ChatGPTエージェントモードとは?使い方・できること・注意点
ChatGPTを使っていると、「調べるところまでは早いが、その後の比較・整理・資料化に時間がかかる」「複数サイトを見ながら表を作る作業が面倒」「ファイルやスプレッドシートを更新したいが、手作業が多すぎる」と感じることがあります。
こうした、調査だけでは終わらない複数工程の仕事を進めるための機能が、ChatGPTエージェントモードです。
エージェントモードでは、ChatGPTが推論しながら、仮想ブラウザーでウェブサイトを操作し、アップロードファイルを処理し、必要に応じてアプリの情報を参照し、フォーム入力やスプレッドシート編集などを進めます。単に回答文を返すのではなく、目的に応じて「調べる」「比較する」「整理する」「成果物を作る」といった工程を連続して扱える点が特徴です。
一方で、エージェントモードは、勝手に何でも安全に処理してくれる万能な自動化ではありません。ログイン、アプリ連携、外部サイトでの操作、個人情報や機密情報の扱い、第三者サイトに隠れた悪意ある指示への対策など、通常のチャットより慎重な運用が必要です。
この記事では、ChatGPTエージェントモードとは何か、できること、使い方、Deep Research・通常チャット・タスク機能との違い、仕事で使える実践例、失敗しない依頼文、安全に使うための注意点を体系的に解説します。
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目次
ChatGPTエージェントモードとは?調査から操作までを進める機能
ChatGPTエージェントモードとは、ChatGPTが推論、調査、操作を組み合わせて、複雑なオンラインタスクの完了を支援する機能です。
OpenAI公式の案内では、エージェントは、ウェブサイトの移動、アップロードファイルの処理、メールやドキュメントリポジトリなどの第三者データソースへの接続、フォーム入力、スプレッドシート編集などを行えます。利用する主な道具は、ウェブ操作用のビジュアルブラウザー、コード実行・データ分析用のCode Interpreter、データソースへアクセスするアプリ、対応コマンドを実行するターミナルです。
重要なのは、エージェントモードが「質問に答えるだけ」の機能ではないことです。たとえば、次のような仕事を、一つの流れとして扱えます。
- 複数の競合サイトを確認し、料金・対象者・機能を比較表へ整理する
- アップロードした表を集計し、見落としや異常値を確認して、更新版のファイルを作る
- 公開情報を調べ、提案先の事業・課題・競合状況をまとめる
- メールやカレンダーなどの接続済みアプリを参照し、会議前の準備メモを作る
- フォームやブラウザー操作を伴う作業を、必要な確認を挟みながら進める
ただし、エージェントモードの価値は、作業をすべて放置して任せることではありません。人が目的・制約・確認事項を決め、ChatGPTが複数工程の作業を進め、人が重要な判断と外部への確定操作を担う。この分担で使うと、実務の速度と安全性を両立しやすくなります。
| 通常のChatGPT | エージェントモード |
|---|---|
| 質問に答える、文章を書く、考えを整理する | 目的に沿って調査・操作・整理・成果物作成を複数工程で進める |
| ユーザーが必要な情報や資料を渡すことが多い | ブラウザー、ファイル、アプリなどを使いながら必要情報を扱える |
| 短い相談や下書きに向く | 比較調査、ファイル処理、表の更新、複合的な作業に向く |
| 外部サイトを操作しない | 確認を求めながら、外部サイトでの操作を伴う場合がある |
エージェントモードでできる5つのこと
1. 複数サイトを調べ、比較・要約する
エージェントモードは、複数サイトを確認し、比較軸に沿って整理する仕事に向いています。たとえば競合調査なら、競合の公式サイト、価格ページ、FAQ、公開資料を見ながら、対象者、価格、提供形式、強み、注意点を表へまとめられます。
ただし、調査の結論をそのまま信じるのは危険です。料金、規約、利用上限、日付、法令、統計、企業情報などは、必ず引用元や公式ページを人が開いて確認してください。エージェントは調査を速くするための補助であり、最終的な事実確認を代替するものではありません。
2. アップロードファイルを処理し、分析・整理する
CSV、Excel、PDF、文書、画像などをアップロードし、内容を整理・分析することができます。たとえば、顧客アンケートを分類する、売上表から傾向を抽出する、複数の資料から論点を比較する、データを使って表やグラフを作るといった作業です。
エージェントモードでは、Code Interpreterを使って計算、データ分析、ファイルの整形を進められる場合があります。ただし、ファイルに個人情報、顧客情報、未公開の契約条件、パスワード、APIキー、カード情報などを含めないことが原則です。必要な場合は、名前をA社・B社へ置き換え、数値を比率へ変えるなど、匿名化・抽象化を行ってください。
3. スプレッドシートを更新・整形する
エージェントモードは、表計算ファイルの更新・整形にも使えます。既存のスプレッドシートを読み、指定した列の計算、重複データの確認、表の整形、要約シートの作成、グラフ用データの整理などを進められます。
ただし、財務データ、税務データ、投資判断に使う数値、契約金額、給与情報など、間違いのコストが高い表を扱う場合は、必ずバックアップを取ってください。作業結果は、人が元データと照合し、数式、単位、日付、範囲、参照先を確認してから使います。
4. 接続済みアプリの情報を参照する
利用可能なアプリを接続している場合、エージェントモードは、メール、カレンダー、ドキュメントリポジトリなどの情報を参照し、仕事の準備を支援できる場合があります。
たとえば、会議前に「今週の関連メールとカレンダー予定を確認し、会議準備メモを作って」と依頼する使い方があります。重要なのは、接続する前に、ChatGPTが何を読めるのか、何を操作できるのか、どの操作で確認が必要になるのかを確認することです。
アプリの権限は、情報を自動で読める範囲と、外部サービスへ影響する操作を行う際の確認ルールを管理します。現在のChatGPTでは、重要な操作はユーザー確認を求める設計になっていますが、不要なアプリを常時つないだままにしないことが安全です。
5. フォーム入力・ブラウザー操作を進める
エージェントモードは、仮想ブラウザーを使って、ウェブサイト内の移動、ボタンのクリック、フォーム入力、検索、情報収集などを進められます。作業中は、ChatGPTが何をしているかを画面上で確認でき、途中で指示を変えたり、停止したり、ブラウザーを引き継いだりできます。
ここで注意すべきなのは、外部サイトへの送信、購入、予約、設定変更、ファイル共有など、現実世界へ影響する操作です。重要な操作は必ず内容を確認し、必要に応じて自分で引き継いで実行してください。エージェントに任せるのは、情報収集、下書き、候補整理、入力準備までにとどめ、最終確定は人が行う運用が堅実です。
Deep Research・タスク機能・Projectsとの違い
ChatGPTには似た機能が多く、どれを使えばよいか迷いやすいところです。エージェントモードは、すべての機能を置き換えるものではありません。
| 機能 | 主な役割 | 最も向く場面 |
|---|---|---|
| 通常チャット | その場で考え、質問し、文章や案を作る | アイデア出し、短い文章、単発相談、壁打ち |
| ChatGPT Search | 最新情報や単一の事実を素早く確認する | 公式発表、料金、製品仕様、ニュース、リンク探し |
| Deep Research | 複数情報源を調べ、引用付きの調査レポートへ統合する | 市場調査、競合比較、制度確認、提案前リサーチ |
| エージェントモード | 調査に加え、ブラウザー・ファイル・アプリを使って複数工程の作業を進める | 調査後の表作成、ファイル処理、スプレッドシート更新、操作を伴う複合タスク |
| スケジュール済みタスク | 未来の時刻・繰り返し条件・監視条件で処理を実行する | 日次報告、週次レビュー、リマインダー、変化の監視 |
| Projects | 案件の会話・資料・指示・決定事項を一か所へまとめる | 数日〜数か月続くブログ制作、商品企画、顧客提案、調査案件 |
使い分けは、次のように考えると明確です。
- 一つの事実や最新情報を知りたい:Search
- 複数情報源を読み、調査レポートを作りたい:Deep Research
- 調査後の表作成・ファイル処理・ブラウザー操作まで進めたい:エージェントモード
- 定期的に同じ作業を実行・確認したい:スケジュール済みタスク
- 長期案件の資料・会話・判断基準を管理したい:Projects
たとえば、競合分析では、Deep Researchで一次情報を集めて比較するだけでも十分な場合があります。さらに、その結果を使って比較表を作り、既存のスプレッドシートを更新し、提案資料のたたき台まで進めたいなら、エージェントモードが向きます。
ただし、エージェントモードのほうが常に上位というわけではありません。単純な調査ならDeep Research、短い質問なら通常チャットのほうが速く、管理しやすい場合もあります。必要な作業範囲に合わせて選ぶことが重要です。
ChatGPTエージェントモードの始め方
エージェントモードは、ChatGPTのツールメニューから選ぶか、入力欄に/agentと入力して開始します。完了したいタスクを説明すると、エージェントが必要な手順を考えながら作業を始めます。
作業中には、ChatGPTが確認や追加情報を求めて一時停止することがあります。その場合は、目的、優先順位、対象範囲、使ってよい情報源、避けるべき操作を追加します。途中で指示を変えたり、進行を止めたり、ブラウザーを引き継いだりすることもできます。
2026年7月4日時点で、エージェントモードは対応国・地域において、Pro、Plus、Business、Enterprise、Eduの各プランで利用できます。Freeプランでは利用できません。月間のエージェント開始回数は、Plusが40件、Proが400件、Business・Enterpriseが40件と案内されていますが、上限や対象プランは更新される可能性があるため、実際の画面と公式案内を必ず確認してください。
エージェントモードの使い方|成果を出す6ステップ
ステップ1:最初に「完成させたい成果物」を決める
エージェントモードでは、「競合を調べて」「資料を作って」とだけ頼むと、作業範囲が広がりすぎます。最初に、何を完成させたいのかを一文で決めます。
- 競合5社の料金・対象者・提供形式を比較した表を作る
- アップロードした売上表から、月別の変化と要確認項目をまとめる
- 提案先の公開情報を調べ、初回面談で聞くべき質問を10個作る
- 既存記事の公式情報を再確認し、更新が必要な箇所だけを一覧化する
「何をするか」ではなく、「何が完成すれば仕事が前へ進むか」を指定すると、エージェントの行動が安定します。
ステップ2:許可する範囲と、禁止する範囲を決める
エージェントモードでは、外部サイトやアプリを扱う場合があります。そのため、何をしてよいかだけでなく、何をしてはいけないかも書きます。
以下の競合調査を進めてください。
【目的】
日本の主要サービス5社を比較し、新サービスの訴求案を検討する。
【してよいこと】
・公開ウェブの公式サイト、料金ページ、FAQ、プレスリリースを確認する
・比較表と調査メモを作る
・必要なら公開PDFを読む
【してはいけないこと】
・ログインが必要なサイトに入らない
・購入、予約、問い合わせ、送信、登録をしない
・外部サイトへ情報を書き込まない
・個人情報や顧客情報を扱わない
【成果物】
比較表、確認した公式URL、差別化仮説3案、追加確認事項を出す。
このように「調べる・整理する」と「送信・購入・設定変更」を分けると、意図しない操作のリスクを減らせます。
ステップ3:入力情報を最小限にする
エージェントに渡す情報は、目的達成に必要な最小限に絞ります。顧客の実名、メールアドレス、電話番号、契約書原文、未公開の売上、社内パスワード、APIキーなどを入れる必要があるなら、その作業はエージェントに任せる前に一度立ち止まってください。
多くの場合、社名をA社・B社へ置き換え、金額を比率にし、固有の個人情報を消しても、比較・整理・構成づくりは進められます。AIに渡す情報を少なくするほど、リスクも小さくなります。
ステップ4:作業中は「進行」と「出典」を見る
エージェントは、作業中に進行状況を表示します。ブラウザーでどのページを見ているか、どんな情報を探しているか、何を次に行うかを確認してください。
特に、次の場面では途中で止めて確認します。
- 想定していないサイトへ移動した
- ログイン、入力、送信、購入、共有などを求められた
- 調査対象が広がりすぎた
- 重要な主張の根拠が弱そうに見える
- 個人情報や機密情報に触れそうになった
途中で止めることは失敗ではありません。エージェントモードは、最初から最後まで放置するための機能ではなく、途中で方向を修正しながら成果物を作るための機能です。
ステップ5:ログインが必要なら「引き継ぎモード」を使う
ログインが必要なサイトへ進む場合、ChatGPTエージェントは一時停止し、仮想ブラウザーを引き継ぐよう促します。ユーザーがブラウザーを手動操作している間は、手動入力したパスワードや機密データのスクリーンショットは撮影されないとOpenAIは案内しています。
ログイン後は、必要な作業だけを済ませてエージェントへ戻します。作業が終わったら、必要に応じてサイトからログアウトし、ChatGPTのデータコントロールでCookieを削除します。便利だからといって、機密性の高いサービスへ常時ログインした状態を残さないことが重要です。
ステップ6:成果物を人が検証し、外部操作は最後に確定する
エージェントが作った比較表、提案メモ、更新済みファイル、ブラウザー上の入力内容は、最後に必ず人が確認します。
- 数字、日付、料金、利用条件、固有名詞を一次情報と照合する
- 比較表の抜け、重複、単位、計算式を確認する
- 相手へ伝える文章が、事実と推測を分けているか確認する
- 外部サイトへの送信・購入・公開・共有を最終確認する
- 不要な接続、ファイル、ログイン状態、チャットを整理する
この最終確認を省かないことで、エージェントモードは「速いが危ない自動化」ではなく、「人の判断を速くする実務アシスタント」になります。
仕事で使えるエージェントモードの実践例5選
活用例1:競合比較を表と論点へまとめる
新サービス、講座、ツール、外注先を検討するときは、複数サイトの情報を同じ比較軸へそろえる必要があります。エージェントモードでは、公開情報を確認し、比較表のたたき台を作ることができます。
日本国内の生成AI教育サービスを、公開情報だけで比較してください。
目的:
新しい教育プログラムの提供設計を検討する。
対象:
主要サービスを5社まで。
比較項目:
・対象者
・料金
・提供形式
・扱うテーマ
・サポート
・強く訴求している価値
・公開情報から見える注意点
制約:
・公式サイト、公式FAQ、公式価格ページを優先
・ログイン、問い合わせ、申込み、送信はしない
・確認できない項目は「要確認」とする
成果物:
比較表、公式URL、差別化の仮説3案、追加確認事項を出してください。
この結果をそのまま戦略に使うのではなく、採用する比較軸、競合の一次情報、差別化仮説を人が確認してから、企画や提案へ進めます。
活用例2:ブログ記事の公式情報を再確認する
ChatGPT、Google、AIツール、料金、プラン、規約など、変化しやすいテーマの記事では、古い記述が残りやすくなります。エージェントモードは、既存記事と公式ページを比較し、更新候補を洗い出す補助に使えます。
以下の既存記事本文と、対象サービスの公式サイトを照合してください。
目的:
古くなった可能性がある情報だけを見つけ、更新候補を一覧化する。
確認する項目:
・料金
・機能名
・利用可能なプラン
・利用上限
・提供地域
・設定画面の名称
・公式リンク
制約:
・公式サイトと公式ヘルプのみを優先
・記事本文は書き換えない
・変更が確認できない箇所は「現時点で確認できず」と書く
成果物:
「更新が必要そうな箇所/根拠URL/修正案/公開前に人が確認すべきこと」の表を作る。
この使い方は、記事の自動公開ではなく、更新候補の発見に限定するのが安全です。最終的な本文修正と公開は、人が内容を確認してから行います。
活用例3:アップロード表を集計し、改善仮説を作る
アクセス解析、広告、メール、販売、アンケートなどの表を読み、傾向を見つける作業にも使えます。エージェントに「結論を決めて」と頼むのではなく、数字の変化と追加確認すべき点を整理させます。
アップロードした集計表を確認してください。
目的:
次回の改善仮説を作る。
やってほしいこと:
・月別、チャネル別、コンテンツ別の変化を整理
・大きく増減した項目を抽出
・計算の不整合や欠損値の可能性を指摘
・原因として考えられる仮説を、事実と分けて整理
・次に確認すべきデータを最大5つ出す
制約:
・元データは変更しない
・数値の意味を推測で断定しない
・外部サイトへの操作はしない
成果物:
要約、確認表、仮説、次に見るべき数字を作る。
財務・投資・税務などの数字を扱う場合は、エージェントの分析を最終判断に使わず、専門家・社内責任者・元資料で確認してください。
活用例4:提案先の公開情報を整理して、面談準備をする
初回面談や提案前には、相手企業の事業、最新ニュース、顧客層、競合、募集職種、公開資料を読み、仮説と質問を準備する必要があります。エージェントモードは、公開情報の整理に使えます。
以下の企業について、公開情報だけを使い、初回面談用の準備メモを作ってください。
目的:
相手の状況を断定せず、会話で確認すべき質問を準備する。
出力:
1. 事業概要
2. 直近の重要発表
3. 顧客・収益モデルの仮説
4. 競合または代替手段
5. 生成AI活用の余地がありそうな領域
6. 面談で確認すべき質問10個
7. 根拠が弱い仮説
制約:
・公式サイト、IR、採用情報、プレスリリースを優先
・断定せず、事実と仮説を分ける
・問い合わせ、登録、送信はしない
提案先の課題を「AIが見抜いた事実」のように扱わず、面談で確認するための仮説として扱うことが重要です。
活用例5:複数の選択肢を比較し、検証項目を作る
新しいAIツール、外部サービス、業務委託先などを選ぶときは、機能だけでなく、導入負荷、データの扱い、権限、料金、サポート、契約条件まで確認する必要があります。
次の候補を比較し、導入前の検証リストを作成してください。
目的:
文章作成・調査・提案準備の業務効率を上げる。
比較項目:
・主な機能
・料金と契約単位
・データ・ファイルの扱い
・権限管理
・既存ツールとの連携
・教育コスト
・解約・移行のしやすさ
・想定リスク
制約:
・公式情報を最優先
・確認できない点は推測しない
・最終契約や登録は行わない
成果物:
比較表、候補ごとの向き・不向き、導入前に試すべき検証項目を5つ出す。
比較表ができたら、「どの条件を満たせば採用するか」「何が確認できなければ見送るか」を人が決めます。この判断基準がなければ、調査が増えても選択は前へ進みません。
エージェントモードを安全に使うための7原則
原則1:最初は「読む・調べる・整理する」までに限定する
初めて使うときは、外部サイトへ送信・購入・予約・公開・共有をさせず、公開情報の調査、比較表の作成、ファイルの整理、チェックリスト作成までに限定してください。機能の動きと、自分の確認ポイントを理解してから、必要に応じて扱う範囲を広げます。
原則2:あいまいで自由度が高すぎる依頼を避ける
「メールを全部確認して処理して」「必要そうなものを全部やって」「サイトを見て最適化して」のような依頼は、対象も判断基準も広すぎます。目的、対象、許可範囲、禁止事項、成果物、確認ポイントを明記してください。
原則3:不要なアプリは接続・有効化しない
アプリは便利ですが、接続するほど扱える情報の範囲が広がります。今のタスクに不要なメール、カレンダー、クラウドストレージ、顧客管理ツールは有効にしないでください。作業後も、アプリ権限を定期的に確認します。
原則4:パスワードや機密情報はメッセージへ書かない
パスワード、認証コード、APIキー、カード情報、本人確認情報、個人情報、契約書原文、未公開の重要数値は、メッセージへ直接入力しないでください。ログインが必要なときは、引き継ぎモードで自分が入力し、完了後に必要に応じてログアウトします。
原則5:プロンプトインジェクションを前提にする
エージェントがウェブを読むとき、ページ上の悪意ある指示に遭遇する可能性があります。これは、エージェントをだまして、本来の目的と違う操作や情報送信をさせようとする攻撃です。
OpenAIは、重要操作での確認、危険なタスクの拒否、プロンプトインジェクションの監視、特定サイトでのウォッチモードなどの対策を案内しています。ただし、対策があるからリスクがゼロになるわけではありません。不審なサイトへ移動した、意図しないログインや送信を求められた、関係ない情報を要求されたと感じたら、すぐに停止してください。
原則6:重要な外部操作は必ず人が確定する
購入、予約、送信、公開、契約、共有、アカウント設定変更、権限変更など、取り消しにくい操作は、人が内容を確認して確定する運用にしてください。エージェントの候補作成や入力準備は活用しても、最終クリックまで無条件に任せないことが重要です。
原則7:終わったらデータとログイン状態を整理する
エージェントのチャット、閲覧履歴、スクリーンショットは、チャットを削除するまで履歴に残ります。機密性の高い作業の後は、不要なチャットを整理し、サイトからログアウトし、必要に応じてデータコントロールでCookieを削除します。
Plus・Pro利用者は、設定のデータコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、新しい会話をモデル改善に使わない設定にできます。ただし、これは機密情報を無制限に入力してよいという意味ではありません。入力する情報を最小限にし、匿名化・抽象化する原則は変わりません。
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ChatGPTエージェントモードに関するよくある質問
ChatGPTエージェントモードは無料で使えますか?
2026年7月4日時点のOpenAI公式案内では、エージェントモードは有料プランで提供されています。対応国・地域において、Pro、Plus、Business、Enterprise、Eduの各プランで利用できます。Freeプランでは利用できません。対応範囲は変更される場合があるため、使う前に最新の公式案内と自分のChatGPT画面を確認してください。
エージェントモードはどこから起動できますか?
ChatGPTのツールメニューからエージェントモードを選ぶか、入力欄に /agent と入力して開始します。画面の表示やメニューの位置は更新される場合があります。
エージェントモードは何回まで使えますか?
利用上限はプランごとに異なります。2026年7月4日時点の公式案内では、Plusは月40件、Proは月400件、Business・Enterpriseは月40件です。初回のエージェント開始リクエストが上限へカウントされ、途中の確認や認証手順はカウントされません。上限は変更される可能性があるため、最新の画面と公式案内を確認してください。
Deep Researchとエージェントモードはどちらを使えばよいですか?
複数情報源を調べ、引用付きの詳細なレポートを作ることが目的ならDeep Researchが向いています。調査に加え、ブラウザー操作、ファイル処理、表の更新、アプリ参照など複数工程を進めたいならエージェントモードが向いています。単純な調査では、Deep ResearchやSearchのほうが速く、管理しやすいこともあります。
ログイン情報はChatGPTに見られますか?
ログインが必要な場合、エージェントはブラウザーの引き継ぎを促します。ユーザーが手動で操作している間は、手動入力したパスワードや機密データのスクリーンショットは撮影されないとOpenAIは案内しています。ただし、Cookieは通常のブラウザーと同様にセッション間で保持される場合があります。作業後は、必要に応じてログアウトとCookie削除を行ってください。
エージェントモードに任せて、メール送信や購入までしてもよいですか?
重要な外部操作は、人が内容を確認して確定するのが基本です。エージェントは確認を求める設計ですが、入力内容、宛先、金額、契約条件、公開範囲、権限変更などを最終確認する責任は利用者にあります。初めて使う業務では、まず調査・下書き・候補整理に限定してください。
エージェントモードで使った情報は残りますか?
エージェントのチャット、閲覧履歴、関連するスクリーンショットは、チャットを削除するまで履歴に残ります。チャットを削除すると、関連するスクリーンショットも削除され、OpenAIの案内では削除後90日以内にシステムから削除されます。保持やモデル改善への利用は設定で管理できます。
まとめ|エージェントモードは「作業を丸投げする機能」ではなく「複数工程を前へ進める機能」
ChatGPTエージェントモードは、ブラウザー、ファイル、アプリ、コード実行などを使いながら、複数工程の仕事を進めるための機能です。調べるだけでなく、比較表を作る、ファイルを整理する、スプレッドシートを更新する、提案準備を進めるといった仕事へ使えます。
一方で、エージェントモードを安全に使うには、人が目的と制約を決め、入力情報を最小限にし、作業中の進行を確認し、重要な外部操作を最終確認する必要があります。
まずは、今週中に終えたい「読む・調べる・比較する・整理する」仕事を一つ選んでください。外部送信や購入を伴わない、競合比較、既存記事の公式情報確認、ファイル集計、提案前の公開情報整理などが最初の題材に向いています。
目的、許可範囲、禁止事項、成果物、確認ポイントを明記して依頼し、作業中に一度進行を確認する。この使い方を身につければ、ChatGPTは単発の回答ツールから、仕事・発信・商品づくりを前へ進める実務アシスタントへ変わります。
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この記事を書いた人
小谷川拳次|リードコンサルティング株式会社 代表取締役・AIマーケター/AIクリエイター。生成AIマスタースクール(GMS)学長として、ChatGPTを中心に、仕事・発信・商品づくり・販売導線へ生成AIを実務実装するための教育プログラムを提供している。
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参考情報
※本記事のChatGPTエージェントモードに関する機能・利用条件は、2026年7月4日にOpenAI公式情報を確認しています。対応プラン、利用回数、画面表示、接続アプリ、権限、ブラウザー操作、データ保持、セーフガードは変更される場合があるため、最新情報は各公式ページをご確認ください。
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