ChatGPTで業務フローを作る方法|作業・担当者・判断条件を見える化する
業務フローを見える化する目的は、きれいな図を作ることではありません。誰が、何を受け取り、どの条件で判断し、次に誰へ渡すのかを共通認識にすることです。
仕事の流れが担当者の頭の中にしかないと、引き継ぎ、承認、例外対応で確認が増えます。担当者ごとに説明が違う業務では、手順書を先に書いても、抜けた分岐や暗黙の判断が残りやすくなります。「ChatGPT 業務フロー 作成」で検索した方が最初に行うべきことは、AIに理想の流れを想像させるのではなく、現在の事実を工程ごとに渡すことです。
ChatGPTは、聞き取りメモから作業、担当者、判断条件を抽出し、不足質問を作り、表や図の下書きへ変換できます。一方、実際の権限、システム仕様、法令・契約、現場で起きる例外は、業務責任者と担当者が確認しなければ確定できません。
この記事では、対象業務の範囲を決め、現状を聞き取り、開始から完了までを並べ、担当者、判断、例外、引き継ぎを見える化する7つの手順を解説します。コピペできる3つのプロンプトと、請求書承認業務の架空完成例も紹介します。
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目次
- 1 結論:現状を表にしてから、図へ変換する
- 2 業務フローで見える化できること
- 3 ChatGPTと人の役割を分ける
- 4 作る前に決める12項目
- 5 工程の粒度をそろえる
- 6 基本記号は5種類から始める
- 7 工程表に持たせる10項目
- 8 ChatGPTで業務フローを作成する7つの手順
- 9 プロンプト1:現状把握の質問を作る
- 10 現状版と改善後の案を分ける
- 11 判断条件は質問文と行き先で書く
- 12 例外処理は4点セットで整理する
- 13 担当者の受け渡しを明確にする
- 14 プロンプト2:聞き取りメモを工程表へ変換する
- 15 架空例:請求書承認フロー
- 16 プロンプト3:図表現とレビュー項目を作る
- 17 現場レビューは実例を一件流して行う
- 18 改善候補は効果とリスクで分ける
- 19 更新と版管理を仕組みにする
- 20 機密情報と入力範囲に注意する
- 21 よくある失敗8つ
- 22 公開前チェックリスト15項目
- 23 よくある質問
- 24 筆者の実務視点
- 25 まとめ
- 26 参考情報
- 27 著者情報
- 28 関連記事
結論:現状を表にしてから、図へ変換する
ChatGPTで業務フローを作るときは、最初からフローチャートを描かせるより、工程表を先に作る方が確実です。図では短い言葉しか表示できないため、担当者、入力情報、判断基準、例外、完了条件を表で確定し、その後に図へ変換します。
| 段階 | 成果物 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1.範囲設定 | 開始・終了・対象・対象外 | どこからどこまでを1本の業務とするか |
| 2.現状把握 | 担当者への聞き取りメモ | 通常時と例外時に実際に何をしているか |
| 3.工程表 | 作業・担当・条件を持つ一覧 | 抜け、重複、戻り、待ちがないか |
| 4.判断表 | 条件と行き先の対応 | 誰が何を根拠に決めるか |
| 5.フロー図 | 開始から終了までの視覚表現 | 初見の人が流れを追えるか |
| 6.現場確認 | 修正履歴と承認済み版 | 担当者と責任者の認識が一致するか |
この順番なら、図の見た目に引っ張られず、業務の事実と責任分担を確認できます。
業務フローで見える化できること
業務フローは、作業の順番だけを示すものではありません。NISTはプロセスマッピングについて、重要な工程と判断点を視覚化し、業務の理解、改善点の発見、誤りの低減、教育、標準化に役立つと説明しています。
| 見える化する対象 | 分かること | 活用場面 |
|---|---|---|
| 作業 | 何をどの順で行うか | 引き継ぎ、教育、標準化 |
| 担当者 | 誰が実行・確認・承認するか | 責任の曖昧さの解消 |
| 判断 | どの条件で流れが分かれるか | 属人的判断の整理 |
| 受け渡し | 部署やシステム間で何が移るか | 連絡漏れ、二重入力の発見 |
| 待ち | どこで滞留するか | 処理時間の改善 |
| 例外 | 通常外の事象にどう対応するか | 差戻し、障害、緊急対応 |
| 証跡 | 何を記録・保存するか | 監査、品質、問い合わせ対応 |
業務フローは手順書、組織図、システム構成図とは役割が異なります。フローで全体の流れを示し、各作業の細かな操作は手順書、権限関係は規程や職務権限表で補います。
ChatGPTと人の役割を分ける
| 工程 | ChatGPTに任せやすいこと | 人が確定すること |
|---|---|---|
| 聞き取り準備 | 対象業務に合わせた確認質問を作る | 誰へ聞くか、どの資料を正本とするか |
| 情報整理 | メモから作業、担当、判断、例外を抽出する | 発言と実際の運用が一致するか |
| 不足確認 | 開始条件、分岐、終了条件の空欄を示す | 現場へ再確認し、事実を埋める |
| 表・図の下書き | 工程表、判断表、図表現へ変換する | 記号、粒度、読み手に合う形式を選ぶ |
| 改善候補 | 重複、待ち、戻り、手入力を指摘する | リスク、費用、権限を踏まえて採否を決める |
| 版管理 | 変更点と影響範囲を要約する | 承認、公開、教育、廃止を管理する |
ChatGPTの出力は、現場確認のための下書きです。入力されていない暗黙の作業や例外をAIが正しく再現できるとは限りません。
作る前に決める12項目
業務全体を一度に扱うと、工程が粗すぎる部分と細かすぎる部分が混在します。次の12項目で対象範囲を固定します。
| 項目 | 決める内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 1.目的 | なぜ見える化するか | 新人が請求書処理を引き継げる状態にする |
| 2.読み手 | 誰が使うか | 経理担当、申請者、承認者 |
| 3.対象業務 | 業務名と対象範囲 | 取引先請求書の受領から支払登録まで |
| 4.対象外 | 別フローにする業務 | 経費精算、給与、海外送金 |
| 5.開始条件 | 何を受けて始まるか | 取引先から請求書を受領する |
| 6.完了条件 | 何をもって終わるか | 会計システムへ支払予定を登録する |
| 7.関係者 | 部署、役割、外部関係者 | 申請部門、経理、部門長、取引先 |
| 8.使用物 | 帳票、データ、システム | 請求書、発注書、検収記録、会計システム |
| 9.判断点 | 流れが分かれる条件 | 発注書あり・なし、金額、内容不備 |
| 10.例外 | 通常外の事象 | 重複請求、支払期限超過、承認者不在 |
| 11.時間 | 期限、所要時間、締め時刻 | 受領後2営業日以内に確認 |
| 12.責任者 | 内容を承認・更新する人 | 経理責任者 |
開始条件と完了条件は、作業ではなく状態で書きます。「確認する」ではなく「請求書を受領した状態から、支払予定が登録された状態まで」とすると、範囲の重なりを防げます。
工程の粒度をそろえる
一つの図に「請求書を処理する」と「ファイル名を変更する」が並ぶと、粒度がそろいません。目的に合わせて、プロセス、工程、作業を区別します。
| 階層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| プロセス | 開始から顧客・社内への価値提供までのまとまり | 請求書支払プロセス |
| 工程 | 意味のある業務段階 | 内容確認、承認、会計登録 |
| 作業 | 担当者が実行できる単位 | 請求書番号を発注書と照合する |
| 操作 | システムや帳票上の具体的な動き | 支払予定日欄へ日付を入力する |
経営者向けなら工程単位、担当者の引き継ぎなら作業単位、システム実装なら操作やデータ項目まで必要になる場合があります。同じ図で全てを満たそうとせず、全体版と詳細版を分けます。
基本記号は5種類から始める
複雑な記法を最初から覚える必要はありません。業務担当者が読む簡易フローなら、開始・終了、作業、判断、入出力、矢印を統一するだけでも伝わります。
| 要素 | 一般的な形 | 記載内容 |
|---|---|---|
| 開始・終了 | 角丸または楕円 | 開始条件と完了条件 |
| 作業 | 長方形 | 動詞で始まる一つの作業 |
| 判断 | ひし形 | はい・いいえ等で分かれる質問 |
| 入出力・文書 | 平行四辺形または文書記号 | 受け取る情報、作成する記録 |
| 流れ | 矢印 | 処理の方向、戻り先 |
Object Management GroupのBPMNは、業務担当者にも理解でき、技術実装にもつながる標準的なグラフィカル記法を目指しています。システム連携や複数組織を含む複雑な業務ではBPMNを検討し、日常業務の共有では簡易記法から始めるという使い分けが現実的です。
工程表に持たせる10項目
| 項目 | 内容 | 確認質問 |
|---|---|---|
| 工程ID | 一意の番号 | 修正後も同じ工程を追えるか |
| 工程名 | 動詞で始まる作業名 | 何をするか一読で分かるか |
| 担当者 | 実行する役割 | 部署名だけでなく役割が明確か |
| 開始条件 | 作業を始める状態 | 何がそろえば着手できるか |
| 入力 | 必要な情報・物 | どこから受け取るか |
| 作業内容 | 実際に行う処理 | 一つの工程に複数作業が混ざっていないか |
| 判断条件 | 分岐に使う基準 | 誰が見ても同じ判断になるか |
| 出力 | 次へ渡す情報・状態 | 何が完成すれば次へ進めるか |
| 次工程 | 通常・分岐・戻り先 | 全ての条件に行き先があるか |
| 期限・証跡 | 時間条件と保存記録 | いつまでに、何を残すか |
担当者は個人名ではなく「経理担当」「部門承認者」のような役割名にすると、人事異動後も使いやすくなります。個人名が必要な運用表は、業務フロー本体と分けて管理します。
ChatGPTで業務フローを作成する7つの手順
- 目的と範囲を決める:対象業務、開始条件、完了条件、対象外を一文にします。
- 関係者と資料を集める:実務担当、承認者、前後工程の担当、帳票、システム画面を確認します。
- 現状を時系列で聞く:通常時の流れを、最初から最後まで実際の言葉で記録します。
- 判断・例外・戻りを追加する:条件、権限、差戻し先、再開条件を明確にします。
- 工程表へ整理する:10項目を持つ表に変換し、空欄と矛盾を示します。
- 担当者別の図へ変換する:必要に応じてスイムレーンやBPMNで受け渡しを見せます。
- 現場で通して確認する:実例を一件流し、修正、承認、版管理を行います。
ChatGPTで業務フローを整理する際は、現状版と改善後の案を混ぜないことが大切です。まず現状を承認し、その複製に改善候補を反映します。
プロンプト1:現状把握の質問を作る
あなたは業務フロー整理の聞き取り補助者です。次の対象について、現状を事実に基づいて確認する質問を作ってください。
【業務名】[名称]
【見える化の目的】[引き継ぎ、改善、システム化など]
【開始条件】[分かる範囲]
【完了条件】[分かる範囲]
【主な関係者】[部署・役割]
【分かっている資料・システム】[内容]
質問を、範囲、通常作業、担当者、入力、出力、判断条件、例外、差戻し、期限、証跡、権限、前後工程に分けてください。
一度に答えやすい一問一答形式とし、誘導的な質問を避けてください。
回答者が「通常は」「場合による」と答えそうな質問には、条件を掘り下げる追加質問を付けてください。
最後に、実務担当者、承認者、前工程、後工程の誰へ確認すべきかを示してください。
聞き取りでは「規程上どうなっているか」と「実際にどうしているか」を分けます。差がある場合は、どちらかを消さず、事実として記録し、責任者へ確認します。
現状版と改善後の案を分ける
| 区分 | 目的 | 扱う内容 |
|---|---|---|
| 現状版 | 現在の仕事を正確に共有する | 実際の作業、非公式な受け渡し、待ち、例外 |
| 課題一覧 | 問題と根拠を分離する | 二重入力、確認待ち、曖昧な判断、手戻り |
| 改善後の案 | 変更後の流れを検討する | 削除、統合、自動化、権限変更、標準化 |
| 移行計画 | 安全に切り替える | 担当、期限、教育、システム、旧版廃止 |
現状の問題を見つけると、すぐ理想の工程へ書き換えたくなります。しかし、改善案の前提が崩れた場合に戻れなくなるため、承認済みの現状版を残します。
判断条件は質問文と行き先で書く
「承認」「確認」とだけ書かれた分岐では、何を基準に誰が判断するか分かりません。判断点は、はい・いいえ、または明確な区分で答えられる質問にします。
| 判断質問 | 条件Aと行き先 | 条件Bと行き先 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 請求書に必須項目がそろっているか | はい:発注内容の照合へ | いいえ:取引先へ修正依頼 | 請求書確認基準 |
| 発注書と金額・内容が一致するか | はい:承認申請へ | いいえ:申請部門へ確認 | 発注書・検収記録 |
| 部門長承認が必要な金額か | はい:部門長承認へ | いいえ:経理確認へ | 職務権限表 |
| 支払期限に間に合うか | はい:通常登録へ | いいえ:緊急支払の承認へ | 支払日程表 |
条件に数値や期限を使う場合は、基準日、単位、境界を明示します。「10万円以上」と「10万円超」では、10万円の扱いが異なります。
例外処理は4点セットで整理する
例外は「担当者へ相談」で終わらせず、発生条件、一次対応、判断者、通常フローへの復帰点を決めます。
| 例外 | 発生条件 | 一次対応・判断者 | 復帰・終了 |
|---|---|---|---|
| 請求内容の不備 | 必須項目がない | 経理担当が取引先へ修正依頼 | 修正版受領後、内容確認へ戻る |
| 発注内容との不一致 | 金額・品目が一致しない | 申請部門が事実確認 | 修正または差異承認後、照合へ戻る |
| 承認者不在 | 期限までに承認できない | 代理承認規程に従い責任者が判断 | 代理承認後、経理確認へ |
| 重複請求の疑い | 同一番号・金額が登録済み | 経理責任者が支払停止を判断 | 重複なら終了、別取引なら登録へ |
例外を全て一枚の図へ入れると読みにくくなります。頻度と影響が高い例外は本体へ、まれで複雑な例外は別フローや手順書へ分けます。
担当者の受け渡しを明確にする
担当者別のレーンを使うと、部署をまたぐ受け渡しが見えます。ただし、レーン名だけでは責任の種類が分からないため、実行、確認、承認、連絡を工程表で区別します。
| 責任の種類 | 意味 | 記載例 |
|---|---|---|
| 実行 | 作業を行う | 経理担当が請求書を照合する |
| 確認 | 内容の正しさを確認する | 申請担当が納品事実を確認する |
| 承認 | 権限に基づき進行を認める | 部門長が支出を承認する |
| 連絡 | 結果や依頼を伝える | 経理担当が不備を取引先へ連絡する |
| 管理 | 基準・版・成果を維持する | 経理責任者がフローを更新する |
一つの工程に複数の最終承認者を置くと、誰の判断で進むか曖昧になります。共同確認が必要な場合でも、最終決定者を明示します。
プロンプト2:聞き取りメモを工程表へ変換する
以下の聞き取りメモから、現在の業務フローを工程表へ整理してください。
【対象業務】[業務名]
【開始条件】[状態]
【完了条件】[状態]
【対象外】[別フローにする範囲]
【聞き取りメモ】
[担当者の説明、帳票、システム、期限、例外を貼り付ける]
工程ID、工程名、担当者、開始条件、入力、作業内容、判断条件、出力、次工程、期限・証跡の10列で出力してください。
条件:
・現状の事実と改善案を混ぜない
・一つの工程には一つの主作業を置く
・判断は質問文にし、全ての回答と行き先を示す
・戻り処理は、戻り先と再開条件を明記する
・担当者が不明な場合は推測せず「要確認」とする
・メモ間の矛盾、開始・完了条件との不一致、行き止まりを別表で示す
・最後に、現場へ追加確認する質問を優先度順に最大10問出す
OpenAI公式のPromptingでは、重要な依頼にGoal、Context、Output、Boundariesを含める考え方が示されています。このプロンプトでも、対象範囲、材料、表の形式、推測禁止の境界を明示しています。
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架空例:請求書承認フロー
次は、国内取引先から受け取った請求書を会計システムへ登録するまでの架空例です。実際の職務権限、税務・会計処理、契約条件とは異なるため、自社の規程で置き換えてください。
| ID | 担当者 | 作業・判断 | 次工程 | 証跡 |
|---|---|---|---|---|
| S0 | 取引先 | 請求書を送付する | S1 | 受信メール・原本 |
| S1 | 経理担当 | 受領日と取引先名を受付表へ記録する | D1 | 受付番号 |
| D1 | 経理担当 | 必須項目がそろっているか | はい:S2/いいえ:E1 | 確認チェック |
| E1 | 経理担当 | 取引先へ修正を依頼する | 修正版受領後D1 | 依頼メール |
| S2 | 経理担当 | 発注書・検収記録と照合する | D2 | 照合記録 |
| D2 | 経理担当 | 金額・内容が一致するか | はい:D3/いいえ:E2 | 差異記録 |
| E2 | 申請担当 | 差異の理由を確認し、修正または承認依頼する | 解消後D2 | 確認結果 |
| D3 | 経理担当 | 部門長承認が必要な金額か | はい:S3/いいえ:S4 | 職務権限表 |
| S3 | 部門長 | 支出内容を承認または差し戻す | 承認:S4/差戻し:E2 | 承認記録 |
| S4 | 経理担当 | 勘定科目・支払日・振込先を確認する | D4 | 登録前チェック |
| D4 | 経理担当 | 重複登録がないか | なし:S5/疑い:E3 | 検索結果 |
| E3 | 経理責任者 | 重複の有無を判断する | 別取引:S5/重複:終了 | 判断記録 |
| S5 | 経理担当 | 会計システムへ支払予定を登録する | S6 | 伝票番号 |
| S6 | 経理担当 | 請求書と証跡を所定場所へ保存する | 完了 | 保存先・保存日 |
この例では、作業と判断をIDで分け、差戻し先と再開条件を示しています。図にする際は、申請担当、経理担当、部門長、経理責任者のレーンへ各工程を配置します。
プロンプト3:図表現とレビュー項目を作る
確定した工程表を、業務担当者がレビューできるフロー図の仕様へ変換してください。
【目的】[引き継ぎ、改善、システム化など]
【読み手】[役割と知識]
【確定工程表】
[工程表を貼り付ける]
次の順で出力してください。
1.担当者ごとのレーン一覧
2.開始、作業、判断、入出力、終了に使用する記号一覧
3.工程ID順の接続仕様(どの工程からどこへ矢印を引くか)
4.判断条件ごとの分岐ラベル
5.戻り、行き止まり、重複、担当不明、証跡不足の検査結果
6.現場レビューで確認するテストケース
必要であればMermaid記法の下書きも付けてください。ただし、工程名、担当者、条件、IDを変更しないでください。
複雑すぎる例外は本体図へ詰め込まず、別フロー候補として示してください。
生成した図記法が利用ツールでそのまま動くとは限りません。記法の対応範囲、文字化け、分岐、改ページ、印刷、閲覧権限を実際のツールで確認します。
現場レビューは実例を一件流して行う
図を眺めて「合っています」と確認するだけでは、暗黙の作業を見落とします。実際に処理した一件を選び、開始から完了まで工程IDに沿ってたどります。
| 確認観点 | レビュー質問 | 修正例 |
|---|---|---|
| 範囲 | 開始前・完了後の作業が混ざっていないか | 別プロセスへの接続を明示する |
| 順序 | 実際には並行・前後逆の作業がないか | 並行処理または順序を直す |
| 担当 | 誰が着手を判断するか | 実行者と承認者を分ける |
| 判断 | 同じ事実なら同じ結論になるか | 数値・期限・参照資料を加える |
| 例外 | 止まったときに誰へ渡すか | 一次対応、判断者、復帰点を追加する |
| 証跡 | 完了を何で確認できるか | 記録名、保存先、保存期限を加える |
| システム | 画面・権限・通知が実際と合うか | 実機確認結果で更新する |
通常例だけでなく、不備、差戻し、期限超過、担当不在などのテストケースも流します。全ての分岐が完了または明確な終了へ到達するか確認してください。
改善候補は効果とリスクで分ける
フローを作ると、重複作業や待ち時間が見つかります。しかし、削除や自動化をすぐ実行せず、統制上必要な確認ではないかを調べます。
| 候補 | 期待効果 | 確認するリスク |
|---|---|---|
| 作業の削除 | 工数と待ち時間を減らす | 品質、法令、監査、誤り検知への影響 |
| 作業の統合 | 受け渡しを減らす | 職務分離、負荷集中、権限 |
| 入力の一本化 | 二重入力と転記ミスを減らす | 正本、同期、障害時対応 |
| 通知の自動化 | 連絡漏れを減らす | 誤通知、通知過多、個人情報 |
| 承認条件の変更 | 処理速度を上げる | 職務権限、金額リスク、例外 |
改善後は、処理時間、差戻し件数、滞留件数、入力回数、問い合わせ件数などを測定します。数字の定義と測定期間を先に決め、変更前後を比較します。
更新と版管理を仕組みにする
| 管理項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 版番号 | v0.1初稿、v0.2現場確認後、v1.0承認版 |
| 適用開始日 | 新しいフローを使い始める日 |
| 変更内容 | 工程、担当、条件、システムの変更点 |
| 変更理由 | 規程改定、システム変更、問題対応など |
| 影響範囲 | 手順書、帳票、権限、教育、取引先 |
| 承認者 | 内容と適用を承認した責任者 |
| 旧版の扱い | 廃止日、保存場所、閲覧制限 |
システムや規程が変わっても旧版が共有フォルダに残ると、担当者が誤って使う可能性があります。正本の保存場所を一つにし、旧版には廃止表示を付けます。
機密情報と入力範囲に注意する
業務フローには、顧客情報、取引条件、承認権限、システム名、障害時対応、セキュリティ上の弱点が含まれることがあります。ChatGPTへ入力する前に、利用環境、契約、組織設定、社内規程、保存・共有範囲を確認します。
- 個人名を役割名へ置き換える
- 顧客名、口座、認証情報、未公開条件を削除する
- 実データではなく架空例で図の形式を検証する
- 権限や障害対応を含む図の閲覧者を限定する
- AI出力をそのまま正式手順として公開しない
よくある失敗8つ
- 対象範囲を決めない:業務全体が一枚に詰め込まれ、読めなくなります。
- 責任者だけに聞く:現場の非公式作業、待ち、例外が抜けます。
- 規程だけで現状を書く:実際の運用との差を見落とします。
- 現状と改善案を混ぜる:何が事実で何が提案か分からなくなります。
- 判断条件を「確認する」で済ませる:担当者ごとに結論が変わります。
- 例外を図へ詰め込む:通常の流れまで追いにくくなります。
- AI出力を現場確認せず承認する:実在しない工程や権限が残ります。
- 更新責任者を決めない:システムや規程が変わっても旧版が使われます。
公開前チェックリスト15項目
- 見える化の目的と読み手が明確である
- 対象業務、対象外、開始条件、完了条件がある
- 工程の粒度がそろっている
- 一つの工程に一つの主作業を置いている
- 担当者を個人名ではなく役割で示している
- 入力元と出力先が明確である
- 判断が質問文になり、全条件に行き先がある
- 差戻し先と再開条件がある
- 重要な例外に一次対応、判断者、復帰点がある
- 期限、所要時間、待ち、証跡を確認した
- 現状版と改善後の案を分けている
- 実例と例外ケースで全経路を確認した
- 実務担当、前後工程、責任者がレビューした
- 機密情報、閲覧権限、入力範囲を確認した
- 版番号、適用日、承認者、更新責任者がある
よくある質問
Q1.業務フローと手順書は何が違いますか?
業務フローは開始から完了までの作業、担当、判断、受け渡しを全体で示します。手順書は一つの作業をどの画面や操作で行うか詳しく説明します。全体像はフロー、操作詳細は手順書という使い分けが基本です。
Q2.ChatGPTだけで業務フローを完成できますか?
下書きと不足確認はできますが、完成の判断はできません。実際の担当者、権限、システム、例外、規程を現場と責任者が確認し、承認する必要があります。
Q3.どの業務から作ればよいですか?
引き継ぎが迫っている、問い合わせが多い、差戻しが多い、複数部署をまたぐ、担当者しか分からない業務から優先します。範囲を小さく区切り、一つを完成させてから広げます。
Q4.フロー図は縦向きと横向きのどちらがよいですか?
利用ツール、印刷、読み手、担当者レーンの数で決めます。時間の流れを左から右、担当者を上下に置く横向きは受け渡しを見せやすい一方、縦長資料では上から下が読みやすい場合があります。
Q5.例外はどこまで書けばよいですか?
頻度と影響が高く、担当者が判断に迷う例外を優先します。本体が読みにくくなる場合は、例外名と接続先だけ本体に示し、詳細を別フローへ分けます。
Q6.Mermaid記法で作成できますか?
ChatGPTはMermaid記法の下書きを作れます。ただし、利用ツールが対応しているか、記法エラー、文字化け、分岐、改ページがないかを確認してください。正式な工程表を先に確定することが重要です。
Q7.業務改善や自動化にも使えますか?
使えます。現状版から重複入力、待ち、戻り、定型連絡を見つけ、改善候補を作れます。ただし、統制、職務分離、例外、費用、障害時対応を確認してから変更します。
Q8.ChatGPTで業務フローを作成するときの最大の注意点は何ですか?
入力されていない現場の事実を推測させないことです。不明点は「要確認」とし、実例を一件流して担当者と責任者が確認します。図が整っていることと、業務が正しいことは同じではありません。
筆者の実務視点
私が業務フローを確認するときは、作業数よりも「受け渡し」と「判断」を見ます。部署や担当者をまたぐ地点では、何を渡せば次の人が始められるのかが曖昧になりやすく、判断点では基準や権限が人に依存しやすいためです。この二つを明確にするだけでも、確認待ちと差戻しの原因を見つけやすくなります。
もう一つ大切なのは、現状の不完全さを隠さないことです。非公式な連絡や例外対応を理想の手順へ書き換えると、改善すべき事実が消えます。まず現状を正確に可視化し、問題と根拠を分け、その後に改善後の案を作る。この順序が、現場で使われる業務フローにつながります。
まとめ
ChatGPTで業務フローを作る際は、目的、対象範囲、開始条件、完了条件を先に固定し、現場の聞き取りから作業、担当者、入力、出力、判断、例外、証跡を工程表へ整理します。その後、担当者別の図へ変換します。
ChatGPTは構造化、不足質問、図表の下書きに使い、実際の運用、権限、規程、システム、例外は人が確定します。実例と例外ケースを一件ずつ流し、承認済みの現状版と改善後の案を分けて管理してください。
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参考情報
著者情報
小谷川拳次(こたにがわ けんじ)
リードコンサルティング株式会社代表取締役。生成AIマーケティング専門家、生成AIマスタースクール(GMS)学長。2009年の会社設立以来、デジタルコンテンツ販売、電子書籍マーケティング、サブスクリプションビジネス、オンライン講座・ウェビナーの販売導線構築に携わり、著書は累計50冊以上。
現在はChatGPTを中心とした生成AI活用の専門家として、ブログ記事、メール講座、教材・講座の制作を通じ、個人事業主・中小企業が知識や経験を仕事・発信・商品づくり・収益化へつなげる実践法を研究・発信している。
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