メールマーケティング-売上を最大化する8つのポイントと実践方法
目次
メールマーケティング-売上を最大化する8つのポイントと実践方法
本記事のテーマは、「メールマーケティング-売上を最大化する8つのポイントと実践方法」です。
一般的にはメールマガジンと言われる、メールを使い、見込み顧客との関係性を構築し、顧客へと導いていくこと目的としています。
ブログなどと同じく、インターネットマーケティングの初期の頃から存在する手法ですので、なじみが深く、既に実践している方も多いでしょう。
本記事では、このメールマーケティングについて改めて復習すると共に、より効果的にメールを活用する方法を海外事例を交えてご紹介していきます。
1.なぜブログやFacebookだけではダメなのか
FacebookやTwitterなど、ソーシャルメディアが流行りだした頃、インターネットマーケター達の中には、こんなことを言う人たちもいました。
“これからはソーシャルメディアの時代。旧来型のメールによるマーケティングの時代は終わった。”
彼らはこのようなメッセージを世の中に広め、それまで力を注いでいた、ダイレクトレスポンスマーケティングではなく、ソーシャルメディアのノウハウを高い値段で販売し始めたのです。
当時は、メールマーケティングが成熟し、ユーザーのメールボックスには、大量のマーケティングメッセージが届くようになっていました。そのため、メールを送っても見てもらえる機会が減り、効果が薄れていたのです。
そんなときに、新しいソーシャルメディアが登場したため、一気にマーケティング手法の流れがシフトしたのです。
ところが、それから数年経った今、彼らの目論見は外れています。
ソーシャルメディア全盛の今になっても、メールマーケティングの重要性は変わっていません。その理由は、ソーシャルメディアとメールでは、特徴と役割が異なるからです。
まず、ソーシャルメディアの特徴は、プル型であるという点です。
プル型とは、ユーザーがFacebookやTwitter、Youtubeなどにアクセスして、積極的に情報を探さない限り、あなたが発信する情報が目に触れないということです。言ってみれば、街中にあるポスターなどと同じです。
逆にメールマーケティングの特徴は、プッシュ型であるという点です。
こちらの伝えたい情報を相手の目の触れるところまで届けることが出来ます。自宅に届くダイレクトメールなどと同じです。
このような違いがあるため、いまではソーシャルメディアとメールマーケティングを上手く組み合わせ、全体的な成果を高めようという動きが一般的になっています。
良く言われるマーケティングの法則で、AIDMAの法則というものがあります。
これは、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階を経るという法則です。
Attention(注意)Interest(関心)Desire(欲求)Memory(記憶)Action(行動)
まず何か新しい情報を見て、「注意」し、それが自分に役立つかも知れないという「関心」を持ち、欲しいという「欲求」を持ち、いつか買おうと思って「記憶」し、最終的に購入するという「行動」に至る、というものです。
したがって、販売する側としては、いきなり「行動」を起こさせるような強引なセールスをするのではなく、まずは「注意」を惹くような情報を提供するところから始めようというわけです。
この法則に沿って考えると、プル型のソーシャルメディアというのは、「注意」や「関心」を持ってもらうために非常に優れたメディアであるといえます。
ソーシャルメディア上でやり取りされる情報は、比較的単発で、少ない情報です。最初はそれくらいの少ない情報を提示して、「注意」を惹くことが出来ます。
また、友人から流れてきた情報であれば、それは自分にも関係があるかも知れないと感じやすく、「関心」も持ってもらいやすいのです。
一方、ソーシャルメディアでは、そのあとの行動に至るまでの関係作りはそう簡単ではありません。プル型であるために、必ずしも継続的にコミュニケーションが出来るわけではないからです。
その商品はどこかで見たことがある、というレベルまでは思ってもらえるかも知れませんが、その商品が欲しい、と思ったもらうためには、もっと詳細な情報提供とコミュニケーションが必要なのです。
そこで登場するのが、従来からある、メールマーケティングです。
メールマーケティングの大きな強みは、情報を順序立てて相手に伝えることが出来る点です。
まずは自社のことを知ってもらい、次に商品の存在を知ってもらい、次にその商品で何が出来るのかを知ってもらい、最後にお得なキャンペーン情報を送る、などということが簡単に出来るわけです。
このように体系だった情報提供は、ソーシャルメディアだけでは実現しにくいものです。
ソーシャルメディアの登場によって、これまで全く自社のことを知らなかった人たちにもリーチできる機会が増えました。彼らには、一から自社のことを説明することが必要です。
そういった意味で、メールによる体系的な情報提供は、さらに重要性を増しているのです。
2.メール配信方法
では次に基礎的なところからご紹介していきます。
メールの配信方法ですが、主には次の3つがあります。
無料サービス
まぐまぐを中心とする、無料でメールマガジンが発行できるサービスを利用することです。無料で出来ますので、初心者の方にはお勧めのように思えますが、ビジネスの観点からすると、お勧めできない方法です。
まず、まぐまぐなどのサービスでは、読者のメールアドレスを知ることが出来ません。つまり、見込み顧客の情報が一切分からないのです。これは致命的な欠点です。
また、読者のエクスポート(外部に抽出すること)も出来ませんので、一度まぐまぐを使い始めたら、ずっとまぐまぐを使い続けないといけません。これもビジネスを続ける上では、とても危険な制約です。
メール配信ソフトウェア
これはメールを配信するためのプログラムを購入し、借りているレンタルサーバーにアップして、そこから配信する方法です。
最初にソフトウェアを購入する必要がありますが、それ以降の運用コストがかかりません。したがって長い目で見ると、コストとしては安上がりになる可能性があります。
問題は、機能が貧弱なことです。もちろん、購入するソフトウェアによりますが、次に挙げる有料配信サービスと比べると、どうしても機能面で古くなりがちです。
有料配信サービス
有料配信サービスは、月々お金を払って、メール配信のシステムを利用する方法です。お金はかかりますが、この方法が一番のお勧めです。お勧めの理由は、次のとおりです。
常に機能がアップデートされる。
有料配信サービスは、メールマーケティング専門の会社が運用していることがほとんどですので、流行の機能が常に付加されていきます。
サポートがある。
お金を払っている分、技術的なサポートがしっかりしています。
すぐに使える。
契約すればすぐに使えます。ソフトウェアのインストールなどが必要ありません。
気になる利用価格ですが、会社や配信する規模によって、数百円から数万円まで幅があります。あまり安いサービスだと機能やサポートが貧弱な可能性があります。これからスタートする場合には、3000円から5000円くらいのサービスが妥当でしょう。
日本でよく利用されているメール配信会社は次のようなものがあります。
アスメル:
安くて有名なメール配信システムです。安い分、機能的に充分とはいえませんが、スタート用としてはお手軽と言えます。
https://www.jidoumail.com/
エキスパートメール:
より高機能なメール配信システムです。
http://expert-mail.net
3.メールマーケティングの対象
メールマーケティングを実践する場合、対象者は2パターンあります。見込み顧客向けと既存顧客向けです。
両者に同じ内容のメールを送るのも問題ないですが、できれば異なる内容を送ったほうが効果が高くなります。
見込み顧客向け:
見込み顧客向けには、定期的にメールマガジンを送りつつ、一定のタイミングで商品やサービスのオファーを送ります。
もちろん、これらのメールは、リストをどこから買ってきて送信するのではありません。自社サイトからオプトインしてくれた人に対して送ります。
以下のメールは、THE MARKETINGでも時折ご紹介している、Hubspot社の見込み顧客向けメールマガジンの例です。
彼らは見込み顧客向けに様々なコンテンツを定期配信していますが、時折、下記のような、有料サービスに誘導するオファーが届きます。
メール内には、サービス申し込みへのリンクが含まれており、クリックすると、次のような30日間無料トライアルの申し込み画面に移行します。
既存顧客向け:
多くの人が犯しがちな間違いは、見込み顧客向けのプロモーションには必死になるものの、既存顧客へのフォローを疎かにしてしまうことです。
よく言われているとおり、新規顧客に買ってもらうためのコストよりも、既存顧客にもう一度買ってもらうコストのほうがはるかに低いものです。
そこで、既存顧客向けにもフォローのためのメールを定期送付することがお勧めです。既存顧客向けのメールには二つの目的があります。
ひとつは、もちろん、もう一度、買ってもらうことです。多くの商品やサービスにおいて、一度買っただけでは、まだあなたのビジネスのファンになっているとは言いがたいものです。大半の人は、試しに買ってみた、程度の感覚でしかありません。
この状態では、新しい他社の商品が出てきたら、すぐにそっちに移ってしまいがちです。そこで、二度、三度と繰り返し購入してもらうために継続的な情報提供やオファーをしていく必要があります。
もうひとつの目的は商品やサービスを利用してもらった後のフィードバックをもらうことです。これは見逃されがちですが、とても大切です。
既存顧客向けのメールにアンケートを含めたりすることによって、商品やサービスの改善ポイントがわかってきます。
例としてご紹介したいのは、世界中でホテル事業を展開する、スターウッド・グループのメールマガジンです。
彼らのホテルに宿泊すると、翌日には満足度調査のメールが送られてきます。
その後、継続的に、月一回程度、次のようなオファーメールが届きます。
http://www.starwoodhotels.com/
このように毎月メールが届くことはとても大切です。たとえ毎月はホテルを利用しなくても、頭のどこかにこのホテルのことが記憶に残っていきます。
そして次、どこかに旅行する際には、
“そういえばスターウッドからメールが来てたな”
というように思い出すわけです。
既存顧客向けにメールを出して、たとえすぐに反応が無くても、フォローし続けることが大切です。米国の某コピーライターが次のように言っていました。
人がモノを買わないのは、次のような理由がある。
- 買うお金がない。
- 商品やサービスを使う時間がない。
- 売り手のことが信用できない。
- 買うタイミングではない。
このうち、上の3つはコピーの力で克服できる。
しかし、最後のタイミングだけはコピーライターもコントロール出来ない。
たとえば、車を買ったばかりの人に、いくら新車のオファーをしても効果がないでしょう。しかし、5年後になって、もう一度オファーしたら買ってくれる可能性があります。
このように、人はいつ買ってくれるかわかりません。だから継続的にメールでコンタクトを取ることが有効になります。
4.メールマガジンの種類
では次に、メールマガジンの種類をご紹介していきます。
日本ではメールマガジンという言葉でひとくくりにされていますが、次のような種類があります。
ニューズレター
ニューズレターは、最も一般的なメールマガジンの形式です。
目的は定期的に顧客とコンタクトを取り、関係性を構築することです。
内容は自社のビジネスに関連することであったり、読者の役に立ちそうな情報を提供したりすること、すなわちコンテンツを送ります。
これらのコンテンツは、自社で書いた記事の場合もありますし、他のメディアで流れているニュースを紹介することも可能です。
このニューズレター型の中で、さらに二つのタイプが存在します。
一つ目は、Faceless Model(フェイスレス:顔無しモデル)と呼ばれるものです。これは発行者の顔が見えないタイプで、たとえば次のような例があります。
http://www.digitalbookworld.com/
こちらはデジタル・ブック・ワールドというサイトのニューズレターです。登録すると、上記のようなニューズレターが毎日届きます。
これは電子書籍に関するサイトですので、電子書籍に関するニュースが届くわけです。一般的なニューズレターは、この例のように、いくつかのトピックが記事として掲載されています。新聞のような感じです。
それぞれのトピックをより詳しく見たい場合には、リンクをクリックすると、該当するウェブサイトへ誘導されます。
リンク先のウェブサイトは、必ずしも彼ら自身のサイトではありません。インターネット上から電子書籍に関する記事を探してきて、それを掲載していることが多いようです。
自社の業界に関する新聞を発行するイメージで行うニューズレターです。
もうひとつは、Guru Model(グルモデル)と呼ばれるものです。
これは発行者が、その業界内で著名人である場合などに使われるタイプです。
例として、アリ・ブラウン氏のニューズレターをご紹介します。彼女は女性起業家として有名で、ビジネスに関する様々な情報を提供しています。
http://www.alibrown.com/
ご覧のとおり、彼女の顔が全面に出ていることがわかります。彼女のように有名人である場合には、このモデルが有効に働きます。
Guru Modelは、単に業界の情報を配信するだけではなく、その人物オリジナルの思想を提供することに価値があります。
他では手に入れることの出来ない、エキスパートとしての見識や視点が求められます。
キャンペーンメール
キャンペーンメールは、ニューズレターと異なり、商品の販売だけを目的としたメールです。
http://www.homedepot.com/
こちらは日曜大工品などを販売している、Home Depotのキャンペーンメールです。まるでウェブサイトのようなデザインですが、これもメールです。
ニューズレターと異なり、ひとつの商品を見せることだけにフォーカスを当てています。
海外の小売業では、メール内では余計なことは語らず、大きな画像をメインにしたキャンペーンメールが主体になっているようです。次の事例もそうです。
http://www.barnesandnoble.com/
こちらは大手書店のバーンズ・アンド・ノーブルのキャンペーンメールです。
とにかくクリックさせて、ウェブサイトに誘導することにフォーカスを当てています。
このように、ニューズレター型とキャンペーンメール型では、メールの目的や内容が変わってきますので、使い分けると良いでしょう。
通常はニューズレター型のメールを定期配信し、時折キャンペーンメールを混ぜるという手法が有効です。
メールマーケティングのポイント
では次に、メールマーケティングを実践する際のポイントをご紹介していきます。
件名に気を配る
メールを配信する際、件名はとても大切です。
件名は、メールの開封率にとても大きく影響します。
次のデータをご覧ください。
http://www.cmbinfo.com/
これは調査会社が発表した、「メールを開かないと決めるときの理由」をグラフにしたものです。
一番の理由は、興味が無いから、という結果が出ています。興味がないかどうかを判断するのは、件名に他なりません。件名を興味を持ってもらえるようなものにしない限り、いくら良い内容のメールであっても、見られずに終わってしまうというわけです。
件名はセールスレターで言うところのヘッドラインと同じです。したがって、ヘッドラインを書くためのノウハウが役に立ちます。
たとえば、次のようなものです。
緊急性
特にキャンペーンを行うときなどには、件名に緊急性を入れることが大切です。以下は実際に某マーケターから送られてきたメールのタイトルです。
【11:59締め切り】オンラインで本物のビジネスをスタートさせる最短の方法
【ラストチャンス】3,465ドルのPLFボーナスが今日の11:59で締め切り
(PLFとはプロダクトローンチフォーミュラという製品名のこと)
時事性
時事性とは、世の中の旬なキーワードを件名に入れることです。
(キンドルが追放された!)
これは世界最大のスーパーマーケットチェーン、ウォールマートが、キンドルをもう店頭で扱わないと発表した翌日に流れてきたメールの件名です。
このように、世の中で話題になっていることを件名に入れると興味をもたれやすいものです。ただし、その内容が自身のビジネスとどう関係しているのかを考慮しなくてはならないのは当然です。
ベネフィット
ベネフィットは、そのメールを読むことによって得られる、読み手にとっての価値を件名に入れることです。どんなときにも使えますので、最も一般的な件名の付け方と言えるでしょう。
(【ソーシャルメディアイグザミナー】2012年9月11日価値の高いブログコンテンツを作る3つの方法)
これはソーシャルメディアに関するノウハウを毎日配信している、ソーシャルメディアイグザミナーのメールの件名です。
そのメールを読むと、何が得られるのかがとても明確です。興味がある人は読めば良いし、興味のない人は読まなければ良いことがすぐにわかります。
意外性
意外性とは、常識とは正反対のことを件名で告げる方法です。
(これは販売できません。)
これはStomperNetというSEM会社からのメールです。商品のオファーなのですが、件名では販売できません、と書いてあります。受けては、何が販売できないのか、なぜ販売できないのかが気になって、メールを開いてしまうというわけです。
(はい、本当にこれを差し上げます。)
これは動画マーケティングで有名な、Maria Androsからのメールです。同じく、何をくれるのかが気になってしまい、メールを開いてしまいます。
このように、メールを開いてもらうという効果は強力です。ただし、あまりやりすぎると、下品な印象を与えてしまいますので気をつけましょう。
デザインが大切
メールマーケティングもデザインが大切な時代です。
メールを出すには、「テキストメール」と「HTMLメール」があります。
昔はテキストだけのシンプルなメールがほとんどでしたが、最近では、多くのメール配信システムで、
HTMLメールを配信することが出来ます。HTMLメールは様々なメリットがあります。
たとえば、以下のようなメリットがありますので、システム上、可能な方は、ぜひHTMLメールを採用されることをお勧めします。
開封率がチェックできる
後ほどご紹介しますが、メールマーケティングにおいて、開封率はとても大切です。テキストメールでは開封率のチェックが出来ませんが、HTMLメールでは出来ます。
クリック率を高めることが出来る
メール内にウェブサイトへのリンクを入れた場合、概して、テキストメールよりもHTMLメールのほうがクリック率が高くなる傾向にあります。これはコンバージョンに大きく左右しますので、とても大きなメリットです。
マーケティングに一貫性を持たせることが出来る
HTMLメールではメール内にロゴを入れることも出来ますので、ブランドの一貫性を持たせることが出来ます。
HTMLメールの典型的なデザイン
HTMLメールの典型的なデザインは次のようなものです。
http://37signals.com/
ロゴがあったり、ヘッドラインがあったり、ウェブサイトと見間違うようなデザインが可能です。
初心者の方にはデザインするのが難しいように思えるかも知れませんが、多くの場合、メール配信システム側でデザインのテンプレートが用意されています。それを使えば、さほど労力なくプロフェッショナルなデザインが完成します。
http://mailchimp.com/
これは海外のメール配信会社、メールチンプのテンプレート例です。
インターネット物販をされている場合には、特にHTMLが威力を発揮します。商品写真を載せることが出来るからです。
たとえば、次の図は、飲料メーカーのメールです。
右半分が商品写真になっており、かなりインパクトがあります。
http://holidaycheer.eroi.com/
一方で、シンプルなデザインの方が威力を発揮するような場合もあります。次の例は、インターネットマーケターの、Mike Koenigs氏のメールです。
一見、テキストメールのようですが、二つほど画像が入っています。ひとつは雑誌の表紙、もうひとつは動画のキャプチャです。
動画のキャプチャをクリックすると、動画が再生できるウェブサイトに飛んでいきます。
インターネットマーケター達の間では、動画のキャプチャは、とてもクリック率が高いという説が一般になっています。したがって、動画を使ったキャンペーンを行う場合には、上記のようなシンプルなデザインに、動画のキャプチャだけを入れるというメール配信が良く利用されています。
HTMLメールの注意点
さて、HTMLメールには利点が色々とありますが、一方で注意しないといけないこともあります。ここでは
3つほどご紹介しておきます。
テキストバージョンも送る
読者の端末によっては、HTMLメールが開けない場合もあります。そのような場合に備えて、テキストだけのバージョンも同時に送信します。これはメール配信システム側で機能が装備されているはずですので、それを利用しましょう。
画像が見られないことも想定しておく
HTMLメールの大きな利点は、画像を入れることが出来ることです。しかし、読者側の環境によって、「画像を表示させる」という操作を行わなければ、画像が表示されないこともあります。
そういった場合に備えて、画像が見れないときでも、何の画像なのかを分かるようにしておく必要があります。
具体的には、メールに画像を入れる際に、Altタグというものを入れます。タグの詳しい説明は省きますが、これもメール配信システム側で設定できます。
Altタグを設定すると、画像が表示されない場合、代わりに設定したテキストが表示されます。
見やすく、分かりやすくする
HTMLで自由にデザインできると、色々なものを盛り込みたくなるかも知れません。しかし、ごちゃごちゃしていては、見るほうも大変です。
どこに大切な情報があるのか、どこをクリックして欲しいのか、一目で分かるようにしましょう。
配信頻度は適切に
次のポイントは、配信頻度です。
毎日がいいのか、週に一回がいいのか、多くの人が悩むところでしょう。
次のグラフをご覧ください。
http://www.cmbinfo.com/
これも海外のデータですが、「配信解除する理由」のグラフです。
一番多いのは、「メールの回数が多すぎるために配信解除する」というパターンであることがわかります。
このように、多すぎると迷惑がられてしまいます。逆に配信頻度が少なすぎると、忘れられてしまいます。
どのくらいの配信頻度が良いのか、これは明確な答えがありません。業種やそのビジネスによって大きく異なります。
一般には、動きの早い業界ほど、配信頻度は多くても良い、というように言われています。たとえば、株などの投資市場の場合、日々一刻と市況が変化しますので、毎日、場合によっては一日数回のメール配信もあり得るかも知れません。
逆に高価なブランド品などを扱っている場合、毎日、セールのメール配信をしていては、ブランド価値も下がってしまいます。
目安としては、大概の業界において、週に一回程度のメール配信であれば、さほど嫌がられることもなく、適度な頻度と言えます。
それを基準にご自身のビジネスや業種を考え、増やすなり、減らすなりを検討されると良いでしょう。
リスト数より質が大事
次のポイントは、リストの数よりも質が大事である、ということです。
Facebookページは、ファン数の絶対数よりも、エンゲージメント率のほうが大切という話をTHE MARKETINGでもお伝えしました。
Facebookは初期の頃、お金でファンを買うことが出来ました。しかし、そうして集めたファンばかりになっているページは、ビジネスとしては全く機能していません。
これはメールマーケティングでも同じことが言えます。
リスト数が多いからと言って、必ずしもビジネスが上手くいくわけではありません。
いまは難しくなりましたが、かつてはリストを購入することが簡単に出来た時代もありました。つまり、リストの数だけ多く見せようと思えば、リストをどんどん買ってくれば良かったのです。
しかし、そんなことをして集めたリストでは、成約しないどころか、スパム判定を食らってしまい、何の意味もありません。
しかも、大半のメール配信システムでは、リスト数によって、料金が変わってくるため、質の低いリストがたくさんあることによって、無駄なお金を払わないといけないのです。
10万のリストがあって、開封率が1%しかないメールマガジンよりも、1万のリストで開封率が10%あったほうが良いのです。
では、リストの質を高めるにはどうしたら良いかというと、何よりもリストの入り口が大切です。
リードジェネレーションの号で解説したように、適切なオファーを行い、オプトインしてもらうことが何よりも大切です。
とにかくなんでも良いから、メールアドレスを登録してもらおうというのは、長期的に見ると悪影響ばかり及ぼすでしょう。
コンテンツを再利用/引用する
メールを配信する際、内容に一番苦慮するところだと思います。
そこでお勧めなのは、コンテンツを再利用、引用することです。
「ブログマーケティング」の説明で、ブログをハブにしてコンテンツを配信していく、という話をしましたが、メールマーケティングでは、ブログの内容をそのまま配信するのがひとつの手段です。
ブログの読者とメールマガジンの読者は必ずしも一致しませんし、両方読んでいる人でも、毎回見ているとは限りません。
そこでブログとメールの両方でコンテンツを配信することによって、リーチを最大に高めることが出来ます。
もうひとつお勧めなのは、外部の情報を活用することです。
先ほど、ニューズレターの例のところでもご紹介したように、メールの内容は必ずしもオリジナルコンテンツである必要はありません。
読者の代わりに、役に立ちそうな情報を集めてあげて、それを配信するのでも充分です。
くれぐれも、何を書いていいのかわからない、という理由で配信が滞らないように気をつけましょう。
テストする
リスト数がある程度増えてきたら、件名のテストをすると良いでしょう。
たとえば、同じ内容のメールを送るにしても、Aという件名とBという件名で送ったときでは、開封率が異なるはずです。
一般的なテスト方法は次のとおりです。
- リストを半分に分けます。
- 半分に分けたリストをさらに半分にし、半分に件名Aで、もう半分に件名Bで配信します。
- 開封率をチェックします。
- 開封率が高かった件名で、残りの半分のリストに送ります。
このようにすることで、理論上、開封率を高めることが出来ます。
このテストを手動で行うのは面倒ですが、ある程度高機能なメール配信システムであれば、リストの分割や開封率のテスト、さらには、より開封率が高かった件名で残りのリストに配信することも自動で行ってくれるものもあります。
ぜひ活用してみましょう。
ステップメールを活用する
ステップメールとは、あらかじめ自分で設定した内容のメールを、指定した時間に自動でメール配信をすることができる仕組みのことです。
大抵のメール配信システムには標準で搭載されているはずです。
ステップメールは様々な用途に活用できますが、主なものとしては次の2つが挙げられるでしょう。
購入後のフォロー
商品を購入してくれた方に対して、自動で複数回にわたってフォローをする方法です。満足度を高めたり、次の商品を買ってもらうために非常に効果的な使い方と言えます。
既存顧客は、見込み顧客よりも高い確率であなたからのメールを見てくれるはずです。そこでたとえば、次のようなフォローをステップメールで行うと良いでしょう。
商品の使い方を詳しく説明する
商品の良さを100%知ってもらうために、商品の使い方を改めて説明しましょう。
他の購入者の声を紹介する。
他の購入者の方の成功事例や感想文を紹介しましょう。これによって、その商品を買った自分の判断は正しかったということを認識できます。
アンケートをもらう
商品のアンケートをもらいます。これはお客様の声として活用できるだけではなく、商品の改善にも繋がります。
次の商品のオファーをする
いわゆるアップセルやクロスセルを行っていきます。これも頻繁すぎると嫌われますので、上記のようなフォローメールの合間にはさむと良いでしょう。
セールス・ステップメール
セールス・ステップメールは、メールアドレスを登録してもらった後、ステップメールで成約まで持っていく手法のことです。
それほど単価が高くない商品などの場合に有効です。上手くいけば、自動で働き続けてくれる営業マンになってくれます。
セールス・ステップメールは、1週間~10日程度の期間で配信し続けるのが一般的と言えます。
セールス・ステップメールで伝える内容は、THE MARKETINGでご紹介した、ストーリーテリングです。
最初の数回は自社のストーリーを伝え、自社のことを良く知ってもらうことに力を注ぎます。次に商品の内容やメリットなど、機能的な側面を伝えていき、成約へとつなげていきます。セールスレターを書くときの流れと同じと考えると良いでしょう。
リストマネジメント
では、次に、リストマネジメントについてご紹介していきます。
メールマーケティングは、1対多のマーケティング手法ではありますが、相手にしているのはあくまで一人一人の見込み顧客です。
したがって、単に集めたメールアドレスにメールをどんどん配信していけば良い訳ではありません。相手の状況や嗜好にあった情報を提供していく必要があります。
そのために必要なのが、リストマネジメントという考え方です。リストマネジメントとは、次のようなことが含まれます。
- リストを新鮮な状態に保つ。
- 到達率、開封率、クリック率などの指標を設定し、改善していく。
- リストをセグメント分けする。
次からそれぞれについてご紹介していきます。
リストを新鮮な状態に保つ
米国での調査によると、BtoBのメールマーケティングの場合、リストの25%は1年で使えなくなる、というデータが出ています。
BtoBというのは、企業対企業のことで、主に企業の担当者向けに送信しているメールのことを言います。企業向けソフトウェアを販売しているのであれば、システム部門の担当者向けにメールマーケティングをしているはずですし、一般オフィス用品であれば、購買担当者や総務部の担当者向けにメールマーケティングをしているはずです。
このような場合、リストの25%は1年で使えなくなるというわけです。これはかなり高い数字といえるでしょう。
たとえば、
- 担当者が転職して、その会社のメールアドレスを使わなくなった。
- 担当者が配置転換し、あなたのビジネスとは関係ない部署に移ってしまった。
- 結婚して名前が変わり、メールアドレスも変わった。
などなどの理由で、あなたのメールが彼らに届かなくなるのです。
これらの理由で届かなくなったメールアドレスはどうすれば良いでしょうか。実はこれを放っておくことはあまりよろしくありません。
届かなくなったメールアドレスに送られたメールは、送信者の元に戻ってきてしまいます。これはバウンスメールと呼ばれています。
技術的な話は避けますが、これが増えるとメール配信システムに負担がかかるだけではなく、送信者としての評価も下がってしまいます。これは残りの75%に対する到達率にも影響していきます。
また、仕事が変わったなどの理由で、あなたのメールに興味がなくなった人に送り続けていると、スパム判定をされかねません。
スパム判定されることが多くなると、あなたのメールは、相手の受信ボックスに届くことなく、迷惑フォルダーに直行してしまうようになります。
これはなんとしても避けなければならない事態です。
対策として、リストを常に新鮮な状態に保つことが必要とされます。具体的には、次のような対策は最低限行いましょう。
バウンスメールは削除する
大半のメール配信システムでは、バウンスされたメールアドレスは抽出することが出来ます。それらのメールアドレスは定期的に削除しておくようにしましょう。
配信解除の方法を分かりやすくしておく
配信解除されるのが嫌だからといって、配信解除のリンクを見難くしたりしている人もいますが、好ましくありません。先ほど言ったように、配置転換や仕事が変わったなどの理由で、もうあなたのビジネスとは関係がなくなった人たちもいるわけです。
そういった人たちにスパム判定されないためには、メール中に配信解除の方法を明記しておく必要があリます。
登録情報変更の仕方を明記しておく
受け手のメールアドレスが変わった場合、丁寧に変わったことを教えてくれる人もいますが、大半の人は放ったらかしです。古いメールアドレスは使えなくなり、バウンスメールになってしまいます。
したがって、登録しているメールアドレスを変更する方法も明記しておいたほうが良いでしょう。
常に新規リストを獲得していく
これは当然ですが、25%が一年で使えなくなってしまうのであれば、最低、それと同じくらいの新規リストを獲得していかないと、ビジネスがどんどん先細りしていってしまいます。
常に新規のリストを獲得するための施策を念頭においておきましょう。
到達率、開封率、クリック率などの指標を設定し、改善していく
あなたのリスト数が1000あるからと言って、1000人の人がメールを見てくれているわけではありません。次のグラフをご覧ください。
これはメールマーケティングにおける、一般的な指標を簡単な図にしたものです。リスト数は、単純に獲得したメールアドレスの数です。
その中で、バウンスされるメール、迷惑フォルダに行ってしまうメールを除いたものが到達率になります。簡単に言うと、相手の「受信ボックス」に届く数が到達数です。
その中で、メールを開封してくれた人の数が開封数です。
その中で、メール内のリンクをクリックしてくれた人の数がクリック数。さらにその中で、商品を買ってくれた人の数が成約数です。
このように、あなたが何かのセールスのメールを送ったとしても、それを見てくれる人は、リストの中のごく一部でしかない、というのが現実なのです。
開封率は平均すると一桁%程度とも言われており、クリック数はその中の半分以下、というケースもあります。
つまり、リスト数が1000あったとしても、開封してくれる人は、数十人、クリックしてくれる人は10人程度、ということもあり得なくはありません。
寂しい話ですが、私たちとしてできることは、それぞれの指標をきっちりチェックし、%を地道にアップさせていくことです。
たとえば、何かの商品をセールスするメールを送信する場合、リスト数が1000、平均開封率が10%、平均クリック率が開封した数の30%だとしましょう。
すると、最終的にあなたのウェブサイトで商品を見てくれる人は、1000×10%×30%で、30人になります。
一方、様々な改善を行い、平均開封率を12%、クリック率を40%にしたとしましょう。すると、最終的にあなたのウェブサイトで商品を見てくれる人は、1000×12%×40%で、48人になります。
改善前と比べて、一気に1.5倍以上になりました。ごく単純に考えると、商品を買ってくれる人の数も1.5
倍になるはずです。
リスト数は同じでも、開封率とクリック率を少しずつ改善すれば、売上が増えるのです。
正直言って、リスト数を1.5倍にするのはお金もかかりますし、かなり大変です。しかし、開封率とクリック率を改善するのにはお金はかかりません。先ほど言ったようにリストを新鮮に保ったり、件名を工夫したり、メール内容を改善すれば良い訳です。
リストをセグメント分けする
リストをセグメント分けすることは、開封率、クリック率、ひいては成約率に大きく影響するポイントです。もっとも単純なセグメント分けは、見込み顧客と既存顧客です。この違いは先に述べたとおりです。
この二つのセグメントをさらに分けることが出来ます。たとえば、「無料オファーAから誘導されてきた見込み顧客」と「無料オファーBから誘導されてきた見込み顧客」ではニーズが異なるかも知れません。
また、「一回商品を買ってくれた顧客」と「10回買い続けている顧客」では、こちらの対応に差があって然るべきです。
大半のメール配信システムでは、様々なセグメントに分けてメールを配信できるようになっています。
特に新商品をリリースするときなどは、セグメント分けを行い、慎重にメールマーケティングを行うと良いでしょう。
たとえば、一般発売日の1週間前にはリピート顧客にリリース日や商品詳細について知らせておき、一般発売日の3日前には割引価格で優先購入できることを知らせることができれば、リピート顧客からの注文は増えるに違いません。
また、一回目のセールスメールを開封しなかった人だけに向けて、翌日にもう一度同じ内容を送信することも出来ます。昨日はたまたま忙しくてメールを開かなかったけれど、今日はタイミングが良かった、という人もいるはずです。
まとめ
以上、メールマーケティングについてお伝えしてきました。ここで大切なポイントをまとめておきます。
- 配信方法を決める。有料の配信サービスがお勧め。
- 件名に気を配る。
- 見込み顧客向けと既存顧客向けのメールを分けて考える。
- HTMLメールを採用し、デザインに気を配る。
- ステップメールを活用して、フォローやセールスを自動化する。
- 開封率やクリック率などを改善していく。
これらのポイントを押さえていただき、読者から喜ばれ、かつ成果に繋がるメールマーケティングを実践してみてください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
リードコンサルティング株式会社
代表取締役 小谷川 拳次
【本記述の無断転載・転用・盗用を一切禁止します】
無断転載・転用・盗用といった著作権侵害には民事上・刑事上の罰則が適用されます。
当社コンテンツに関して著作権侵害行為が発見された場合、事前通告なく当社顧問弁護士がしかるべき法的措置をとりますので、ご注意ください。
※当社ではコンテンツの無断転載・転用・盗用を防ぐため24時間体制でシステムを使った監視をおこなっており、当社コンテンツと同じ表現はすべて自動的に検出されます。
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