変哲もない暮らしから、突然、やむをえず新しい行動を起こさなければならないようなきっかけです。
これは、ある第三者が冒険を象徴する出来事を運んでくることもありますし、何らかの事件がきっかけになったりします。
3. 冒険の拒否
この時点では、主人公であるあなたはまだ乗り気ではない状態です。
いったんは、その冒険の誘いに対して未知への恐れを感じ、拒否を示します。
しかしながら、やむを得ず、冒険に巻き込まれていく描写が描かれます。
4. 賢者との出会い
主人公であるあなたが冒険に出かけようとすると、そこでは、賢者との出会いがあります。
賢者とは、あなたの師匠となるような人生の経験をもつ人で、メンターを象徴する場合が多いです。
たいていの場合、賢者は主人公にとって必要な助言やアドバイスをしてくれ、未知なる状況の先に進むべきヒントを与えてくれます。
わかりやすい映画の事例では、『スター・ウォーズ』のヨーダのような人物です。
5. 戸口の通過
この場面では、主人公であるあなたが、初めて変化を受け入れ、本格的に物語の中に関わっていく場面となります。
この戸口を通過するというシーンを超えると、もう元には戻れなくなるようなシーンとして、描かれることが多いです。
6. 試練、仲間、敵
主人公であるあなたは、次に、数々の試練に出会うことになります。
そして、その試練をともに乗り越えるための仲間や、試練として敵対する相手(敵)と出会うことになります。
この経験をとおして、主人公は成長し、進化していきます。
7. もっとも危険な場所への接近
このシーンでは、主人公であるあなたは、もっとも危険な場所やシーンに遭遇し、接近します。
その場所は危険であるにも関わらず、接近しないと目的は達せられない場所として描かれます。
このシーンは、もっとも強い敵との遭遇の描写への、切り替えのタイミングとして使われます。
8. 最大の試練
こちらでは、主人公であるあなたは、もっとも大変な状況と向き合わなければなりません。
死の危険性と直面するような出来事と出会い、ストーリー最大のクライマックスを迎えます。
冒険物語では、この場面で、危険なドラゴンやモンスターのような相手と闘うことがあります。
9. 報酬
最大の試練を乗り越えたあと、主人公は報酬に値する対価を得ることになります。
危険と向き合って戦いを終えたあと、財宝や剣のような報酬、あるいは囚われていた王女を奪還するなど、リスクの対価を受け取ることになります。
10. 帰路
報酬を手にした主人公は、帰路につくことになります。
ただし、この場面では、まだ完全に前のシーンから出ておらず、逃亡のさなかだったりします。
いずれにせよ、最大の敵を倒し、報酬を手にして、シーンが次の動きに進展していきます。
11. 復活
このシーンで主人公は、冒険の体験を終了し、特別な体験から戻ってくることになります。
この場面では、いったん主人公が死んだかに見えるような状況になりながらも、奇跡的に生き延びるシーンをとおして、現実世界、もとの日常世界への復活として描かれることがあります。
12. 宝を持っての帰還
主人公が元の日常世界に戻ってくるシーンです。
ここでは、主人公がその物語の中で学んだ特別な教訓や物理的な宝物、取り戻した人質などとともに、故郷に帰還することになります。
これで物語は完結を迎えます。
以上が、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークです。
ここで、『物語の法則』P.87の言葉を引用して、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の流れを振り返ります。
“<日常世界>にいるヒーローが、<冒険の誘い>を受ける。
最初はしぶしぶ<戸口の通過>を果たすものの、<試練、仲間、敵>に出会っていく。
<最も危険な場所>にたどりついたヒーローは、<最大の試練>に打ち勝つ。
そして<報酬>を手に入れ、追いかけられながら自分の世界への<帰路>につく。
ヒーローは自身の体験によって<復活>し、生まれ変わる。
そして、自分の世界に恩恵をもたらす<宝>や霊薬を持って、<日常世界>に<帰還>する。”
シンプルな構成ではありますが、あなたが自分自身について、あなたの会社について、あなたの商品について語るとき、このフレームワークを使ってストーリーを構成すると、非常に共感を生む物語が完成するのです。
ふりかえって、私たちが知っている有名な映画のヒット作の構成を考えてみると、実際にこのような流れに近いものが思い出せるのではないでしょうか。
それでは、この原型としてのフレームワークをご紹介したうえで、これから具体的なビジネスでの実践方法について解説していきます。
ビジネスに使えるストーリーを作る5ステップ
実際に私たちがストーリーを作る際には、何をどのように実践していけば、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークをビジネスに活かせるのでしょうか。
こちらでは、冒頭で述べた5つの用途に転用できるよう、解説していきます。
- ステップメールのようなプロモーションコンテンツ
- ホームページで発信する企業プロフィールと商品紹介
- ソーシャルメディアのプロフィールとコンテンツ
- 電子書籍・紙書籍のような書籍コンテンツ
- その他、あらゆるコピーライティングでの応用
これら5つのどれに転用するにしても、これからお伝えする4つのステップのとおりにおこなっていけば、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークに沿って効果的なストーリーを作ることが可能です。
ステップ1. ゴールを決める
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)をビジネスで活用するうえで大切なことは、最初にストーリーのゴールを決めることです。
後述するワークセッションでもお伝えしますが、売れるストーリーを作る際には、あなたがそのストーリーで何を得たいのか、最初に明確なゴールを設定することが大切です。
いくらヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにしたがってストーリーを作っても、このゴールが漠然としたままストーリーを作ってしまっては、良い結果が生まれません。
よって、誰に対してどのようなストーリーを作り、その結果として何を得たいのか、この点を明確化するようにしましょう。
まず、ストーリーの種類としては、主に3つのパターンが考えられます。
- あなた自身のストーリーを作る
- あなたの会社のストーリーを作る
- あなたの商品のストーリーを作る
以上のとおり、あなた自身のストーリー、あなたの会社のストーリー、あなたの商品のストーリーです。
ストーリーを作る際には、いきなりこれらのすべてを作りこむのは大変かもしれません。
まずはこの中でひとつだけ、選んでみるようにしましょう。
どのようなストーリーを作るのかを決定したら、次はゴールを明確化します。
あなたが決めたストーリーを読んだ人、知った人が、どのような心理的状態になっていくのか、それについてゴールを設定するのです。
ゴールを決めるときには、2種類のタイプが考えられます。
第1に、ストーリーを読んでもらったあとに、すぐにセールスにつなげるような、売上の向上を目指すタイプです。
第2に、すぐには売り込みをせず、まずはストーリー自体を読んでもらいブランディングをおこなう方法です。
そこで、たとえば、以下のような質問を念頭に考えてみると、ゴールが明確に定まるはずです。
- あなたの自身の物語を作ったあとに、お客様にどう行動してほしいのか?
- あなたの会社の物語を作ったあとに、お客様にどう行動してほしいのか?
- あなたの商品の物語を作ったあとに、お客様にどう行動してほしいのか?
まずはあなたが作るストーリーについて明確なゴールを設定したうえで、次のステップに進みます。
ステップ2. テーマとキャラクターを決める
次に大切なことは、あなたが作るストーリーの「テーマ」と「キャラクター」を決めることです。
「テーマ」を決めるとは、あなたのストーリーを読んだ人が、そのストーリー全体に対してどのような印象を抱くのかをあらかじめ決めておく、ということです。
初めからテーマをきちんと設定しておけば、ストーリーを語るときに、こちらが意図したとおりの印象を抱いてもらえる可能性が高くなります。
『物語の法則』の著者、クリストファー・ボグラーはこのように言います。
“ストーリーを練っているとき、自分自身に問いかけなければならない最も重要で基本的な質問は、『自分のテーマはなんだろう?』だ。
テーマとは、自分の作品の焦点を鮮明にするためのツールである。
物語の中心に、すべての場面で追及しなければならない特定のアイデアや人間の性質を置き、その周辺に物語を組み立てていこうとするときに、その設計に一貫性を持たせてくれる。”
“脚本家や演出家は、遅かれ早かれテーマや前提をしっかり決めなければならないし、それができれば、脚本や作品全体がまとまる”
あまり深く考えると複雑になりますが、要は、あなたがこれから伝えていこうとするストーリーのテーマは何なのか、一言で表現できるほど単純化して考えるということです。
さて、全体としてのストーリーのテーマを決めたら、次に大切なことは、キャラクター設定をおこなうことです。
これは、こなれた言葉では「キャラ作り」とも呼ばれます。
こちらを意識することで特に効果的なのは、個人としてのあなた自身のキャラクター設定です。
ただ、これは法人格としてのキャラクター、そして商品のキャラクターも設定することが可能です。
このキャラクター設定というものは、共感を生むうえでは非常に大切になってきます。
あなたが自分のビジネスにおいてストーリーを語るとき、あなた自身にどのようなキャラクターを設定すれば、お客様になる方々の共感を得やすいか、考えてみてください。
たとえば、「業界の理不尽な慣習にはしたがわず、徹底してクライアントの側に立ったコンサルタント」というのはヒーローになりやすいかもしれません。
意図的に第三者としての「共通の敵」を作り、その理不尽な敵に立ち向かっていく姿を見せると、読者の支持を得られる可能性が高くなります。
実は、このようなキャラクター設定で会社のイメージ作りに成功した動画があります。
こちらは有名なCMで、現在でもYouTubeにアップされており、動画で視聴することができます。
Apple社による、『1984』というCMです。
欧米の広告業界では非常に有名なCMですので、ぜひこの動画はご覧になってみてください。
こちらは『グラディエーター』などの傑作で今や映画界では有名監督となったリドリー・スコット監督が製作したもので、ジョージ・オーウェルの小説でも有名な『1984』を映像化し、CMにしたものです。
巨大な帝国を作るIBMを敵に見立て、それをApple社が新たに発売するMacintoshが打ち破る、というストーリーです。
これは、Apple社自身の法人格に革新的なイメージを植え付け、「変革者」「業界における新しいリーダー」というキャラクターを市場に印象づけることに成功したストーリーです。
これはあくまで一例に過ぎませんが、まずは、あなたやあなたの会社、あなたの商品が、市場においてどのようなキャラクターとして認識されるようにしたいのか、決めることをおすすめします。
このキャラクター設定を明確にして、どのようなイメージを市場に与えたいのかを意識したうえでストーリーを作ると、より効果性が高まるようになります。
ゴールの決定、テーマの決定、そしてキャラクター設定、まずはこの3点をもって、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のストーリーを作るための最低限の準備とします。
ステップ3. ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにあてはめる
ゴールとテーマを決めて、キャラクター設定が終わったら、いよいよ、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにあてはめて、ストーリーを作ってみましょう。
なお、ここではワークセッションとして、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の各項目ごとに質問をご用意しました。
これは、あなた自身から実際にストーリーを引き出すためのワークセッションです。
これらの質問に答えることで、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにしたがった形で、あなたのストーリーを作れるようになるはずです。
それでは、順番に質問に答えてみてください。
1. 日常世界
- あなたが今のビジネスに携わるまでの日常は、どのような環境でしたか?
- その環境で、一緒に過ごしていた人たちとの人間関係はどのようなものでしたか?
- その環境で、退屈してしまうような理由があったとすれば、それは何でしたか?
2. 冒険への誘い
- あなたが今のビジネスを始めることになった直接のきっかけは何ですか?
- あなたが今のビジネスを始めたことが、誰かの誘いが原因だったとしたら、それは誰でしたか?
- あなたが今のビジネスに対して、強く惹かれた魅力があったとすれば、それは何でしたか?
3. 冒険の拒否
- あなたが今のビジネスを始めるときに、何に対して躊躇や不安を感じましたか?
- その躊躇や不安を感じた背景には、どのような理由がありましたか?
- その躊躇や不安を乗り越えてでも、今のビジネスを始めようと思った大義は何ですか?
4. 賢者との出会い
- あなたが今のビジネスを始めたとき、もっとも影響を受けた人は誰でしたか?
- あなたのビジネスに助言を与えてくれた人がいたとすれば、それは誰でしたか?
- あなたのビジネスが困難に直面したとき、いつもそばに付き添ってくれた人は誰でしたか?
5. 戸口の通過
- あなたが今のビジネスを始めたとき、過去の日常生活と比較して、何が変わりましたか?
- あなたが新しいビジネスを始める前に感じた躊躇や不安をふっきれたと感じたのは、どのような瞬間でしたか?
- あなたのビジネスに躍動感が生まれた瞬間はいつでしたか?
6. 試練、仲間、敵
- あなたがビジネスを始めて、いちばん最初の試練は何でしたか?
- その試練に直面したときに、あなたとともにその試練を乗り越えてくれた仲間は誰でしたか?
- ビジネスを続ける中で、あなたを攻撃する敵がいたとすれば、それは誰でしたか?
7. もっとも危険な場所への接近
- あなたのビジネスを成功させるうえで、とらなければならないリスクは何でしたか?
- そのリスクに向き合ったとき、あなたはどのような感情を感じましたか?
- そのリスクをとったことで、犠牲にしたものがあったとすれば、それは何でしたか?
8. 最大の試練
- あなたがビジネスを始めて、もっとも困難な状況に陥ったときは、どのような状態でしたか?
- 倒産してしまうほど、キャッシュに苦労した時期があったとすれば、それはいつでしたか?
- 後から振り返ってみて、あれほど大変な時期はなかったと思えるのは、どのようなときでしたか?
9. 報酬
- あなたのビジネスで、もっとも大きな成功だと自信を持てるような成果は何ですか?
- あなたが手掛けた案件のなかで、心から満足できたことは何ですか?
- あなたの業界の中で、評判になるほど成功したプロジェクトがあったとすれば、それは何ですか?
10. 帰路
- あなたがビジネスで大きな成果を手にしたあと、しばらく手のかかるフォローが必要だった案件があったとすれば、それは何ですか?
- あなたが直面したビジネスの危機から抜け出せたときは、どのような状況でしたか?
- あなたがビジネスを成功させたときに、変化していた人間関係があったとすれば、それはどのようなものでしたか?
11. 復活
- あなたのビジネスで、もう駄目かもしれないと感じながらも復活できたときがあったとすれば、それはどのような状況でしたか?
- あなたのビジネスで、誰もが失敗だと思った案件が、実はその後の大成功につながっていたものがあったとすれば、それは何ですか?
- あなたがビジネスを成功させたときに、新しく身に付いていたものがあったとすれば、それは何ですか?
12. 宝を持っての帰還
- 日常的な世界から新しいビジネスを始め、多くの危機や成功を体験したあとに、あなたが学んだ最大の収穫は何でしたか?
- あなたのビジネスによって、人生を変えたお客様がいるとすれば、それは誰で、どのような変化がありましたか?
- あなたのビジネスが業界に与えた影響はどのようなものですか?
ワークセッションの質問は以上です。
いかがでしたでしょうか。
このような流れに沿ってストーリーを作ることができれば、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークに合致した物語を作ることができるはずです。
ステップ4. フィードバックを得る
ここまでの流れで、あなたならではのストーリーが完成したはずです。
次に大切なことが、正式な公開前に身近な第三者からフィードバックを得るということです。
完成直後のストーリーは、自分目線で作ってしまっていることが多いものです。
そこで、いちど冷静に、あなたが作ったストーリーを第三者に見てもらい、客観的な視点で率直な印象を聞いてみると良いでしょう。
その際のポイントとしては、以下のような点について意見を教えてもらえると、改善点が見つかりやすいものです。
- そのストーリーを読んで、共感することができたか?
- ストーリーの中でもっとも共感できた点があったとすれば、それは何か?
- そのストーリーを読んだあと、作者(作者の会社・商品)に対して、どのような印象をもったか?
- ストーリーを読んで、実際にどのような行動を取ろうと思ったか?
- 客観的な視点で改善点があったとすれば、それは何か?
公開する前には、このフィードバックのプロセスを経ることによって、全体のストーリーがより良いものに仕上がります。
ストーリーを作ったあとはすぐに公開したくなるものですが、まずは、きちんと第三者のフィードバックを得たうえで、次に進めるようにしていきましょう。
ステップ5. 一般公開する
ここまで来たら、次は一般公開するタイミングです。
公開にあたっては、いくつかのパターンが考えられますので、その方法をお伝えします。
あなたがヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)にしたがった方法でストーリーを作ることができたら、実際にこのパターンで公開することを試してみてください。
ステップメールで商品成約まで誘導するパターン
最初に実践すべきことは、プロモーションにすぐに活用できる、ステップメールを利用したプロモーションコンテンツとしてストーリーを作ることです。
ステップメールとは、メール登録をしてくれた方に、あらかじめ設定しておいたメールが、決められたタイミングで配信されるメールのことです。
たとえば毎日1本、合計14日間くらいのステップを作ることができるので、初めてストーリーを作る方でも、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークを実践しやすいものになると思います。
ここで、まず目指すべきゴールは、読者があなたのステップメールを読み終えたときに、「あなたのこと、あなたの会社、あなたの商品をもっと知りたい、そして自分に合うようであれば、ぜひ商品を購入してみたい」という心理状態に導くことです。
ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)は12ステップありますので、たとえば14日間であれば、以下のようなストーリー構成としてステップメールを作成することが可能です。
登録直後の自動返信メール:簡単な自己紹介と、明日から始まるストーリーの予告
1日目~12日目:ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の12ステップを、1日ずつ解説する
13日目:商品告知の予告(ティーザー)
14日目:商品の販売(期間限定・数量限定)
といった流れですと、構成が作りやすくなります。
この場合は、オプトインページ⇒登録後から自動配信⇒ティーザー(予告)⇒販売⇒成約
という流れをつくります。
これは通常のプロモーションの基本的な流れとなりますので、理解しやすいでしょう。
また、この流れで進めると、販促を完全自動で進めることも可能になります。
この場合は、最初に特定の企画名をつくり、専用のオプトインページを作成します。
たとえば、私が2011年3月に実施したプロモーションで、『ソーシャルメディア大富豪の教え』という企画があります。
こちらは、私の実体験をもとにした物語を、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにしたがって、全14章のストーリーにまとめた短編小説です。
こちらでは、まず、このようなオプトインページを用意しました。
出典:『ソーシャルメディア大富豪の教え』
その後、こちらのオプトインページを大々的に告知して、登録してくれる読者を増やしました。
そして、登録してくれた方に、毎日1本ずつのメールを送り、「ソーシャルメディアをビジネスに活用して成功する方法」をお伝えしたのです。
こちらは現在、登録後に14章のすべてをHTML形式のステップメールで自動配信していますが、初めてこの企画を公開した際には、Facebookに「ノート記事」としてアップして公開していきました。
もちろん、ステップメールで公開していくことはもっとも基本的な方法ですが、もしも皆さんがFacebookで公開する場合は、「ノート記事」として公開する方法も参考にしてみてください。
なお、Facebookの「ノート記事」は一般的な投稿と異なり、文中に画像を挿入できるので、ブログ記事のように読んでもらえる特徴があります。
出典:『ソーシャルメディア大富豪の教え』Day.1 Facebookページの投稿
また、「ノート記事」のようなFacebook上の投稿では、「いいね!」やコメントがついたり、シェアされることがあります。
そのため、口コミとしてコンテンツが拡散したり、コメント欄をとおして読者と対話することも可能です。
Facebookでストーリーを語る場合は、このような見せ方もありますので、参考にしてみてください。
さて、14本のメールですべてのストーリーを伝えたあとは、商品発売の予告をおこないます。
最終回を配信した翌日に、それまで読んでいただいた御礼と合わせて、コンテンツの内容とリンクした商品を何日後かに発売することを発表します。
このケースでは、オプトインページへの登録から発売まで、2週間から3週間程度の長さがあれば十分に設定が可能となります。
この形はヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)でストーリーを作りつつ、すぐにプロモーションで売上につなげられる、もっとも基本的な流れとなります。
私の場合は、『ソーシャルメディア大富豪の教え』のすべてを読んでいただいたあとに、『ソーシャルメディアテンプレート』というツールを商品として発売することを発表しました。
そして、すでにヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のストーリーに共感いただいた読者の感情が熱いうちに、「24時間限定」という形で販売したのです。
その結果、わずか24時間の期間限定販売で、10万円の商品に180名もの方から申し込みいただくことができました。
これは、24時間で1,800万円の売上が得られたことを意味します。
また、Facebookの記事や動画には合計で3,000件以上のコメントがつき、ソーシャルメディア上で多く拡散されることで、次々と新しいオプトイン登録が生まれる副次的効果がありました。
さらに、このストーリーは大変好評だったため、約2年後の2013年3月29日に、『ソーシャルメディア大富豪の教え(Kindle版)』として、電子書籍という形で出版が実現しました。
『ソーシャルメディア大富豪の教え(Kindle版)』小谷川拳次 (著)
こちらは100円という価格設定も手伝ってか、販売開始後から瞬く間に数千ダウンロードされ、現在にいたってもコンスタントに売れ続けるヒット作となりました。
このようにオンライン上の企画でストーリー化が成功すると、そのストーリー自体を二次利用して、電子書籍での電子出版や紙書籍の商業出版を実現することも可能になります。
通常のメールマガジンで販促するパターン
もしもあなたが定期的にメールマガジンを配信しているなら、次のような形でストーリーの公開を始めると良いでしょう。
この方法は、ステップメールとほぼ同じではありますが、あなたが定期的に配信しているメールマガジンのコンテンツ自体を、一定の期間、ストーリーに変えて届けていく流れとなります。
まず、通常のメールマガジンの中で、「○月○日から、○○について全14回でお伝えする連載企画をご紹介します」と、事前予告をします。
そして、その開始日となったら、ステップメールのコンテンツ同様、1回に1本の物語を配信していきます。
ステップメールと異なる点は、この場合は、毎日の配信ではない可能性があることです。
メールマガジン配信の場合、日刊メールマガジンとして毎日配信されている方もいれば、1週間に1回の配信となっている方もいます。
そのため、1週間に1本であれば、合計で14週間(3ヵ月と2週間)くらいの長さで展開することになります。
メールマガジンでの公開の場合は、販促につなげるのか、読者とのエンゲージメント(絆)を深めるのか、その目的によってストーリーコンテンツ配信後のアクションが変わってきます。
もしも販促をおこなうのであれば、ステップメール同様に、商品の販売予告をおこなってから商品告知をおこなってください。
なお、この場合は、最終回のタイミングから、あまり日を開けすぎないようにしてください。
なるべく読者の気持ちが熱いうちに、告知をおこなうことが理想的です。
私自身の経験上からも、販促をおこなう場合は、最終回から3日~5日以内程度で商品の発売をおこなうことが良いと考えます。
ここで間隔をあまり開けてしまうと、せっかくお届けしたストーリー自体を忘れられてしまう可能性がありますので、ご注意ください。
ホームページで企業を紹介するパターン
ホームページの中であなたの会社のストーリーを語る場合は、あなたの会社をヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークにあてはめて、会社の存在意義や理念、そして最終的に目指すことなどを記載すると良いでしょう。
たとえば、高品質なスピーカーを製造するメーカーとして有名なボーズ(BOSE)社では、「ボーズの歴史」と題して、様々なストーリーが語られています。
以下に、そのメッセージの一部をご紹介します。
“始まり
ボーズのストーリーは、ある少年が電子機器に魅せられたことから始まります。少年は、モノを分解して仕組みを調べ、いつか自分でも発明をしたいと夢見ていました。”
“ラジオの修理サービス
十代のアマー・ボーズ少年は、実家でラジオの修理サービスを始め、成功させました。「私の父が輸入品を売っていた小さい金物店のすべてに看板を掲げました」と、ボーズ博士はインタビューで語ったことがあります。「看板にはこう書いてありました、‘ラジオの修理を承ります’。人々はラジオを店に置いていき、私はそれを家に持って帰って修理します。店には請求額の10%を渡しました。私は父とちょっとした約束をしていました。成績が落ちないようにできるなら、学校には週4日だけ行けばよいことにしてあったのです。そして、頭が痛いとか私が学校に行けない理由を書いてくれました。先生方は皆、このことを知っていました。それは決まって金曜日でしたから。それで月曜にはこう聞かれたものです。‘ボーズ、いくつラジオを修理したんだい?’」”
“会社
ボーズ博士はMITにいる間に多くの特許を取得し、それらのライセンスを他の会社に与えるのではなく、自分で所有して自身の会社を立ち上げようと決心します。”
“初期の頃
会社が形作られる過程で、社名をどうするかについてはかなり議論が重ねられました。最終的には、ボーズ博士のMITでの指導者の1人であるY. W.リーが、彼独特の「2+2」の流儀でこう言ったのです。「社名に求める特長について考えてみようじゃないか。特定の技術や産業と結び付いた名前であってはいけない。将来何をすることになるかわからないからね。多くの異なる言語で発音しやすく、商標にしやすい名前であるべきだ。そして、1音節であれば理想的だね」全員が笑いました。彼が何を意味しているのか、言わなくてもわかったからです。つまりそれが「ボーズ」でした。ボーズの最初の従業員はボーズ博士の学生の1人だったシャーウィン・グリーンブラットです。彼はずっと働き、1985年から2001年まではボーズの社長を務めました。「最初の頃、ボーズ博士はMITの教師としての職務に時間を費やしました。政府から契約を受注するようになり、博士は夜にやって来て、私たちが‘第2シフト’と呼んでいたこの時間に、オーディオに関するあらゆるアイデアの実現に取り組んだのです」”
“心理音響学
心理音響学は、音がどのように耳に届くかについての研究です。 それはボーズがオーディオ製品を製作するためのまさに基礎であり、その歴史は会社の創立にまで遡ります。ボーズ博士はあることに気が付きました。それは他社のスピーカーは音の聞こえ方でなく、音の作り方だけを測定していたことです。MITの講義で、ボーズ博士はこんな例を挙げたことがありました。「エンジニアを部屋に入れてひずみを低減する仕事を与えたら、彼らは何年でも喜んでその仕事をするだろう。しかしここに、根本的な問題がある。このことは知覚に関して何かを意味しているだろうか?ひずみを計測器で見ることはできるが、おそらく耳には聴こえないものだ。つまり、もし聴こえないものなら、特定の工学目標を達成する以外に、何か価値のあることをしているのだろうか?」
2201スピーカーは私たちが最初に生産したDirect/Reflectingスピーカーであり、伝説的な901スピーカーシステムの道を開いたものです。”
出典:BOSE『ボーズの最初の50年』
また、Academy Award®受賞者、モーガン・ネヴィル監督(『バックコーラスの歌姫たち』で2014年度ベストドキュメンタリー賞受賞)によるドキュメンタリー調の「Dream + Reach」という秀逸な動画も制作されています。
この動画を視聴すると、ボーズ博士やボーズ社のストーリーに共感し、ボーズ社の製品がより魅力的に感じられます。
出典:BOSE『ボーズの最初の50年』
こちらは厳密にはヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークのとおりではありませんが、「なぜ、ボーズは生まれたのか」「何を目的としているのか」「何を目指しているのか」といった明確なメッセージが伝わってきます。
ホームページでヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)を活用してストーリーを語る場合、このようにホームページの一部で「○○社の歴史」「なぜ、○○は生まれたのか」「○○の起源」といった形で、動画や画像なども合わせて紹介すると、共感されやすいコンテンツになります。
こちらは企業の紹介に焦点を当てた場合ですが、まったく同じ形で、各商品についても、ストーリーを用意することができるはずです。
ぜひ、この形を参考にしてみてください。
ソーシャルメディアのプロフィール欄を活用するパターン
数多くのソーシャルメディアの中でも、私がおすすめしている3つのソーシャルメディアがあります。
それが、ブログ、Facebook、YouTubeです。
これらのソーシャルメディアを使って、コンテンツを連載形式で公開することができます。
また、これらのメディアでおすすめの方法が、ご自身のプロフィール欄で、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)のフレームワークを使ってプロフィール文を作ることです。
Facebookであれば、プロフィールページの「基本データ」の「詳細情報」に、「自己紹介」という項目欄がありますので、そちらに記載します。
ブログの場合、一般的に大手ブログであればプロフィールを紹介するための項目欄がありますので、そちらに記載します。
YouTubeであれば、YouTubeチャンネルのトップページで、チャンネル未登録者に表示されるPR動画自体をストーリー形式でプレゼンしても面白いかもしれません。
ぜひ、このようなソーシャルメディアのプロフィール欄も活用してみてください。
まとめ
本記事では、「ヒーローズジャーニー(神話の法則)をビジネスに活用する5ステップ」というテーマでお伝えしました。
中小企業やスモールビジネスのオーナーが、なるべく予算をかけずに成約率を高めようと思った場合、ストーリーを活用したメッセージを作ることが効果的です。
その企業や企業の商品、または会社の顔となる社長個人のような人物のメッセージに共感してもらうことで、よりお客様との心理的距離は近くなります。
そこで本記事では、ハリウッド映画のヒット作でも使用されているストーリーテリング・メソッド、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)という方法を詳しくご紹介しました。
ここで、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)の構成を振り返ってみましょう。
- 日常世界
- 冒険への誘い
- 冒険の拒否
- 賢者との出会い
- 戸口の通過
- 試練、仲間、敵
- もっとも危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 宝を持っての帰還
各パートの詳細については本編で述べましたが、このフレームワークこそが、世界各国の神話からたどりついた、世代や人種に関わらず全人類に共通して共感されやすい物語構成です。
あなた自身のストーリー、会社のストーリー、商品のストーリーを語るとき、どのような構成にしたら良いかわからず、単に思いついたことだけを記載してしまうことがありがちです。
しかし、ストーリーを語る際には、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)という、すでに効果が実証されているフレームワークが存在するのです。
ぜひ、この方法をあなたのビジネスに取り入れ、効果的なストーリーを構築してみてください。
きっと、良い成果が生まれるはずです。
なお、本記事のテーマに興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下の記事もお読みになってみてください。
「あなたのパーソナルブランディングを成功させる6ステップと最新事例」
「電子出版して印税を得る方法とは?売れる電子書籍の作り方9ステップ」
「自動的に売上を上げる5つのネット集客戦略とステップメールの書き方」
きっと、あなたのお役に立てるはずです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
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起業家。作家。投資家。
2009年、リードコンサルティング株式会社設立。デジタルコンテンツを主軸としたインターネット集客、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネスのコンサルティング及びコンテンツ販売システム、自動ウェビナー販促システムの提供によるマーケティングオートメーション(MA)の導入支援を行う。ビジネス書作家としても活動。2018年からは投資事業を開始。2023年にはオウンドメディア『生成AIマーケティングの教科書』を開設。ChatGPTを中心とする生成AIマーケティングの専門家として、多数の専門記事を著者として公開している。日刊メルマガ【ChatGPT速習メール講座】では、5千人を超える読者にメールマガジンを配信中。
著書は『Facebookでお客様をどんどん増やす本』(中経出版/2011年)、『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(東洋経済/2012年)、『小さな会社がお金をかけずにお客さまをガンガン集める方法』(KADOKAWA/2013年)など、累計50冊を出版している。
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